こ ん な 噂 が あ る ん だ
『 お手紙様 』 っ て 知 っ て る か い ?
そ の 名 の と お り
お 手 紙 で 会 話 で き る ん だ
凄 い だ ろ う?
や り か た は 簡 単
便 箋 に 手 の シ ー ル を 貼 る ん だ
そ し た ら 、便 箋 に
「お手紙様、お手紙様、綺麗なお手紙差し上げます」 と か い て
自 分 か ら 3 k m は な れ た と こ ろ に お く ん だ
後 は 返 事 を ま つ だ け
俺は、その話を友達から聞いて
半信半疑ながらもやってみることにした
「便箋……どこだっけな…」
確か結構前に使ってその余りがあったはずだ
「あった…よし!」
俺は便箋に「お手紙様、お手紙様、綺麗なお手紙を差し上げます」と書いた
手のシールはなかったので
100円ショップにいってパー型のシールを手に入れた
それを便箋に貼った
「3km……どこがいいかな…」
そう悩んで悩んで決めたのが
図書館だった
ここから学校まで2kmほどあり
まぁそんなものだろうと思った
「誰も見つからないようにっと…」
僕は近くの花壇にそっと埋めといた
翌日。
手紙はどうかと見ていると、
昨日と、場所が違っていた
昨日は、花壇に埋めたはず
だけど、今日は花壇からちょっと離れたところに落ちてた
「アトサンキロ」
そう書いてあった
「これだけ?」
拍子抜けした俺は
呆れて家に帰った
あれか数ヶ月
俺が学校に行くために、歩いていると
落ちていたのだ 道端に
土や泥で黒く汚れていて
くしゃくしゃになっていたが
赤い字で書いてあったのだ
「モウスグモライニマイリマス」
貰いにって…手紙は出したはずだ
悪寒がして、俺は一目散に走った
「じゃ、始めるぞー」
先生は野太い声でそういい、黒板に 数式をかき始めた
「チカイヨ、チカイヨ」
と
「ウワアッ?!」
思わずそう叫んでしまった
「どうしたー、ちゃんと聞けよ?」
「先生…だって、だって……黒板に!」
「黒板?この数式がどうかしたか」
何度言っても信じて貰えなく、周りから変なやつ、という視線が飛んでくるだけだった
「モウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモウスグモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウモラウ」
「ホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイ」
先生が次々とそう書いていく
たまらなくなって逃げ出した
街のチラシ、テレビ、至る所に
テヲクレと書いてある
「嫌だ…いやだぁーーー!!」
恐怖が込み上げてくる
その時、『ヒタ…ヒタ……』と足跡が聞こえた
振り向くと、異様に背の高い女が近づいてきていた
だが、どこか違和感がある
手だ
手首から下がなかった
女はにたっと笑って言った
「モ ラ イ ニ キ タ ヨ」
その瞬間、手に鋭い痛みが走り
「バキッ」
何かが折れる音も聞こえた
「アリガトウ、『手』紙ヲダシテクレテ」
それが最後に聞こえた言葉だった
コメント
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(||゜Д゜)ヒィィィ
お手紙を上げると、貰いに来ます。 お手紙……お「手」紙……