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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

猫船

ねぇ、皆どこっ!?

猫船

(急に黒い霧に
包まれて見えなく
なっちゃった!)

猫船

(皆の声も
全然聞こえないし…)

黒いの魔法陣内に 閉じ込められた後、 謎の黒いモヤが出現し 猫船達は包まれた。

それと同時に 猫船の近くにいたメンバーは どこかへ消えてしまった様だ。

猫船

(暗くて怖い…)

猫船

(何か照らすもの…)

スッ

猫船

ッ!

突然、猫船の周りの闇が 薄れ始め、次第に周りの 景色が見え始めた。

第58話

『最悪な再会』

猫船

…ここは何処??

猫船の周りから 闇が消えると、先程とは 別の場所に立っていた。

猫船

(どこかに
飛ばされちゃった
みたい…)

猫船

(それに、
周りには私だけ…)

猫船

えっと…

猫船は トランシーバーを持つ。

猫船

(これどうやって
使うんだっけ??)

猫船

(久しぶりに使うから
忘れちゃった…)

猫船

あっ、
こっちだったら
皆と話できる!

ピッ

猫船は耳につけている イヤホン型の通信機に 電源を入れた。

猫船

こちら、猫船です!

猫船

誰か聞こえる?

猫船

聞こえたら、
返事してっ!

猫船は声をかけるが、 返答は全くない。

猫船

もしも〜し!

猫船

(…駄目っぽい…)

猫船

(皆、大丈夫かな?)

猫船

(探さないと…)

猫船

うゎおッ!?

猫船が顔上げた瞬間、 何かに驚きジャンプする。

猫船

(ひ、人がいた…)

いつの間にか、 猫船の前に1人の男性が 立っており、彼女を見ていた。

猫船

(びっくりした…)

猫船

(ゆ、ゆ幽霊じゃ
ない??)

……。

猫船

(…あ、このお兄さん
って載ってた人だ!)

猫船

(えっと、
名前は確か…)

…生き残りが
いたんだ。

あの時、全部
始末したはずだった
んだけれどね…

猫船

ん??

猫船

(何の話?)

でも、
今の状況なら
好都合か。

復活には
膨大な力を
必要とするから…

猫船

(復活??)

猫船

(魔女の事かな??)

猫船

(…あれ、)

その時だった。

突然、猫船の視界が ぼーっとし始める。

猫船

(…なんか、
眠くなってきた…)

猫船

(事務所で
しっかり
寝たはずなのに…)

効いてきた
みたいだね。

でも、辛い症状は
全くない。

…抵抗する意思が
なければ…だけど、

…を見て、
…するといい。

…バタンッ!

ザザッ

青影

こちら、
夜猫依頼事務所の
青影壱です。

青影

誰か聞こえますか?

青影

聞こえたら、
応答お願いします。

ザザッ

ザザッ

青影

…駄目か。

青影

(多分、
通信の妨害を
されてるんだろうな。)

青影

(…にしても、
ここはどこなんだ?)

青影

(今日、
弾圧の施設内か?)

…誰かいるのか?

青影

ッ!

青影は突然男性の声を聞き、 驚きの表情となる。

ドアの前に
『勝手に入るな』と
張り紙がしてただろう。

特に私がいない時は
入らないでもらいたい。

知らなかったなら、
次から気をつけてくれ。

青影

(…この声、)

青影は真顔に戻し、 手を強く握り締めて 声の方へ ゆっくりと身体を向ける。

…ん?

青影

……。

…パキッ、

まさか、
ここに来るとはな…

ダッ!

ブンッ!!

グッ!

青影は急に走り出し、 男性の顔に向けて勢いよく 右拳を振る。

だが、男性は 彼の拳を右手で 力強く受け止める。

……。

青影

…まだここに
居たんだな。

青影

父さん…

立浪 義信 (たつなみ よしのぶ)

青影

…7年ぶりか。

青影

ここで再会なんて
最悪だな。

立浪 善信

…なぜここにいる?

青影

仕事で来たんだ。

立浪 善信

…あぁ、
始まったか。

青影

なんでまだ
ここにいるんだ?

青影

今更、目的なんて
ないだろ。

立浪 善信

…治療薬の研究だ。

立浪 善信

生きる上で
不要な特質の治療法を
見つけるの為のな、

立浪 善信

例としては
日光下での弱体化、
身体の急速な老化、
植物化などだ。

青影

人に魔法を与える薬も
その為か?

立浪 善信

あれは、
友人からの依頼だ。

立浪 善信

宗教側に
魔法を持つ者を
増やす為に作った。

立浪 善信

身体強化、幻覚作用の
ある薬に魔女の
魔力を付与してな。

立浪 善信

と言っても
成功するケースは
あまりない。

立浪 善信

魔女の魔力は
強力過ぎて適応者が
限られるからな。

青影

危険を知った上で
渡したのか…。

立浪 善信

薬の説明はした。

立浪 善信

それをどう使うかは
私には関係ないからな。

青影

関係ない?

パキッ

青影

…ふざけんなっ、

青影

あれのせいで
関係のない人達が
犠牲になったんだぞ!

青影

薬の作用で
狂って苦しんで…

青影

お前、医師だよな?

青影

自分のしてる事に
何とも思わないのか?

立浪 善信

……。

青影

…まぁ、何とも
思わないか。

青影

暗殺者に
俺ほ殺しを
頼むぐらいだしな…

立浪 善信

殺し?

青影

ここの暗殺者に
命を狙われたんだ。

青影

幹部の誰かに
指示されたようでな…

立浪 善信

頼んだ
覚えはない。

立浪 善信

頼んだと言えば、
ここへ連れてくることだ。

立浪 善信

私はお前の中の
それらを
取り除きたい
だけだからな。

青影

…同じ事だろ。

青影

どちらにせよ、
俺は絶対に
従わないからな…。

青影

これを切り離せば、
宗教の奴らの手に
渡るだろ?

立浪 善信

それが魔女との
約束だ。

青影

なら尚更、
渡す気はない。

青影

悪用されるのは
御免だ。

立浪 善信

……。

青影

だいだい
切り離せって
頼んでないだろっ!

青影

多少、
気になりはしたが、
何も問題はなかった。

立浪 善信

だが、いずれは、
悪い方へと向かう。

立浪 善信

それは
悪霊の類いだからな。

青影

…悪霊?

ポワッ

青影

ッ!

ブンッ!

ガゴンッ!

青影は危険を察知し、 後方へと退避する。

直後、魔法陣から 黒い何が飛び出し 青影のいた地面に 振り下ろされる。

それは禍々しい姿をした 巨大な片鎌槍であり、鎌の部分が 深く刺さっている。

立浪 善信

今のお前は
悪霊に既に
操られてるかも
しれないな。

立浪 善信

それなら、
無理にでも
実行する。

青影

(…やっぱり話は
通じないか…)

魔法陣から黒い手が現れ、 鎌の柄を持ち 地面から片鎌槍抜く。

青影

(…あの時のか。)

青影

(一回でも当たれば…)

ブンッ!

青影に向かって 片鎌槍の鎌がふりかかり、 彼は左に回避する。

ポワッ

青影は銃を取り出し、 構える。

しかし…

青影

ッ!?

青影が発砲しようとした瞬間、 彼の身体が浮く。

ブンッ!

ドゴンッ!

そして、 鎌が振られると同時に 遠くへ飛ばされ、建物の壁に ぶつかる。

青影

痛ッ…

ブンッ!

青影

ッ!

青影は向かってきた 黒い塊を咄嗟に避ける。

青影

(何か飛んできた?)

青影

(…それに、
さっき身体が
浮いた?)

青影

青影が動こうとしたが、 突然身体が動かなくなる。

青影

(…身体が動かない…)

青影

(さっきから
一体何が
起きてるんだ?)

黒い手が鎌を上に掲げて 青影に徐々に近づいてくる。

青影

(まずい…)

青影

(このままだと
鎌に斬られる…。)

青影は動こうとするが、 彼の身体は動く事はない。

青影

(くそっ、
なんで動けないんだ?)

青影

(周りには何も…)

青影

ッ!

青影が当たりを見渡すと、 彼の視線は自身の影に止まる。

そこには、 複数の手のような影が 青影の影を固定するように 張り付いていた。

青影

(まさか、
これが原因か?)

ブンッ!

青影

ポワッ

ゴボゴホッ!

青影は自身の周りに 激しい水の渦巻きを生み出し、 勢いで片槍鎌を弾いた。

張りついていた 影の手も水の流れに耐えきれず、 青影から離れ消えた。

青影

(影に干渉する魔法
みたいだな。)

青影

(となると、
さっきのもそれが
原因か?)

青影

(…それに手の影、
さっき避けた
黒いのから出てたな。)

青影

(気をつけないと…)

青影

(…何が
俺の為だ。)

青影

(…いかにも
殺す気満々
じゃないか。)

青影

(それに
俺より宗教連中を
信用して…)

パキパキッ

青影

(そもそも、
昔から問題
なかったんだ。)

青影

(こいつらは
他人に何も危害を
与えなかった。)

青影

(なのに、あの日…)

~7年前~

青影

(…帰ってきたか。)

清子

貴方っ、
おかえりなさい~♡♡

青影

…おかえり。

清子が勢いよく 義信に抱きつく。

清子

久しぶりに会えて
嬉しいわ~♡♡

清子

もう、1ヶ月も
帰って来なかったから
心配で心配で…

青影 義信

…すまないな。

清子

あれっ、ちょっと
痩せてないかしらっ!?

清子

向こうでちゃんと
ご飯食べてるの?

青影 義信

…昨日の夜に
食べた。

清子

朝と昼は?

青影 義信

……。

清子

もう〜、
ちゃんと三食
食べないと駄目よ。

清子

倒れたら心配だから…

青影

……。

清子

壱と会うの
久しぶりでしょ?

清子

8年ぐらい顔を
合わせてないし、

青影 義信

…少しいいか?

青影

ん?

青影 義信

話したい事がある。

青影 義信

清子はここで
待っててくれ。

清子

え…

青影 義信

すぐ終わる。

清子

…分かったわ。

義信は別室へ そのままと向かった。

青影

…帰ってきて
急になんなんだ?

清子

…私だけ仲間外れ…

清子

ショボン…

青影

…なんかごめん…

青影

すぐ戻って来る
から…

青影

…話って何?

青影

出来るだけ
手短にしないと
母さんが泣くぞ。

青影 義信

…今も聞こえるのか?

青影

ん?

青影 義信

昔から聞こえる
誰かの声や
悪夢だ。

青影 義信

今でもか?

青影

まぁ、たまにな…

青影

でも、特に
害はない。

青影

あの夢も
悪夢というより…

青影 義信

取り除いてやる。

青影

え?

ブンッ!

青影

ッ!?

突如、義信の手から片槍鎌が 出現し、青影に向かって 振り下ろされた。

青影

うっ!!

青影はすぐ後方に避けたが、 胸の 辺りに鎌の刃が当たって しまった。

そして、 胸辺りに激痛が走り、 その場で倒れる。

青影

うぅっ!

青影 義信

…切り目が
浅かったか。

青影

…お前…

青影

(…あれは、魔法か?)

青影

(父さんには
魔法がないはずだ。)

青影

(なんで魔法を…)

青影

青影

(胸が苦しい…)

青影 義信

…つぎは
確実にやる。

青影

…俺を、殺す気なのか?

青影 義信

怖がることはない。

青影 義信

これはお前と奴らを
引き離すだけだ。

青影 義信

命に関わるものではない。

青影

引き離す?

義信は右手に片槍鎌を 構え、青影に近づく。

青影 義信

大丈夫だ。

青影 義信

…これは、

…これは
俺の為なんだ。

お前らが悪いんだ。

…の機嫌を…

シュッ!

…ユルサナイ…

青影

やめろっ!!

バキバキッ!

青影 義信

ッ!

義信が鎌を振り下ろす瞬間、 彼に向かって鋭く尖った 氷柱が出現した。

義信は後方へと避ける。

青影

はぁっ…はぁっ…

バキッ

バキバキッ!

気温が下がり始め、 青影の周りの地面が 次々と凍り、 鋭く尖った氷柱が 生み出されていく。

青影

(…さっきのは何だ?)

青影

(父さんが
知らない人に見えた…)

…クルシメ…

…オナジクルシミヲ…

青影

(…なんだこれ。)

青影

(こんなの、
今まで聞いた事ない…)

青影 義信

……。

青影

…来るなっ…

青影

こっちに来るなっ!

……。

…ニクイ…

…ユルサナイ…

青影

(…違う。)

青影

(あれは…
俺の父さんだ。)

バキバキッ!

青影

(…この場から
離れないとまずい。)

青影

(でないと、
父さんを殺してしまう。)

清子

壱っ!?

青影

ッ!

清子

何があったの!?

青影

…母さん、
俺にちかづ…

ズキズキッ

青影

うっ…

青影の胸がさらに 苦しくなりその場で 胸を押さえてうずくまる。

青影

はぁっ…はぁっ…

青影

(どんどん
状態が悪化してる…)

清子

貴方、
一体何をしたのっ?!

清子の言葉を無視し、 青影に近づこうとする。

だが、清子がそれを 制するように前に立った。

清子

やめて、
壱が死んじゃう!

青影 義信

大丈夫だ。

青影 義信

少し苦痛はあるが、
命の問題はない。

青影 義信

あれは今のうちに
取り除かなければ…

青影 義信

でなければ、
いずれ壱が
大変な事になる。

清子

大変な事って何?

青影 義信

……。

清子

壱がどうなるの?

清子

ねぇ、

青影 義信

とにかく、
今から取り除く。

青影 義信

それさえすれば
何も問題ない。

青影 義信

それに、お前の身体も
解決できる。

清子

私の身体?

青影 義信

あれを取り出して、
魔女に渡せば
普通の人間にして
もらうことができる。

清子

……。

青影 義信

清子も壱にとっても
悪い話ではない。

青影 義信

もう悩まなくて
済むのだからな。

清子

…嫌よ。

青影 義信

ッ!

清子

確かに今
この身体は
不便かもしれない。

清子

貴方や壱に
迷惑をかけて
しまうし、

清子

でも私は、
壱を危険に
晒してまでも
手に入れたくない。

青影 義信

だから…

清子

ごめんなさい。

清子

今の状況じゃ
私は貴方を
信じられない。

青影 義信

…そうか。

ガタンッ

青影

ッ!!

部屋の中に 5、6人の知らない人が入り、 義信の後ろで立つ。

青影

(こいつら、誰だ…)

清子

この人達は…

青影 義信

…仕事場の人間だ。

青影 義信

このままでは
やりにくい。

青影 義信

悪いが、壱は
職場の方へ連れていく。

青影 義信

嫌がってもな…

青影

(…くそっ、こいつ…)

青影

バキバキッ

…ユルサナイ…

オマエラモ…

青影

(…本当にまずい。)

青影

(…ここにいる全員を
敵視してる。)

青影

(ここから
離れないと…)

青影

(このままだと…)

スッ

青影

突然、青影の 両耳が何かで遮られ、 音が聞こえなくなる。

彼の耳には 彼女の手があてられていた。

青影

母…さん?

清子

……。

清子の顔は何かを 決したような顔だった。

彼女は義信の方を見ながら、 目をつぶり、ゆっくりと 口を開ける。

青影 義信

その瞬間、 義信が咄嗟に耳を手で押さえ、 苦痛で表情を浮かべる。

さらに、 周りに立つ者達も 次々と倒れていった。

青影

(…何だ?)

青影

(一体、何が起きて…)

清子

ゴホッゴホッ!!

青影

ッ!?

清子は両手を口に当てて 激しく咳をする。

すると、彼女の 指と指の間から 赤い血が流れる。

青影

母さんっ!?

青影 義信

…それは
使うなと…

清子

…構わないわ。

清子

この子は私達の
宝物なんだから…

清子

貴方だって…私の…

清子

ゴホッゴホッ!!

青影 義信

清…

ゴゴゴゴゴッ!!

青影

(…なんだ?)

青影

(地面が揺れて…)

ザバンッ!!

ブンッ!

バキバキッ!

ガギンッ!

青影に向かって 振り下ろされた鎌が 地面から出現した氷柱に よって弾かれる。

青影

(…この状況、
母さんが見たら
悲しむだろうな。)

青影

(けど、
こうするしか
方法がない。)

青影

(俺の言葉なんて
届かないんだからな。)

バキバキッ!

青影

(ここで終わらせる。)

青影

(例え、
殺す事になっても
構わない。)

青影

(…あいつが
攻撃を止めるまで
容赦しない…)

夜猫🌸依頼事務所~厄災の魔女~

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