Robot World

すると、ロボットの胸元にあるタッチパネルのようなものに、

五十音順に並んだカタカナが表示された。

いまいち状況が飲み込めないまま、

僕はそのタッチパネルから

ミズシマ エイジ

と入力した。

気がつくと、僕の周りに、

たくさんのロボットが集まってきていた。

人間の世界では、そんなの…

縁がないことだな……

でも、ここに来たら、

こんなにたくさんのロボットがいて、

みんな、僕を家族みたいに受け入れてくれる…

周りのロボットが喜んでいるのか、

高い音を発している。

後ろを振り返ると、

入ってきた扉があった。

僕は、そこに近づいて、 ドアノブに手をかける。

サヨナラーー

と、みんな手を挙げて手を振ってくれた。

なんだか、救われたような気持ちになった。

ギー……

パタン…

人間の世界に戻った僕。

外は既に薄暗くなっていた。

後ろを振り返ると、

もう扉はなかった。

そう言って、僕は帰路に着いた。

玄関に入ると、

もうそこには父さんが立っていた。

頭に、衝撃がはしった。

父さんは、そのまま黙ってリビングに戻った。

母さんは、リビングでテレビを見ながらコーヒーを飲んでいた。

僕も、頭を抑えながら、自分の部屋に戻った。

殴られたところが、ジンジンする…

僕は、ベッドに倒れ込んだ。

僕はそのまま、眠りの世界に入っていった。