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【もしも明日、世界が滅亡するなら?】 ……誰もが一度は考えることでしょう。

では、もしも……滅亡前日が何度も繰り返されるとしたら?

 その時あなたは、何を思いますか?

千夜(せんや)

『たとえ滅亡するとしても。
…それでも明日へ踏み出したい』

糸(いと)

『滅亡するぐらいなら、
永遠にここで生きていたい』

更紗(さらさ)

『抗うだけ無駄なのよ。
なるようになればいいわ』

恒星(こうせい)

『俺達にできることが、
きっとあるはずだ!』

里花(りか)

……私は、どうしたらいい?

里花(りか)

私もあなたと同じことを望んだ方がいいのかな…?

里花(りか)

でも、わからないの。
それが本当に正しいのか。

里花(りか)

…いいえ、何を望んだって、望んだところで、何も意味なんてないのかもしれない。

里花(りか)

それでも私は知りたかった。
あなた達の………あなたの…

千夜(せんや)

おはようみんな。

恒星(こうせい)

おはよう千夜!
いい朝だな!

糸(いと)

千夜君おはよう。
…今日も会えて嬉しい。

千夜(せんや)

更紗は?

恒星(こうせい)

知らん。
どうせまたその辺うろつき回ってるんだろ。

糸(いと)

校舎内のどこかには居るんだから、気にしなくていいんじゃない?

糸(いと)

…学校から出ることは、できないんだからさ。

千夜(せんや)

そっか。
……なんか、もうすっかり慣れちゃったな。

糸(いと)

だよね!? 
ねえ、千夜君も、もうこのままでいいと思わない? 

糸(いと)

このままここに居れば、僕達はずっと生きていられるんだよ?

千夜(せんや)

糸……何度も言うけど、俺はそうは思わないよ。

千夜(せんや)

何で俺達4人だけが、ここで延々と『滅亡前日』を繰り返し続けているのか、何もわからないけれど………こんなの、ずっと1ヶ所で足踏みしてるようなものだろう?

千夜(せんや)

ここにずっと居たって、何も変わらない。
やっぱり俺達は、ここから抜け出さないと駄目なんだよ。

糸(いと)

抜け出したら、滅亡当日だよ。

糸(いと)

わかっているでしょう? 
明日が来たら、地球が滅びる。
ここから出たら終わりなんだよ、何もかもが。

千夜(せんや)

でも…

糸(いと)

ここに残してもらえたのは、奇跡のような幸運だ。

糸(いと)

ここに居る限り、僕達だけはずっと生きていられるんだから!

千夜(せんや)

でも!

恒星(こうせい)

千夜。
糸の考え方はどうかと思うが、俺達がここに残されたことに意味があるのは間違いないよ。

糸(いと)

でしょ!? 
ほら、天下の恒星君がこう言ってるんだよ?

恒星(こうせい)

こんな状況下で天下も何もないがな。
でも考えてみろって!

恒星(こうせい)

何の意味もなく俺達だけがここで生かされているなんて思うか? 
きっと俺達は、世界滅亡に立ち向かうために選ばれたんだよ!

恒星(こうせい)

何かできることがあるんだ! 
俺達にしかできないことが、きっと!

千夜(せんや)

………

糸(いと)

……まあ、ここで僕と恒星君の意見は別れちゃうんだけどね。
僕は何もしたくないから。

糸(いと)

ずっとこのまま、永遠にここで生きていきたいんだからさ。
そのためならむしろ何だってするよ。

千夜(せんや)

……俺は…自分達が世界滅亡に立ち向かうべきだとも思わないし、だからといってずっとここで今日を繰り返し続ければいいとも思わない…。

恒星(こうせい)

ならお前はどうしたいんだよ?

千夜(せんや)

…俺は………

更紗(さらさ)

流れに任せればいいのよ。

恒星(こうせい)

更紗! 
お前また1人でどっか行きやがって。

恒星(こうせい)

あんまり単独行動はするなって言ってるだろ!

糸(いと)

恒星君、彼女は女子なんだから、男達と寝食を共にするわけにもいかないでしょ。

恒星(こうせい)

別に寝る時も一緒に居ろなんて言ってないだろ。

糸(いと)

あ〜あ、わかってないなぁ。
これだから野蛮な男は。

恒星(こうせい)

じゃあお前は女の気持ちがわかるっていうのかよ?

糸(いと)

わからないと思うよ?
僕は別に、「心は女」っていうわけではないから。

恒星(こうせい)

面倒な奴だな。

千夜(せんや)

更紗……流れに任せるって…?

更紗(さらさ)

足掻いたって無駄だと言っているの。
なるようになればいい。
ただそれだけよ。

糸(いと)

わぁ! 
それなら更紗は僕の味方だね! 
僕達はただここでじっとしていればいいんだよね。

更紗(さらさ)

あなた、さっき言ったわよね? 
ここに残るためなら何でもするって。

糸(いと)

うん、言ったよ。

更紗(さらさ)

それなら残念ね。
私もあなたの味方ではなさそうだわ。

糸(いと)

えー! 
なんだよぉ。
1人ぐらい僕に付いてくれたっていいのに。

千夜(せんや)

………

更紗(さらさ)

千夜。

千夜(せんや)

……流れに任せるわけにも、いかない。
…なるようになるじゃ、……だめなんだ。

恒星(こうせい)

だから、お前は複雑すぎてわけがわからんのよ。
結局どうしたいっていうんだ。

千夜(せんや)

………………俺は……っ…

里花(りか)

『千夜』

千夜(せんや)

………………え?

里花(りか)

『私もあなたにもう一度会いたい』

千夜(せんや)

!?

糸(いと)

ん?
どうしたの?

千夜(せんや)

今、里花の声が…!

糸(いと)

え………

更紗(さらさ)

………

千夜(せんや)

……みんな、聴こえなかったか?

恒星(こうせい)

お前さぁ、そりゃ幻聴ってもんだろ。

千夜(せんや)

………

糸(いと)

そうだよ。
思いすぎて幻聴まで聴こえちゃうとか……ほんと、勘弁してほしい。

千夜(せんや)

幻聴…か。
……あぁ。
確かにそうかもしれないな。

千夜(せんや)

……けど、幻聴だとしても、『ここ』に来てから急に聴こえるようになったのは、何か理由があるような気がする……。

更紗(さらさ)

どうでもいいわ。
そんなこと私達には何の関係もない。

千夜(せんや)

………

恒星(こうせい)

そう言うなって! 
俺ら仲間だろ!

糸(いと)

意見が別れてる時点で仲間じゃないと思うけど。

恒星(こうせい)

意見なんて人それぞれだ。
ここに集まってる者同士なんだから、俺達は仲間! 
それでいいだろ!

糸(いと)

……僕は君が羨ましかったけど、こんな状況だとそのキャラは鬱陶しいだけだね。

恒星(こうせい)

こんな状況だからこそ力を合わせなきゃいけないんだろう!

恒星(こうせい)

………

恒星(こうせい)

何だよお前ら。
全っ然協力しようって気持ちが見えないぞ。

千夜(せんや)

…ごめん。

恒星(こうせい)

………はぁ。

恒星(こうせい)

いいよもう。
俺は自分にできることを探してくるから、お前らも希望を持って、一緒にこの困難を乗り越えるために頑張ろうな!

――恒星、退室。

糸(いと)

暑苦しい人だなぁ。

更紗(さらさ)

それで、さっきから1人だけ何でも嫌だ嫌だ言ってるお子様は、これからどうするつもりなの?

千夜(せんや)

俺は、だから…ここから脱出したいんだって……

糸(いと)

それは滅亡だって言ってるんだから、あぁもうずっとこの繰り返しだよ。

千夜(せんや)

いや、そうじゃない。

糸(いと)

えー?

千夜(せんや)

ここから…このループから抜け出して、『明日』を迎えても、それが必ずしも滅亡ってわけじゃないんだ!

糸(いと)

何言ってるの? 
ここにはパソコンもスマホもないけど、テレビは見られるからニュースを確認することはいつだってできるよ。

糸(いと)

ほら、今ももちろんやってる。
テロップにも常に出てるでしょ。
『明日で地球は99%消滅の見込み』って。

千夜(せんや)

そうだよ!

糸(いと)

…?

更紗(さらさ)

………

千夜(せんや)

だから…99%なんだ。
…100%じゃないんだよ。

糸(いと)

…はぁ〜? 
もう、何言っちゃってるの…。
99%ってことは、それはもう絶対ってことなんだよ?

千夜(せんや)

違う! 
99%なら、1%は残っているんだ………

千夜(せんや)

1%はゼロじゃない!

千夜(せんや)

ゼロじゃ………ないんだ!!

更紗(さらさ)

………

糸(いと)

え、えぇ〜……なんで急にそんな熱くなっちゃうのかなぁ。

千夜(せんや)

…あ、ごめん………。

更紗(さらさ)

1%の可能性が、あるのとないのとでは……全然違う。

千夜(せんや)

千夜(せんや)

そうだよ、更紗もそう思ってくれるんだね?!

更紗(さらさ)

…そうよ。
だから私は………………

更紗(さらさ)

あなた達を許せない。

千夜(せんや)

………え?

更紗(さらさ)

もう話すことはないわ。
それじゃ。

――更紗、退室。

千夜(せんや)

更紗…?

糸(いと)


変なのー。

千夜(せんや)

………

糸(いと)

………

千夜(せんや)

………?
ん?

糸(いと)

ねえ、千夜君。
…僕って、気持ち悪い?

千夜(せんや)

は?
何だよ急に〜。

糸(いと)

…僕はここに来てから、ここぞとばかりに君にべったり張り付いて、いつも好きだ好きだって言ってるけど。

糸(いと)

ちゃんと僕のことを話したことは、なかったと思ってさ。

千夜(せんや)

…いや…別に話してくれなくていいけど。

糸(いと)

まぁいいじゃん、せっかくだから聞いてよ。
今のところは、時間が無限にあるんだからさ。

千夜(せんや)

………

千夜(せんや)

じゃあ、まあいいけど。

糸(いと)

ありがとー。

糸(いと)

あのね。
僕は先天性のゲイで、物心ついた時から、すでに男の子のことが好きになってた。

千夜(せんや)

そうなんだ。

糸(いと)

ふふ、興味なさそ〜。

糸(いと)

……で、一応自分的には必死に隠してたんだけどね、そういうのってやっぱり、どんなに隠してるつもりでも、わかる人にはわかってしまうみたいでね。

糸(いと)

高校に上がった時、…あ、彼の名誉のために一応名前は伏せておいてあげるけど。
僕たちの学年に1人、そういう趣味の男子がいてね。

糸(いと)

僕が男の子が好きだって気付いて、それだけで何でもしていいと思い込んで、僕に言い寄ってきたんだ。

糸(いと)

でも僕はそいつのことなんか全然好きじゃなくて、『男なら誰でもいいってわけじゃないから』って、はっきり断ったんだ。

糸(いと)

そうしたら…

千夜(せんや)

………

糸(いと)

そいつ、えーと、スクールカーストっていうのかな。
凄い上位の奴だったから。
…翌日から、そいつが主犯格になって、僕は学年中からいじめのターゲットにされたんだ。

千夜(せんや)

えっ。

千夜(せんや)

お前、それでいじめられてたのか…?

糸(いと)

そうだよぉ? 
酷い話でしょ〜?

千夜(せんや)

………

糸(いと)

学校に行ったら、一体誰にどこから撮らせてたのか、そいつに呼び出された時の写真が貼り出されてて。
それだけ見たら、確かにどっちが呼び出した側なのかわからないんだよね。

糸(いと)

で、それが証拠だって言って、…ホモ野郎だった僕がノンケのそいつに無理やりキスしようとしてきたんだって話にされちゃってたの。

千夜(せんや)

えぇっ!

糸(いと)

よく考えるもんだよねぇ。

糸(いと)

それからの毎日は本当に悲惨なものだったけど………それは、君も見てるよね?

千夜(せんや)

あ……

糸(いと)

いいんだよ、別に助けてくれなかったことを責めてるわけじゃないから。

糸(いと)

……君はそれどころじゃなかったんだってことも、ちゃんとわかってるしね?

千夜(せんや)

ごめん………

糸(いと)

いいんだって言ってるのに。

糸(いと)

……そんな地獄の日々だったけど、その時の僕には、『ヒーロー』が居たんだ。

千夜(せんや)

ヒーロー?

糸(いと)

そう。
ヒーロー。

それでも僕らは1%の明日を待つ

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