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9月19日 僕は、死んだ。
自殺したんだ。 8回建てのビルの屋上から。 僕の放った悲しい声は、 きっと誰にも届いていなかったのだろう。
ーー君でさえもーー
部長
恬
部長
恬
今僕の目の前に無造作に 置いてある この大量の書物は、 まるで、、、 僕を見下しているように。 醜かった。
きっとこれを、 世間様的にはブラック企業とでも言うのだろう。
毎日続く残業に、安い給料 なにか言葉を発すると、 社員全員が僕を無視する。 きっと、 生き方を間違えたのだろう。
人生が楽しい! と思ったのは、せいぜい 中学3年生までだ
高校では、部活ではシカトされ よくアニメとかで見る。 ヤンキーとかに パシられる毎日だった。
恬
人生20年目の僕は 誰もいない、 オフィスの中で 会社に置いてある古時計に のみ祝われた。 と、思っていた
佳奈
恬
恬
佳奈
この腐ったような自分が こんな人を、 知っていただろうか?
佳奈
佳奈
恬
確か、 中学生でもいじめられてたっけ、 そんで、こんな僕を助けてくれたのは 君だったな。
佳奈
佳奈は、 コホンとわざとらしく それで部長の真似をしはじめた
佳奈
佳奈
まだ、 生きる意味は あったみたいだな。
恬
これが、 腐りきった僕が言える。 最大限のお礼だった。
佳奈
佳奈
佳奈
こんな僕にも、 心配してくれるような人がいたんだ。
心配させたくないのが 勝ってしまった。
恬
精一杯の笑顔で対応してみた。 すると彼女は 「そっか」 と言って笑って見せた
佳奈
佳奈
恬
佳奈
美しい笑顔を、 オフィスに残して、 彼女は去っていった。
恬
こんなことを言っていいのかと 思ったけど。 他に人はいないから、 僕はまた、 独りだ
恬
手元の時計の針は、 12時50分を迎えた
恬
不思議と、 悲しさはなかった。 ただ、ずっと、 彼女の言葉が、 頭を滑り台のようにぐるぐる回っている
恬
オフィスから出て、 真っ暗な廊下を過ぎようとした時。 聞き覚えのある声が。 耳に通った。
部長
恬
恬
部長らしき人物について行くと いつの間にか屋上に着いていた。
部長
部長らしき人物に スマホを渡され。 その中に動画が1本 はいっていた。
恐る恐る、再生ボタンをタップすると そこには、 佳奈が映っていた。
佳奈))部長〜 久しぶりです〜 部長))おお、佳奈か。 恬には会えたか? 佳奈))はい、幼稚な顔してましたよ。 超絶哀れな顔してたんで、 あなた、恬君に何したんですか? 部長))フッ、ただ、残業を頼んだだけさ!、新人なんだ、あれぐらいやってもらわないと困る。 佳奈))ふざけるな! 恬君は操り人形ではない! 感情があり、言葉がある。
部長))では、君は、 恬のために死ねるのか? 佳奈))っ!? 死ね....ます。
恬
部長))なら、証明しろ、 君が恬のために死ねるというのであれば、そこから飛び降りろ。
ここで動画は切れた
恬
部長
部長が指さす方に目を向けると そこには、佳奈の靴と、カバンが置いてあった。
恬
部長
もう、生きる希望も失った僕は 死ねばいいのか?
いつの間にか恬は、 屋上の端に行って。深夜の東京の景色を眺めていた
恬
恬
恬は飛び降りた。
古時計))ゴーン、ゴーン、ゴーン
僕の最期は、 20歳になった瞬間だった。
完
佳奈
部長
佳奈
彼女の顔には。
笑顔があった。