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俊介と喧嘩をした
理由はとてもくだらない事
...いや、くだらないって思ってるから
喧嘩になったのかもしれない
喧嘩した夜
恋愛映画が観たかった俊介と
刑事ドラマが観たかった俺
チャンネル争いが起こらないはずが無い
言い争って、物が飛んで
お互いにそっぽを向いたのは
もう、1時間も前の事だった
俊介
あからさまな俊介の溜め息
この1時間で何十回も聞いている
最初の30分こそイライラを募らせていたが
後の30分はどうしたもんかと頭を悩ませていた
チラリと横目で様子を伺っても
俊介は背中を向けてクッションを抱き締めているだけで
コッチを向く素振りさえ無い
そんな姿に、俺も俊介と同じくらい
心の中で溜め息を吐いていた
俊介
奏多
重たい沈黙を破ったのは俊介だった
ボソリと不機嫌MAXな声で呟き
俺に背中を向けたまま布団へと入っていく
俊介が動く度に擦れる布の音
それがやけに大きく聞こえた
そしてすっぽりと布団を被った俊介
話しかけるな、と言われているみたいで
俺はその様子を見詰める事しか出来なかった
やがて嫌な沈黙が戻ってくる
俺も寝ようかと重たい体を動かそうとした時
俊介
再びボソリと俊介が呟いた
だけど先程とは違う、拗ねた様な声
少し震えていたのは泣きそうだから?
俺はギュッと心臓を掴まれた感覚で
重たかった体を動かした
俊介
バサッと俊介から布団を剥ぎ取り
肩を押さえて上を向かせた
驚いた表情の俊介と視線がぶつかる
想像した通り
俊介の瞳は少し揺れていた
奏多
俊介
じわじわと赤くなる俊介に顔を近付ける
鼻同士が触れ
口がくっつく手前で動きを止めた
至近距離で視線が合ってしまうからか
俊介は恥ずかしそうに目を逸らした
奏多
俊介
奏多
俊介
奏多
投げ出されていた俊介の手に
自分の手を重ねて絡める
俊介はビクッと体を震わせた
数十秒、俊介は押し黙り
ポソリと小さく呟いた
俊介
"待て"を解除された犬の様に
俺は素早く俊介に唇を重ねた
少しカサついている俊介の唇を
リップクリームでも塗るかのように舌でなぞる
そのくすぐったさに耐えられなかったのか
俊介の口は簡単に開いた
スルリと隙間に舌を滑り込ませると
熱い吐息が俊介から洩れる
俊介
ぐるりと舌で口の中を1周した
俊介の唇が微かに震える
絡めた手を強く握り返され
俺は口付ける角度を変えた
俊介
奏多
俊介の肩を押さえていた手を離し
くしゃりと横髪を巻き込んで俊介の頬を包む
ほんのりと赤く色付く頬は
思った通りに熱かった
俺の手に自分の手を重ね
俊介は嬉しそうに微笑んだ
俊介
チュッと音を立ててもう一度キスをする
俺はゴロンと俊介の横に寝転がり
はーっ、と天井へ深く息を吐いた
奏多
俊介
俊介はコロッと寝返りをうち
俺の方へと体を向けた
奏多
俊介
奏多
奏多
俊介
俊介
わざと責める様に言ってみれば
俊介はすかさず対抗してくる
その反応が可愛くて
俺は思わず吹き出してしまった
クツクツと笑う俺を見て
俊介はムッと膨れ上がる
俊介
俊介
奏多
俊介
俊介
膨れっ面から照れ顔へ
そしてまた、膨れっ面へ
コロコロと変わる俊介の表情を見て
やっぱり"可愛いな"と思ってしまう
そんな事を言ったらまた喧嘩になりそうなので
俺は心の中へ留めておく事にした
だけど
たとえ喧嘩をしたって
また必ず仲直りする
そうやってこれからも俊介と
一緒の時間を過ごしていきたい
奏多
俊介
奏多
俊介
奏多
俊介
俊介
今日、1番嬉しそうな俊介を見て
俺は心の中で唱えた
『あした天気になあれ』
〜fin〜
俊介
俊介
俊介
奏多
みるみる声が小さくなる俊介
顔を覗き込めば
綺麗な眉が困った様に八の字を描いていた
俊介
俊介
To Be Continued...?
コメント
3件
今日一嬉しそうにうん!する!っては??可愛いかよ。もしかして天使だった??() しかもなんですか??最後の終わり方よ…ねぇ!?結婚しろやはよ(切実) 喧嘩してもすぐ仲直りすんだろ??喧嘩するほど仲がいいんだろ??ちょっと長引いたら律とか直哉に相談すんだろ??知ってるわ(?)