希空
一体どういうことだ...?
無那
私の家の隣は黄色い壁の家と薄い黒みたいな色の家なんですよ
希空
じゃあ嶽釜が嘘を言ってるのか
無那
いえ、一部違います
希空
何だと?
無那
私はレイラさんの家である灰色と白色の一軒家の存在を知っています
無那
その理由はそこが通学路だったからです
希空
通学路?
無那
私は小学校〜高校まで場所は違いますが、全て同じ通学路を使っていたんです
無那
その途中でまるでお屋敷のようなその家の前を通っていたんですよ
零礼
は?私が勘違いしてるとでも?
無那
はい、だって私は戒楼市の東側、レイラさんは西側に住んでいましたから
無那
ちなみに西側の方が高級住宅街が立ち並んでいます
零礼
へぇ...そうやって私を嘘吐き扱いするんだ...
無那
そんな嘘じゃ
零礼
ふざけんなよクソ女ぁぁッ‼︎‼︎
無那
ひっ...
零礼
根拠もねぇのに勝手なこと言ってんじゃねーよッ‼︎‼︎
希空
根拠ならある
零礼
ああ?
希空
俺と鉄砲ヶ原、環の3人で数回黒星の家で作戦会議をしたことがあったんだ
希空
その時あまり意識はしていなかったんだが、確かに隣の家は黒星の言った家しかなかった気がするんだ
希空
...なぁ、もしかしてだが
希空
希空
お前は“パラノイア”を患っているんじゃないか?
無那
パラノイア...?
希空
別名、“偏執病”とも呼ばれるな
無那
どんな病気なんですか?
希空
不安や恐怖の影響によって悲観的な妄想を抱くというものだ
希空
だがこの病気は過剰な妄想以外、人格としては一切問題がないといっても過言じゃない
希空
嶽釜の別人格がそれを阻止していたとも考えられるがな
希空
それでパラノイアにはいくつかの種類がある、なかでも嶽釜は関係妄想に当たると俺は思う
無那
関係妄想?
希空
関係妄想は自分とは関係ないことを、自分と関係があるように思い込む妄想だ
希空
つまり嶽釜は勝手に黒星が隣同士に住んでいて、自分を無視していると思い込んでいただけだ
無那
何でそんなこと知っているんですか?
希空
昔、興味があって少し調べまくっていた時期があったんだ
無那
あっ...
希空
おい、そんな哀れむような顔をすんな
零礼
私が...妄想...思い込み...?
零礼
ハハ...ハハハ...
零礼
くだらねぇこと言ってんじゃねーよッッ‼︎‼︎
零礼
私が病気?何でお前らにそう言われなきゃならねぇんだよッ‼︎
零礼
私は被害者なのに...ッ‼︎
希空
被害者?笑わせるな
希空
宇宙へ人間を送ったことと黒星の両親を誘拐した時点で既にお前は加害者だ‼︎
零礼
は...?
希空
分かったら、さっさと黒星の両親の居場所を教えろッ‼︎
零礼
....
希空
おい、無視か?だったら力づくでも
零礼
フフ...ククッ...
零礼
アハハハハハッ‼︎
希空
何が可笑しい?
零礼
その女の両親?それって...クフッ‼︎ククククッ...‼︎
希空
だから何が
零礼
...したよ
希空
は?
零礼
零礼
私が殺したよぉぉッッ‼︎‼︎
無那
えっ
零礼
アハハハハハハハハッッ‼︎‼︎
零礼
私が殺したに決まってるでしょ‼︎
無那
そ、それも妄想...じゃなくて...?
零礼
残念でしたぁッ‼︎これが証拠の映像でぇぇすッ‼︎
するとレイラさんは右手に
していた指輪を軽く押した。
《今からこの2人の解体ショー
をやっていきまーす‼︎》
無那
何...これ...
映し出された映像には
私の両親が椅子に固定され
レイラさんが肉切り包丁を
持って立っている姿だった。
無那
や、やめて...
希空
見るなッ‼︎
その時、希空さんは私の
耳と目を塞ぎ私に
覆い被さった。