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ー放課後 部活ー

明里はジャージに着替え、体育館へと足を踏み入れた。

倉見 修也

ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?

涌井 明里

桐山 凌

はぁああああああああああああああああああ!?

涌井 明里

???

涌井 明里

(凌くんも倉見くんが有り得ないくらいの音量で驚いてる……)

明里は2人の元へ駆け寄った。

菊池 陽真

おお。涌井

2人の前には陽真と光が立っていた。

涌井 明里

どうしました?

菊池 陽真

俺と光。今日から付き合い始めたんだ

涌井 明里

へぇ!そうなんですね!!

涌井 明里

……

涌井 明里

……

涌井 明里

え?

涌井 明里

ええええええええええええっ!?!?!?

水木 光

そ、そんな驚きますか!?

倉見 修也

ええええええええええええ……

桐山 凌

お前はいつまで驚いてんだよ

涌井 明里

(たしかに、光ちゃんがキャプテンのことを好きな感じはあったけど……)

涌井 明里

もちろんお似合いですよ!でも少し意外で__

尾瀬 一颯

あれ。みんな集まってなにしてんの

一颯は首を傾げながら歩み寄ってくる。

倉見 修也

さすがの尾瀬さんでも腰抜かすんじゃないすか!

桐山 凌

ふっ…それは見物だな

涌井 明里

コラ。先輩に向かってそんな事言わないの

尾瀬 一颯

あー……

一颯は光と陽真の距離感を見て、口を開いた。

尾瀬 一颯

やっと付き合ったんだ?

桐山 凌

は!?

倉見 修也

知ってたんですか!?

尾瀬 一颯

見ればわかるでしょー

涌井 明里

(この人スゴすぎる…)

菊池 陽真

ありがとな、一颯

菊池 陽真

俺に色々説教してくれて

尾瀬 一颯

うん

倉見 修也

ちーなーみーに!

倉見 修也

どっちから告白したんですか〜?

水木 光

……

菊池 陽真

……

陽真と光はお互いに顔を見合い、首を傾げた。

菊池 陽真

どっちだろ?

水木 光

陽真くんですかね?

菊池 陽真

え、でも最初の2回は光だろ?

水木 光

だけど最後の告白は陽真くんでしたし……

桐山 凌

ん?2回?

水木 光

い、色々あったんですよ!

涌井 明里

(私の知らないところで何があったんだろう…)

菊池 陽真

……まあいい

菊池 陽真

この話はここまでな!

菊池 陽真

一応報告ってだけだから

菊池 陽真

すぐ迫ってきている県大会に向けて練習するぞ!

「はい!」と皆揃えて返事をした。

ピーッ……

練習メニューが全て終了した。

水木 光

……

光は少し先で水を飲む優成の横顔をじっと見つめていた。

今日1日、優成とは一回も目が合ってない

私と陽真くんが付き合ったこと知っているのかな

優成は、部活始まるギリギリに体育館に来たから付き合ったことを報告してないんだよね……

いや、私のこと好きって言ってた人に報告とかするべきなのかな?

水木 光

(やっぱ傷つけちゃうよな……)

そのとき、後ろからポンと頭に手が乗せられた。

菊池 陽真

どうした?浮かない顔して

水木 光

は、陽真くん……っ

顔が熱くなるのを感じた。

水木 光

え、えーと……

水木 光

私たち付き合ったばかりなのに、こんなこと相談するのはおかしいと思うんですけど

水木 光

でも……優成のことで__

菊池 陽真

……ああ

菊池 陽真

志保は光のこと好きだったもんな…

菊池 陽真

俺から言っておこうか?

水木 光

そ、それはなんか違う気がして

水木 光

自分からちゃんと言わなきゃ、優成のためにもならないと思う……

菊池 陽真

おぉ!偉いなぁ、光は

菊池 陽真

でも……

水木 光

……?

陽真は少しムッとさせて光から視線を外した。

菊池 陽真

志保のことでそんな悩んでるなんて

菊池 陽真

妬いちゃうな

水木 光

……え

水木 光

は、陽真くんって妬くことできたんですね

菊池 陽真

ん?バカにしてる?

菊池 陽真

結構妬くけど?

水木 光

(か、可愛い……)

尾瀬 一颯

あのさあ

一颯は2人の間にスッと割り込んできた。

尾瀬 一颯

イチャつくの禁止令出そうか?

菊池 陽真

わ、悪いな

水木 光

すみません……

桐山 凌

イチャつくの禁止令だけはやめてください!!!

遠くでネットを片付けている凌が怒鳴った。

尾瀬 一颯

桐山には言ってないし

ー部活終わりー

光は先を歩く優成に走り寄っていく。

水木 光

おい優成!

すると優成は足を止めて振り返った。

志保 優成

…なんだよ

水木 光

私っ、今日ずーっと優成のこと見てたけど

水木 光

なんで1回も目合わせてくんないんだよ!

水木 光

私のことあからさまに避けてくるしさ!

志保 優成

……はぁ?

志保 優成

たまたまだろ

プイッと光から顔を背けた。

水木 光

…………

水木 光

私、優成に伝えたいことあるんだけど

志保 優成

……っ

優成はギュッと強くリュックの肩紐を握りしめた。

志保 優成

…用はない

水木 光

私がある!

志保 優成

……聞きたくない!

水木 光

(急になんなの、コイツは……)

私のことを好きとか言ってきたくせに

急に距離置いてきたり__

水木 光

……もしかして

水木 光

知ってるの?

私達が付き合ったこと。

志保 優成

優成はバッと光の方を見つめた。

水木 光

……やっぱりね。

水木 光

でも優成。私、ちゃんと優成に伝えたい

水木 光

私の気持ちを__

志保 優成

……聞かないっつってんだろ

志保 優成

振られるの分かってんのに、喜んで振られにいくバカがどこにいる?

水木 光

……っ

志保 優成

俺はただの邪魔者だろ。もう俺に構うな

志保 優成

俺は過去の男ってわけだ。

水木 光

(めんどくさい元カレみたいなセリフ…)

志保 優成

お前のこと、本気で好きだった

志保 優成

でももう諦めるから

優成はプイッと光から背を向け歩き出した。

志保 優成

お前も俺のこと、忘れろよ

水木 光

…………

光は優成の方に駆け寄り、

腕をグイッと引っ張った。

志保 優成

っ!

振り向く優成は泣きそうな顔になっていた。

水木 光

……そんな顔して

水木 光

「忘れろよ」って?

水木 光

カッコつけんなよ

志保 優成

…うっせー……

志保 優成

最後くらいかっこよく終わらせてくれよ

水木 光

……

光はギュッと強く優成の腕を握りしめていた。

水木 光

……勝手に終わらせんな

水木 光

優成は私に気持ちを伝えてくれた

志保 優成

……

水木 光

なのになんで私の気持ちを伝えさせてくれないの?

水木 光

こっちからしたら、一方的に気持ち押し付けられただけなんだけど。

志保 優成

…………

優成は光から顔を背けた。それに光がイラッとする。

水木 光

(…イラつく!!)

水木 光

こっち見ろ!!

光は腕を掴んでいない手で優成のもう片方の腕をグイッと掴み、正面で向き合った。

志保 優成

水木 光

……私、陽真くんが好き!!

志保 優成

……っ

水木 光

優成のこと、恋愛として好きじゃない!!

志保 優成

……んな、分かりきってること言わなくても__

水木 光

でもすごく、優成の気持ちは嬉しかった

水木 光

これほんと!

志保 優成

水木 光

ちゃんと私のこと好きなんだなって思ったし

水木 光

ドキドキした

水木 光

だけどやっぱり、

水木 光

優成は私にとって友達なんだ……

志保 優成

……っ

志保 優成

はは、やっぱそうか

志保 優成

俺がいくら頑張っても意味ねぇってことだろ!

志保 優成

お前の中で俺は"友達"でしかないもんな!

志保 優成

俺がいくら頑張った…とこっ、ろで……ッ

水木 光

優成の頬に涙がツーと伝っていった。

水木 光

ゆ、うせい……

光は驚きから優成から両手を離した。

志保 優成

…ッ……

志保 優成

俺は…本気だったよ

志保 優成

本気で光のこと手に入れたいと思ってた

志保 優成

いつか振り向いてくれるんじゃないかって

志保 優成

でも……

志保 優成

お前はキャプテンしか見てないんだよな

志保 優成

俺が光しか見てないのと一緒で__

水木 光

志保 優成

…………っ

優成は何度も溢れてくる涙を腕で拭っていた。

ズキッと心が痛む。

私……何度も告白されてきたけど

こんな心が痛むのは初めて。

振る方も…辛いなんて知らなかった

こんなに苦しいのは、

私が優成のことを、ちゃんと正面と向き合ってたから

だからちゃんと、最後まで向き合わなきゃ

水木 光

……ごめんなさい

水木 光

優成の気持ちには、答えられません

光は優成に向かって頭を下げた。

志保 優成

………

光は下げてた頭を上げると、優成は「ははっ」と笑いを零した。

志保 優成

お前が泣きそうな顔になってんじゃねぇよ

水木 光

……っ

泣いちゃダメ

振る方が泣くのは……絶対ダメだ

志保 優成

……まじ最悪だわ……

水木 光

……

光はポケットからハンカチを取り出し、優成の涙を拭こうと歩み寄った。

志保 優成

……拭うな

優成の言葉でピタッと動きをとめた。

志保 優成

俺の涙拭いたら

志保 優成

俺にも、キャプテンにも

志保 優成

失礼だ

水木 光

……っ

志保 優成

キャプテン、待ってんだろ

水木 光

なんでわかるの

優成の言う通り、キャプテンには部室で待ってもらってる

志保 優成

早くキャプテンのとこ行けよ

水木 光

でもっ、優成が__

志保 優成

行けっつってんだろ!

水木 光

……っ

志保 優成

俺のこと見放してさっさと行け

志保 優成

少しでも優しくされたら__

志保 優成

諦めるもんも諦めきれねーよ……

…その通りだ

きっぱりと振るのなら、

少しでも優しくしちゃダメなんだ

希望を……持たせてはいけない

水木 光

……っ

水木 光

ごめん……

光は優成から背を向け、

歩いて行ってしまった。

志保 優成

……ホントに行くなよ、バカ

優成はそうポツリと呟きながら、

陽真のいる部室へ歩いていく光の背中を見つめていたのだった。

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