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ずっと、暗闇の中にいるような

何も見えなくて、冷たい澱の中にいるような

家の中は、そんな感覚

   

どうしてお父さんみたいにできないの?

   

お父さんは立派な人なのに

   

そんな出来損ないに育てた覚えはないわよ

   

君が悪いんだよ

   

君が、僕のことを誑かすからこうなるんだ

嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ

もう誰も触れないで、近づかないで

助けなんて求めてないから

助けなんて……

???

…誰か、誰か

そんなの……

???

誰か、助けて……!

???

……さん、…たさん

彼方

…………

真冬

彼方さん、おきてください!

彼方

っ…!

彼方

真冬……?

俺が起きると、正面には真冬がいた

真冬

もう少しで昼休み終わっちゃいますよ

真冬

ほら、戻りましょ?

彼方

…うん

彼方

(……また、見た)

彼方

(小さいときの、家の夢…)

もう見たくないと思えば思うほどに、どんどん見る時間が長くなって

最近はよく起きてしまって、かなりの寝不足状態だ

彼方

(どうしたら……?)

真冬視点

最近、彼方さんの様子がおかしい

一緒にお昼を食べる時によく『少しだけ寝る』って言うし

寝て起きても、何か思い詰めた表情をしている

真冬

(少しだけど、クマも見えるし…)

真冬

(やっぱり、心配だなぁ)

その日の夜…

ヴーッ、ヴーッ……

真冬

ん、電話?

真冬

彼方さんから…

真冬

(こんな夜中に、どうしたんだろ)

真冬

…はい、どうしました?

彼方

『……真冬、今暇?』

真冬

え?

彼方

『…寝れないから来て』

プツッ…

真冬

っ、切れた…

真冬

…とにかく、行ってみよう

僕は軽く上着を羽織ってから、彼方さんの家に向かった

真冬

明日…は、土日だしスマホだけ持っていけばいいかな

ピンポーン……

真冬

彼方さん、来ましたよ〜

真冬

…彼方さん?

少し不思議に思い、ドアを開けてみると

真冬

…鍵、開いてる

僕は彼方さんの家の鍵を閉めてから、寝室に入った

真冬

彼方さーん?

彼方

…あ、真冬……

彼方さんがいたのは、寝室のベッドの上

なんか目があまり開いてないし、呂律も回っていない

真冬

もしかして、寝不足すぎて寝ぼけてる…?

真冬

って、そんなことあるのかな…

グイッ…!

真冬

うわっ!

急に彼方さんに引っ張られたと思ったら、僕はいつのまにか布団の中にいた

そして彼方さんが至近距離に…

真冬

ちょ、彼方さん…!?

彼方

…………

真冬

ね、寝てる……

真冬

(というかこの体制、もう抱きしめるのに近いのでは…)

起こすのもよくないと思い、僕は諦めて彼方さんに抱きしめられたまま眠りに落ちた

『君と僕の忌避進路』

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コメント

2

ユーザー

そらるさんの昔の家の夢が見ててめっちゃ辛いのが伝わってくる… そして電話がもうなんか文字でどういう声色か分かってしまうw まふくんを呼び、抱きしめることで寝れたのなら良いなぁ〜 続き楽しみに待ってます!

ユーザー

そらるさんの家の夢…なんかすごく 辛そうだなぁ…寝てもあの夢を見るから よく眠れない…でも、まふくんが いてくれてよかった。 まふくんを抱きしめることで少しでも 気持ちが落ち着いてゆっくり寝れると いいなぁ…… そらるさん、まふくんに『寝れないからきて』 って、電話するのかわいいし頼ってるんだね。 少しづつ頼っていけばいいんだよw 続き楽しみにしています!

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