コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
それからの数週間は、あっという間だった。
咲は大学の入学準備に追われながら、 哲汰は、事務所のレッスンや撮影で 忙しくしながら、引越しをした。
引っ越し初日。 まだ段ボールが積みあがる部屋の真ん中で、 咲と哲汰は床に座って、 カップラーメンをすすった。
哲汰
咲
哲汰
咲
そう答えた咲の横で、哲汰はにこっと笑いながら肩を寄せた。
哲汰
咲
その夜、 ふたりはベッドの中で、 小さく灯った常夜灯の下、 手をつないだまま眠りについた。
静かな呼吸が重なって、 部屋の中には安心とぬくもりが満ちていた。
始まったばかりのふたりの同棲生活。 そこにはまだ不慣れなこともたくさんあるけど、 “ただいま”と“おかえり”を交わせる日々が あるだけで、世界は少しだけ優しく見えた。