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まに
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#ホラー
名瀬口にぼし
221
#タグ?それならついさっきサイモンと一緒にたべたよ?
白嵐
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コメント
4件
うわあああ第39話「夏樹」、心臓ぎゅってなった…!!😭💕 「つくる」っていう冷たい響きと、那柚さんが夏樹に向けるあたたかな愛情のギャップがもう切なすぎるよ…。「世界に赦された」って言葉、すごく響いた。雪の日に夏を感じる描写もエモすぎ。 ラストの不気味なDMと冬樹さんの失踪、物語が一気に動き出した感じがして続きが気になりすぎる…!!次話も絶対読みに行くね🌸✨
彼とわたしの染色体を結合させ
そして子どもをつくる
そういう手段を使う
名目こそ 「自然減数分裂補助と受精補助」ではあったが
「産む」のではなく
文字通り「つくる」のだ
だがわたしは決して拒否することはなかった
むしろ 受容して生きていくべきだと思った
クローン人間であろうが
そうでなかろうが
子どもが 夏樹がいるということに関しては
その中身がなんであれ「普通の状態」と変わりはないのだから
冬樹
冬樹
父親になった彼は
心底嬉しそうな表情で
培養液に満たされた夏樹の入った円筒を見ていた
完成するのを
この世に命を持って生まれてくるのを
心待ちにしている
童心をたたえた
生き生きとした表情
それは いつまでもわたしの記憶の中に残っている
そしてこれからも
決して色褪せないだろう
ただ ひとつだけわたしの意に介さないことがあった
それは
終始機械的なプロセスによって 夏樹を
実験をしているかのようにぞんざいに扱う
研究員たちの態度だった
彼らにとってはそれは実験なのだろうか
そんなはずはない
夏樹はひとりの人間だ
夏樹が夏樹である以上
命の重さだって平等であるべきではないか
そして数ヶ月後——
望み通りに 彼によく似た男の子が生まれた
わたしから生まれたのではない
生まれたというより
単純に「できた」という方が 妥当かもしれない
夏樹は「つくられた」のだから
それでも
この世に 一つの命を持って生まれてきたということは
疑いようのない事実である
わたしは
夏樹が生まれて人間として存在していることに
深い慈しみを感じていた
5歳
その年齢から始めることに対しては
奇妙な違和感を覚えたが
それも育児の過程で少しずつ融解していった
それまで
子どもに対して 興味がわかなかった自分だが
夏樹をもって以来
自分の子どもに対して
そして全ての子どもに対しても
「かわいらしさ」を感じられるような 愛着を持つようになった
そして気づいた
人を愛することの喜びに
わたしはその時はじめて
世界に赦されたのだと思った
「夏樹」
それは彼—— 「冬樹」と対になるような名前であるだけではなく
ふたりで話し合った結果生まれた 意味を持っていた
「温情のある心を
朱夏という人生の中で育んでいくように」
それが夏樹への願いだった
刈り上げた頭髪の下にのぞく無垢な目
わたしの方を見ると
「えへへ」と 声を出して喜んでくれる
夏だ
外では雪が降っているが
それでもここに
夏がある
確かに
ここに樹がある
大きな大きな
人間という名の樹が聳え立っている
わたしは 夏樹を抱きかかえる
ほのかにあたたかな感触が肌に伝わる
そして
優しくゆすりながらあやす
那柚
那柚
那柚
わたしはダブルベッドの中央に
夏樹の体を横たえると
自らもその隣に寝転がった
静かな寝息を立てているその体に手を添え
とんとん、とゆっくり優しく触れた
那柚
那柚
那柚
微睡かけた時だった
パタン、と小さいものが落ちてくるような音が
鏡台の方から発せられた
那柚
わたしは目をこすりながら
身を起こした
鏡台に置かれた写真立てが一枚
前のめりに倒れていた
那柚
わたしはそれを起こして
立てたその写真を見る
木製の縁があしらわれた
3人の家族写真だった
わたしと彼の手を両手で握っている夏樹
いつ見ても微笑ましい一枚だ
と
左足に何かが触れた
毛のような感触
慌てて床を見る
だがそこにはなにもいない
那柚
那柚
そう唱える
その時 ポケットの中で
スマートフォンが鋭く振動した
わたしはそれをさっと取り出した
電話だ
那柚
そう言いかけると
すぐに電話は切れ ツー、ツーという通話切断音に変わった
そして再び画面を見た時
見慣れないアイコンが表示されていることに気づく
SNSのダイレクトメッセージだった
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たったそれだけ書かれたバナーを眺めていると
次が来た
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文字を目で追っていると次々に更新される
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メッセージの連打はそこで終わっていた
那柚
那柚
幸せな日々に入った亀裂
今にして思えば それは破綻の始まりだったかもしれない
わたしの日常の崩壊
世界はあまりにも簡単に壊れてしまうということを
その時のわたしは知らなかった
そして——
———————
そのすぐ後
崩壊の前奏が始まった
冬樹が姿を消したのだ
はじめから話そう
わたしの彼氏が
2017年2月23日
突如姿を消しました