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俺は玄関に行き扉を開けた

すると、そこに居たのはーー

...やっほー

会いに来たよ

sha

...大先生

ut

また、昔の二の舞にはなりたくない

ut

もうあの頃の僕とは違うんだから

そう強い決意を込めて言う大先生は

確かにあの頃とは違う

でも

…変わったのはお前だけじゃないんだよ

ごめんね

sha

出てって

ut

だから、会いに来たって

ut

昔みたいにはなりたくない...!

sha

出てって

ut

だから...!

sha

出てけっつってんだろ

怒気を込めて言うと、大先生は怯んだ

俺ほどではないが男にしては華奢な身体を扉の外に押し出す

ut

シャオロンっ、!

sha

...もうあの頃の俺じゃない

sha

助けてなんて言ってない

sha

助けなんていらない

sha

ひとりでいる方が楽だから

sha

裏切られるのは辛いから

sha

大先生だって知ってるでしょ

sha

無駄に首突っ込んでこないで

sha

お前はもう、

その次の言葉を口に出すことを俺は少しだけ躊躇った

気付かれないように

誰にもバレないように

自分すら騙せなければ

誰を騙せる

sha

俺の友達なんかじゃない

ut

...っ!

sha

じゃあね

そう言って扉を閉め鍵をかける

これで、良かったんだ

一人静かな部屋の中で目を瞑って思い出していた

昔の事、少し前の日常

もう心も揺れ動かなくなった

...人間、慣れれば辛いことでも平気になるもんやな

...何この俺俺詐欺みたいなの

まぁ誰かわかるけど

時計を確認すると午後2時45分

最寄りの公園までは徒歩5分

なんでこんなギリギリの時間に...

急いで出かける準備をした俺は外に出た

やぁ

かなり久しぶりだな、シャオロン

sha

...マジで久しぶりやね

sha

グルッぺン

gr

仕方がないだろう

gr

予定が空かなかったんだ

sha

はいはい

sha

大手企業の社長は大変ですねー

gr

まぁ、私は交渉のみだがな

sha

そこが1番重要やんけ

gr

そうかもしれないな

gr

で?

いきなり会話を打ち切ってグルッペンは俺に問う

その真っ赤な瞳に射抜かれると

全てを見透かさているかのような錯覚に陥る

gr

いつもの建前は要らないんだ

gr

何があった

sha

...別に何も?

gr

私が何の用も無いのにわざわざ予定を空けるとでも?

gr

ある程度は調べたよ

gr

だが、どうにも不可解な点が多過ぎるんだ

グルッペンは紙袋を投げて寄越した

袋の中には大量の報告書が入っていて、内容はどれも俺が姫川さんをいじめたというもの

カッターキャー

暴言、暴行

水を被せたなど覚えのない内容まで

gr

一枚目を見ろ

gr

お前が“故意に人を傷つけた”?

gr

そんな事は有り得ない

sha

...何で?

gr

トラウマからだよ

gr

平気なフリはお前の一番得意な事だろう

gr

仮にも詐欺師が二人もいたのに聞いて呆れる

sha

なーんだ、そんなこと?

gr

私にとっては重要なんだがな

sha

いーの

sha

もう諦めた

sha

俺は結局こうなるの

sha

救いの手なんて差し伸べられるのは一部だけ

sha

9割方救われないし

sha

俺は主役じゃない

sha

主役になんてなれないの

gr

...私は、お前が主役に一番向いていると思うがな

sha

主役になるのは俺じゃない

gr

彼奴らだよとでも言うのか?

sha

うん

sha

グルッペンもそう思うでしょ?

gr

そうは思わないと言ったばかりなんだが

sha

...俺は“主人公”や“ヒーロー”じゃない

sha

良い“引き立て役”、“悪役”がいるから“主人公”や“ヒーロー”が際立つ

gr

この世の全ての人間は主役であり引き立て役である

sha

どーせいつもの方便でしょ?

gr

まぁ、そうだな

gr

だが、私はお前を引き立て役だとは思わない

gr

そもそも、主役であろう者を集めたのだからな

sha

...ごめんね

sha

期待、裏切っちゃって

gr

はは、何を裏切ったんだ?

sha

...へ?

gr

最高に面白いじゃあないか!

gr

カッターキャー?

gr

やられたならやり返せ!

gr

暴言暴力?

gr

拷問じゃないだけマシだろう!

gr

水をかけた?

gr

溶岩かけられてねぇからいいだろ!

せやった

此奴こういう性格やわ

gr

まぁ、取り敢えず好きにしてもらっていいゾ

gr

後始末は此方でしておく

sha

...ありがと

gr

礼など要らん

gr

あぁ、本気で彼奴らのことを騙したいのなら一つ忠告だ

gr

お前は心の限界が近くなると口調が女に似るからな

gr

気をつけておけ

sha

え、嘘

sha

...気を付けるわ

そう言うと、グルッペンは時計をちらりと確認して「ふむ、もう時間か」と呟いた

gr

じゃあな、シャオロン

sha

うん、ばいばい

グルッペンはそういって居なくなった

sha

...平気なフリ、か
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