テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ダァン…

銃声がヘッドフォンを通して くぐもって耳に入る

立てられた的に向かって 何度も撃った

魔叉琉

(残り8発……)

魔叉琉

(8、7…)

引き金を引く

弾が、的の中心へ

吸い込まれるようにして 命中した

魔叉琉

(あと1発…か)

ふと

手紙の文面が脳裏をよぎった

それで殺してみて?

魔叉琉

……っ

ダァン……

最後の1発は

的の中心から少しずれた

魔叉琉

はぁ…

魔叉琉

(くそ…)

妙に苛立つ感情を 深呼吸で抑え

ヘッドフォンを外す

入り込んでくる音の中に 男の声が混ざった

 

That's pretty rare.
(なかなか珍しいな)

魔叉琉

(…誰だ?)

魔叉琉

...... What is it?
(……何がですか?)

 

You're Japanese, aren't you?
(日本人だろ、あんた)

魔叉琉

Isn't that right?
(そのとおりですが)

 

I was just thinking,
you're so used to it.
(随分使い慣れてんなーと
思っただけだよ)

魔叉琉

I'm not... familiar with it.
(俺は別に…
使い慣れてるわけでは)

 

Don't be modest.
…That's so Japanese.
(謙遜すんなよ。
…日本人らしいな)

魔叉琉

...... So, what do you want from me?
(……それで、俺に何の用ですか)

 

Oh, am I being suspicious?
(あ、もしかしてこれ、
俺怪しまれてる?)

魔叉琉

We've never met before, so... well...
(初対面ですから…まあ…)

 

Well, you're right.
(ま、そりゃそうだな)

 

He asked me to do it, I did.
(頼まれたんだよ、俺は)

 

He wants me to give this letter
to the Japanese here.
(この手紙を、ここにいる
日本人に渡せってな)

魔叉琉

What does he look like?
(その人の容姿は?)

 

You've suddenly got a scary
look in your eyes.
(急に目付き怖くなったな)

 

Do you have any idea
what's going on?
(心当たりでもあんのか?)

魔叉琉

...No, not really.
(…いえ、別に)

魔叉琉

Was the person Japanese?
(その人は日本人でしたか)

 

I don't know.
(さあな)

 

He looked Japanese.
(見た目は日本人だったぜ)

 

He spoke perfect English,
though, just like you.
(お前と同じく、完璧な
英語だったけどな)

魔叉琉

...... I see.
(……なるほど)

魔叉琉

You didn't know the man, did you?
(貴方はその人のことを
知らなかったんですね?)

 

Yes, it is.
(そうだよ)

 

I mean, we're not the police,
so let's not do anything rash.
(…つか、警察じゃねーんだから
やめようぜ、野暮な探りはさ)

魔叉琉

That's ... Excuse me.
(それは…失礼しました)

 

Don't apologize so suddenly.
Japanese people are so weird.
(急に謝るなよ。
日本人って変な奴だな)

魔叉琉

……

 

Well, okay.
(まあいいや)

 

Here it is. The letter I received.
(はいコレ。預かった手紙)

魔叉琉

...Thank you.
(…ありがとうございます)

男は「Okay, bye.(じゃあな)」 と言って去っていく

久し振りに英語を使ったなと 思いながら

手紙を開いた

マサへ

マサがアメリカに来たことあるのは 想定外だったな

もしかして“あの”後

僕のこと追って こっちまで来てた?

魔叉琉

  マサト
(……聖人)

魔叉琉

…そうだよ

魔叉琉

俺は……

久し振りに会いたいなーなんて 思ってるんだけど

今夜20時、レストランAに ひとりで来てほしいな

魔叉琉

ひとり、か

1人、か それとも独り、か

考えかけて、やめた

もちろん僕も 1人で来るからさ

アメリカも良いところだよ

観光とかしてみても 良いんじゃないかな?

魔叉琉

(どういうつもりだ、聖人)

あ、追伸ね

まさか本当に

ひとりでこっちに来るとは 思ってなかったよ

そんなにあの子が大事?

魔叉琉

…大事だよ

魔叉琉

(自分の身よりも、もっと)

恋って、脆いんだよ 良い意味でも、悪い意味でも

魔叉琉

は…?

この意味 いずれわかるよ、マサなら

それじゃあね

マサより

気付けば

汗が頬を伝っていた

手紙を握り潰し 店を出る

曇っていた

紗羅

魔叉琉

紗羅

大丈夫?

既読はつかない

それでも

紗羅

魔叉琉が今どこにいて
何してて

紗羅

どんなことで悩んでて

紗羅

何考えてるかとか

紗羅

私はわからないし、
無理に知ろうとなんて
絶対したくないけど

紗羅

魔叉琉のこと

紗羅

私、信じてるから

紗羅

待ってるから

紗羅

ずっと

紗羅

返信無理そうなら
大丈夫だよ

紗羅

私は私で
こっちの事件

紗羅

ちゃんと解決するから

文字にすることで

決意を、出来た気がした

LIMEを閉じて そっと顔を上げた

目の前には

魔叉琉が残した 数々の事件ファイルと

それらと色の違うファイル ──未解決事件を纏めたもの

がある

紗羅

(翔星中学惨殺事件も
確かファイルされてた筈)

紗羅

(小鳥遊聖人…)

紗羅

(絶対、捕まえる)

続く

カレカノ探偵事務所

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

240

コメント

31

ユーザー
ユーザー

勉強頑張れ〜!!!! 更新頻度とか変わってもそんなの私に言わせりゃオッペケペーなんでいつまででも待ってます!!!✨(?) わぁぁあ既読がつかないLIMEガチで辛い…(´;ω;`) …え、辛い(情緒) まさるんの拳銃姿とかめちゃくちゃ見たいけどいややっぱやめてくれキミにはそんなのさらちゃんと離れてまで持って欲しくない…(情緒)(めんどくさいオタク)

ユーザー

遅くなって本当にすみません🙇‍♀️💦 少しお知らせです 作者の本業は学生でやはりテストとか、勉強とか、諸々あるわけです それを言い訳にはしたくないですが、1番重要視しなければならないことが何かを考えた結果 こちらの「カレカノ探偵事務所」ならびに「玉響の刻は縁の果てに」の2つの連載を、毎週更新から隔週更新に変えさせていただきます 勝手な都合で申し訳ありません よろしくお願いします 久遠あゆみ

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚