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あなたの彼女

10 - あなたの彼女 最終回

♥

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2019年10月01日

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あっというまにきたクリスマスイブ

雅紀の誕生日

ベットに寝転びながらプレゼントを眺める。

今日あげたかったな

会いたかったな

いつもみたいに一緒にケーキ食べたかったな

そんな欲望ばかりが募る。

ニノとの独身クリスマスパーティの開始は夕方17時で

それまでずっとこの調子。

まだ15時だからあともう少しだけ時間があって

暇だから考えてしまう。

今頃彼女と楽しんでるかなとか

なにしてるのかなとか

雅紀の楽しそうな笑顔が浮かんでは悲しくなってそれをかき消す。

本当に好きだったな、私

よくこんなに長い間片想いできたもんだ

って飽き性の自分を褒めてみる。

褒めても気分は沈んだままで胸がきゅうって締め付けられて。

咲羅

はぁ

今日何回目かわからないため息をついたとき

一階でピンポーンってインターホンの音が聞こえてお母さんが出る音がした。

と思ったら

お母さん

咲羅ー?雅紀くんよー?

え…、?

耳を疑った。

雅紀は今彼女と楽しく遊んでるはず

なのに

咲羅

え、なんで

1日中寝転びっぱなしだったぐちゃぐちゃの頭を適当にまとめてコートを羽織って玄関のドアを開ける。

雅紀

やっほ!

咲羅

え、なんで、?

雅紀

いいからいこ!

咲羅

え、ちょっと…っ

無理矢理引っ張られて外に出る。

そのまま手を引かれて電車に乗って。

電車の中でもなんで?ってなにを聞いてもいいからいいからの一点張りで

その間もずっと手を繋がれたままそのまま雅紀の家に着いた。

雅紀

どうぞ

わけもわからないまま家に招かれると家の中は不器用にデコレーションされていた。

クリスマスのスペル、間違ってるし

雅紀らしくておもしろい

そしたら雅紀がいきなり慌ただしくしてなんか持ってきたと思ったら

私に向かってパーーーンってクラッカー鳴らして

雅紀

メリークリスマス!!

なんて。

びっくりして、なにが起こってるかわからなくて

咲羅

雅紀…、彼女は?

雅紀

んー?

冷蔵庫からケーキらしきものを出しながら答えてくれない雅紀。

雅紀

そんなこといいから先、これ食べよ?俺頑張って作ったの

白い生クリームの上にいちごがたんまりのっていて

チョコレートのプレートまで飾ってある。

だけど倒れちゃってて文字が見えない。

咲羅

え、もしかしてこれ自分への誕生日ケーキ?(笑)

チョコレートのプレートを起き上がらせてみる。

"まさき HPB!"

なんて書かれてるんだと思って笑いながら見てた。

咲羅

咲羅

え…

なに、これ…

雅紀

読んだ?

私の横にあぐらをかいて座って少し耳を赤くさせながら私の顔を覗き込む。

咲羅

なん…で

そのまま雅紀が私の唇をふさいだ。

"咲羅 すきだよ"

そう書かれたプレートは私の熱で溶け始めていた。

優しく優しく触れられた唇がそっと離れる。

なにが起こってるかついていけてなくて涙だけが流れ落ちる。

咲羅

なんで…?彼女は…、?

雅紀

ごめんね、咲羅の反応見たくて彼女できたって嘘ついてたの

うそ…?

なんでそんなこと…

雅紀

咲羅、ずっと俺に興味なさそうだったしさ、ニノのこと好きなのかなってずっと思ってた

そんなことないのに

雅紀以外の人を好きになったことなんてないのに

雅紀

だけどね、こないだニノから聞いたんだ、振られたって、他に好きな人いるって

咲羅

…うん

雅紀

だからそれにかけようって思って、強引すぎてごめんね

私の手で持ってた部分のチョコレートのプレートが溶けきってお皿に落ちる。

雅紀

咲羅、ずっとずっと好きでした

咲羅

ばか…

なんでそんな余計なことするの

彼女がいるなんて嘘ついたりして私の反応見て

雅紀

咲羅は?

そうやって聞いてくれたらよかったのに

お互い、素直じゃなかったね

だけどやっと言えるよ

私も

咲羅

私も雅紀のことずっとずっと好きでしt

言い終わる前に再び塞がれた唇。

床に押し倒されてどんどん濃厚なものになっていく。

とろけそうで

チョコレートみたいにとけちゃいそうで

そんな中急に私のスマホが鳴った。

これは電話の音

起き上がってスマホを手にとる。

着信相手はニノからだ。

それを横から覗き込んで見ていた雅紀が

雅紀

とってよ

なにかを企んだかのような意地悪な笑顔で

肩頬だけクイッとあげた私のすきな意地悪な笑顔で

咲羅

もしもし

和也

あ、咲羅?もう用意でき…

スッととられるスマホ。

犯人は雅紀

雅紀

ごめんニノ、悪いけど咲羅はもらったよ

それだけ告げてブチッと切ってしまった。

咲羅

あ!雅紀!

雅紀

いいじゃん?今日は何の日?

咲羅

雅紀の誕生日です…

ね?ってまたあの意地悪な顔で私に問いかける。

だめだ、今のこの幸せに酔っちゃいそう

好きな人と心が通じるってこんなにもうれしいことなんだって

感じたこともないこの上ない幸せを噛みしめる。

咲羅

あ!

大事なことを忘れてた!

咲羅

雅紀…、プレゼント家に置いてきちゃった

雅紀

プレゼント?そんなのいいよ、俺は咲羅がほしい

セクシーなその声で言われて私はかあっと赤くなる。

雅紀

可愛い///

そんな私にまたキスの嵐が降り注いだ。

ご飯を食べてケーキも食べたあと

抱きしめられたままベッドに入る。

雅紀の体温が気持ちいい

大好きだ、これ

雅紀

今日は我慢する

咲羅

なにを?

雅紀

キス以上のこと

恥ずかしくて私は雅紀の胸に顔を埋めた。

そんな私の頭を雅紀がそっと撫でる。

雅紀

好きな人は大切にしたいもんね

ああ、すごく大事にされてる///

そう感じられて

これが彼女なんだってなんだか心がきゅんと踊った。

しばらく経ってあ、そうだってもぞもぞ起き上がる雅紀。

雅紀

咲羅、これおぼえてる?

咲羅

あ…

そう言って見せてくれた紙は私がこの間前に進もうと思って捨てた

"けいやくしょ"

咲羅

ごめん、この間もう雅紀のこと諦めようって捨てちゃった

雅紀

え、うそでしょ?咲羅なにしてんの~

しゅんとなる雅紀。

だけどそれをまだ持っててくれたなんてすごくうれしい

絶対捨ててると思ってたから

しわくちゃになっててずっと大切な持ってくれてたんだ

そう感じられる。

雅紀

じゃあ…

そう言ってまたゴソゴソして一枚の紙を出す。

雅紀

代わりにこれ持ってて

緑の時で枠とか色々書かれた見たことある紙。

紙の1番上には三文字の漢字。

咲羅

婚姻届…

雅紀

咲羅の誕生日の日まで咲羅、保管できる?捨てたりしない?

そう言って渡してくれたその紙。

うれしくて

展開が急すぎるけどうれしくてうれしくて

咲羅

うん…っ

涙が止まらない。

よしよしって撫でてくれるその手は紛れもなく大好きな人の手で

やっと私は

あなたの彼女になれました

🌸END🌸

この作品はいかがでしたか?

802

コメント

15

ユーザー

ありがとうございます🥳🙇‍♀️🥰🤗

ユーザー

素晴らしい❗

ユーザー

私も翔くんがいいです!

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