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【完結】そんな夢を見る

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【完結】そんな夢を見る

20 - そんな夢を見る・番外編(Xmas)

♥

301

2020年12月25日

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久木

先輩!今年のクリスマスケーキ、どこで買う予定ですか?

氷野

あ、もうそんな時季?

久木

ですです!

氷野

久木さんはどこにするの?

久木

毎年、駅前のケーキ屋さんで買ってますけど…

久木

今年は違うところにしようかなって

氷野

そうなんだ

久木

で、先輩は今年どうするんですか?

久木

毎年、えっと…

氷野

デパ地下に入っている洋菓子屋さんで買ってるけど

氷野

今年は、友達が作ってくれるの

久木

へぇ!いいですね!

氷野

うん!

【数日前】

田中

よお

ひの

こんばんわ!

田中

今年のクリスマスは何か予定あるのか?

ひの

無いですよ、なにも(笑)

田中

そうか、じゃあ、空けとけ

ひの

わかりました!

田中

カフェで出すケーキが残るはずだから

田中

処分するの手伝え

ひの

はい!

ひの

ちなみに、どんなケーキなんですか?

田中

オーソドックスなブッシュドノエルだ

ひの

わぁ!それは楽しみにしておきますね!

田中

おう

氷野

(ケーキが残るとか、処分って言ってたけど…)

氷野

(きっとわざわざ作って持ってきてくれるんだろうな)

久木

先輩?

氷野

何?

久木

なんだか幸せそうですね

氷野

そう?

久木

はい!

久木

事故のあと、ずっと元気無くて…

久木

心配してましたけど

久木

元気になってよかったです!

氷野

ありがと、久木さん

氷野

心配かけてごめんね

久木

いえいえ!

久木

先輩が元気なら、それで十分です

12月25日

クリスマス当日

氷野

うーん…

氷野

タナキエルさんは何も言ってなかったけど…

氷野

たぶん、ノノちゃんも来るはずだから…

氷野

お皿とコップと…

氷野

えーっとあとは…

ピンポーン♪

氷野

あ、はーい!

ガチャ

ノノ

はろ~!夕姫ちゃん!

氷野

ノノちゃん!こんばんわ!

ノノ

わきゃ!!な、なに…

氷野

??

ノノ

そ、その…カンガルーみたいな…

ノノ

可愛いパーカー!!

ノノ

きゃ~~~!ベリトさんがポッケから顔出してるぅぅ

タナキエル

うっさい!

ノノ

んぎゃ!

タナキエル

さっさと中に入れ

ノノ

わかったよぉ~…

氷野

ふふっ…可愛いでしょ?

ノノ

うん!可愛い!!

ノノ

ネットで買ったの?

氷野

うん、そうなの

氷野

こたつ買っちゃうと出られなくなるから

氷野

このパーカー買ったんだけど

氷野

あったかいんだろうね、ずっと入ってるよ

お腹の辺りにある

大きなポケットを覗き込むと

目を真ん丸にしたベリトがこちらを見ていた。

ノノ

ぐっ…きゃわいい…

タナキエル

おら、手伝え

氷野

あ、すいません

氷野

お皿とコップは用意してます

タナキエル

よし

タナキエルは持っていた箱を開ける。

氷野

わぁ!!可愛いブッシュドノエル!

箱の中には

丸太を模した小さなケーキが

三つ、鎮座していた。

サンタクロースや雪だるまの形をしたメレンゲ菓子がのせられ、

全体的に粉糖が振られ、

雪が積もっている様子が忠実に再現されていた。

氷野

これ…

氷野

タナキエルさんが作ったんですか?

タナキエル

ああ

氷野

すごーい…

タナキエルは慣れた手つきで皿にケーキを乗せる。

氷野

あ、飲み物コーヒーでいいですか?

ノノ

なんでもいーよー

タナキエル

酒はカフェで飲んだしな

氷野

あ、そうなんですか

氷野

ノノちゃんも飲んだの?

ノノ

ちょっとだけねぇ

タナキエル

スパークリングワイン三本空けといてよく言う

氷野

三本…

氷野

(凄いなぁ…)

ノノ

にゃはははは~

氷野

はい、コーヒー入りました

タナキエル

よし、じゃあ

ノノ

いただいまぁーす

タナキエル

そこはお前…

ノノ

ん?

タナキエル

メリークリスマス!だろ?

氷野

(悪魔がメリークリスマス…!)

ノノ

あ、そっか!

ノノ

んじゃ、改めて

「メリークリスマス!!」

ノノ

悪魔と死神と過ごすクリスマスだね、夕姫ちゃん

氷野

あははっそうだね

タナキエル

笑いごとか?

氷野

楽しかったらいいと思ってますから

タナキエル

前向きだな

氷野

ふふっ

氷野

では、頂きます!

タナキエル

おう

氷野

……!

ノノ

……♪

氷野

わぁ…美味しい!!

タナキエル

ん、そうか

ノノ

美味しいよねぇ

スルリとポケットから抜け出すベリト。

氷野の顔を見て、

大きな欠伸をし、

タナキエルに近づく。

タナキエル

ん?

そして、

フォークを持った手にそっと触れる。

タナキエル

お前が食べれるものは無いぞ

冷たくそう言ってケーキを口に運ぶ。

しかし、

ベリトはタナキエルの側に座り

愛らしい顔で見上げる。

タナキエル

……

ベリト

……

氷野

(アイ〇ルのCMみたい…)

タナキエル

……

ベリト

……

タナキエル

くっ…す、少しだけだからな

氷野

(あっさり負けた…!)

ノノ

って!なんで私のケーキから取るの!?

タナキエル

うるさい、作ったのは俺だ

ノノ

ぐぬぬぬ…

タナキエル

ほら

タナキエルがフォークの先に少しだけ乗せた

生クリームを差し出す。

ベリト

……

だが、少し匂いを嗅いだだけで

ベリト

……

プイッとそっぽむいた。

タナキエル

!!

タナキエル

おまっ…お前!

タナキエル

俺が作ったケーキが食べられないというのか?

ノノ

いやいやぁ

ノノ

ネコちゃんってそんなもんよぉ?

タナキエル

覚えてろよ…猫も食べるケーキ…

タナキエル

必ず…必ず作ってやるからな…

ノノ

もぉ~負けず嫌いだなぁ~

タナキエル

ああ?お前にも作ってやろうか?

タナキエル

特製のケーキを

ノノ

それ絶対毒とか入ってる奴じゃーん!!

ノノ

やだやだ!美味しいやつ作ってよぉ!

氷野

ふふっ

氷野

あはははは

ノノ

夕姫ちゃん笑いごとじゃないってばぁ

氷野

あははは

タナキエル

ま、楽しそうでいいんじゃないか?

ノノ

ひぇぇえ良くないって!

氷野

ふふっ…ああ…楽しい

ノノ

うん!楽しいね!

タナキエル

……

氷野

二人が戻って来てくれてよかった

タナキエル

俺は基本的にずっとこっちだしな

ノノ

私もしばらく謹慎中だからねぇ

氷野

そうなんだ…

ノノ

うん!だから、これからもずっと一緒だよ

氷野

やったね!

ノノ

いえーい!

氷野

いえーい!

タナキエル

……

氷野

ということは

氷野

タナキエルさんのケーキが毎年食べられるってこと?

ノノ

そういうこと♪

タナキエル

俺はパティシエじゃないぞ

氷野

え…作ってくれないんですか?

タナキエル

……

タナキエル

作るに決まってるだろ

タナキエル

誕生日ケーキも作ってやるからな!

氷野

わーい!

ノノ

わーい!

タナキエル

はぁ…ったく…

ノノ

あ、なんか幸せそうな顔してる

タナキエル

うるせぇ

タナキエル

どんな毒を混ぜたケーキを作るか考えてるんだよ

ノノ

ひぇぇぇ…悪魔ぁぁ…

氷野

あははははっ

タナキエル

ははははは(真顔)

ノノ

笑えない…笑えないよぉぉぉ…

そうしてクリスマスの夜は更けていった…

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