/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
数ヶ月後
不審な人物をみかけるとのことで鏡周りはより一層の警戒をすることとなった
カズキ
(今日も見張り役か)
そして僕たちはそれを別の場所から眺めていた
紗良
さすが忍さんの発明品
紗良
こんだけ小型なら監視虫(かんしちゅう)もバレない
凪
油断はするな。接続部が失敗すればこの計画は終わる
紗良
(わぁ…リコちゃん今日も元気だなあ)
凪
……
凪
それ別の部屋じゃないか
紗良
そうだよー、だってまだ時間あるでしょ？
凪
真面目にやれ。今は紅口リコは関係ない
紗良
んー？ うるさーい
紗良
自分だってナナミちゃんの観測ずっと続けてたじゃん
紗良
ストーカーきもいんですけどー
凪
解析だ。私情とは違う
凪
それに今回の計画は今までのようにはいかない
凪
並行世界への移動ではなく世界そのものの結合だ
紗良
世界っていっても鏡から一定の距離だけでしょ
凪
そうだな
凪
だがレヴェリオ学園の敷地はほとんど範囲内だ
紗良
なーんでΔ様はこんな学校にこだわるんだろうね
凪
その疑問は同感だ
凪
(あの日と同じ被害者をまた増やすことになる…)
凪
(いや、Δ様もテストだと言っていたし、終わったら戻すのか？)
凪
(僕はどうすれば…)
紗良
…
紗良
なんかあった？
凪
…
凪
気にするな
凪
そろそろ時間だな。行ってくる
紗良
ん
凪
凪
キミ、こんなとこで退屈じゃないのかい？
カズキ
誰だ…
カズキ
…先生か？
凪
そう。名前は……藤木
凪
ちょっと生徒の様子見に来た
カズキ
そうっすか
カズキ
…
カズキ
(先生にしては若くねえか？)
カズキ
…
凪
こういう場所、落ち着かなくて好きじゃないんだけど……
凪
君は、よくこんなとこで見張りなんてやるね？
カズキ
まあ慣れっすね。つか、知ってるんだ俺が見張りやってること。
凪
少しは話をきいてるからね
数分後
紗良
(やっぱ雑談タイム挟んだね)
予定はあくまで観測。対話や干渉は申請されていない
でも凪はわりとそういう例外を起こす
紗良
まあ、私も人のこと言えないし時間さえ守ってくれればいいけど…
紗良
(今3分か…長いな)
カズキ
待て。顔、ちょっといいか？
凪
ん？写真？
凪
(さてと)
カズキ
これ、使わせてもらうわ
カズキ
レイジが作った顔照合のやつ。教師の顔データが入ってる。
凪
……
カズキ
——やっぱりな。こんな教師、いねぇ。
凪
……
凪
バレちゃったか
カズキ
誰だ！何が目的だ！
凪
キミを見に来ただけだよ、透道カズキくん
凪
少し興味があってね、この鏡にも
カズキ
ふざけんな！立ち入り禁止って書いてあったろ！
凪
書いてあったけどダメって言われるとやりたくなるだろう？
カズキ
……
カズキ
……
凪
何？
カズキ
カズキ
お前ほんとに初対面か？
紗良
(……)
紗良
(4分8秒…やばいな)
紗良
紗良
たく…凪のくせに詰め甘いじゃん
カズキ
なんかさ、ずっと引っかかってて
カズキ
お前と話してると、頭ん中がざわざわする
凪
なんのことかな？
凪
(記憶が残ってる…ならもしかして)
カズキ
会ったこと、あるよな？
カズキ
お前どこで―
凪
記憶って、怖いね。消したつもりでも、染み込んだもんまでは抜けない。
カズキ
消した？記憶を？
カズキ
(こいつまさか…)
凪
やっぱり、キミは厄介だ。忘れてても目を覚ますし、忘れさせても見抜く
カズキ
おい！なんの話だ
カズキ
カズキ
!?
カズキ
(なんだ？急に明るく)
紗良
凪、いそいで
凪
じゃあね、見張り役くん
カズキ
ま、待て！
カズキ
カズキ
カズキ
!!
カズキ
(なんだったんだ…くっそ)
カズキ
とにかく報告を――
カズキ
…
カズキ
…
カズキ
あれ？
カズキ
(今誰かいたような？気のせいか？)
紗良
おい、ギリギリすぎ！
紗良
あと30秒でアウトだったよ？ 私が来なかったらどうしてたの
凪
凪
君の反応速度も計算の内だ
紗良
いやいやいや、こっちは焦ったんだから！
凪
おかげで必要な空間データは全て取得できた
紗良
…空間データ？
凪
目的は部屋全体の座標構成と歪みの収束パターン
凪
忍さんに頼まれてたんだよ
凪
鏡に仕込みをするだけだと結合はできないらしいからね
紗良
最初から言ってよそういうこと
凪
バカに理解できる話じゃあないからね
紗良
はぁ？私がいなかったらどうなってたと思ってんの？
凪
はぁ…騒ぐな。いちいちうるさい
紗良
なんでそんな態度とれんのよ
凪
まぁ上出来だったよ
凪
なんか奢ってやる
明
明
空間データ、届いたようです
明
今Φが解析中
Δ
了解
明
もうすぐですね、Δさん
Δ
あぁ。これを成功させればきっと――
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ