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テラーノベル(Teller Novel)

姫月 琴葉

……だめだー!

姫月 琴葉

わっかんないよぉ…

星宮愛華

…わたしも、分からないです……ごめんなさい…

榊 真陽

いえ……私も分かりませんでしたから

榊 真陽

……忌呪さんは?

忌呪 尊

……

榊 真陽

あのー、忌呪さん?聞こえてますか?

忌呪 尊

…聞こえておるぞ

忌呪 尊

すまんの、儂も分からんわ

榊 真陽

………そう、ですか

忌呪 尊

その問題は覚えておいて、扉に行くか?

榊 真陽

そちらの方が効率はいいかと

榊 真陽

お二人は

姫月 琴葉

んー、私もそれでいいと思う!

星宮愛華

わ、わたしも…

榊 真陽

分かりましたでは、扉に向かいましょうか

星宮愛華

…酔わないようにしないと

姫月 琴葉

えっ、愛華酔ってたの!?大丈夫!?

星宮愛華

大丈夫だよ、琴葉

星宮愛華

ちょっと、視界がグラグラしてただけだから

姫月 琴葉

…何かあったらすぐ言ってよね

姫月 琴葉

愛華、すぐ我慢しちゃうんだからさ

星宮愛華

…うん、なるべく言うようにするよ

姫月 琴葉

ならよし!ほら入ろ入ろ〜

榊 真陽

止めたのは貴女でしょう…

姫月 琴葉

えへ

忌呪 尊

話は終わったのか

忌呪 尊

…儂が最後に入るからお主らは先に行け

榊 真陽

…分かりました

榊 真陽

愛華さん、琴葉さんいきましょう

姫月 琴葉

はーい

星宮愛華

分かりました

扉の奥に見える白い空間に 3人の姿が消える!

それを見届けた忌呪は腕を動かし台車の車輪を転がす ゴロゴロと音を鳴らしながら部屋をぐるりと回った後、ぽつりと呟いた

忌呪 尊

……夜

忌呪 尊

何にも負けを取らぬ、魔界なんかよりずっと美しい夜がみたいの

床に落ちていたナニカを手に取った忌呪は、それをジャケットのポケットに突っ込む そして、他の3人と同じように白い空間へ台車がと入っていった

榊 真陽

……ここ、は

榊 真陽

リビング、ですかね…

眩しさを避けるように瞑っていた瞼を上げると、そこは薄暗いリビングのようだった

ぼんやりと家具の形がわかる程度しか視認ができず、思わず体が強張る

 

──────────

榊 真陽

っ!

突然聞こえた声に、 そちらの方向を振り向けばまだ年端もいかぬであろう少女が佇んでいた

 

─────、────────!

 

…────!!!

 

──!!──、───…──……!

何か必死に言葉を紡いでいる

が、その声を認識することはできず 表情も窺えない

ただ、その少女がひどく辛そうだと 直感的に感じていた

ジャン──と、エレキギターのような音色が部屋に響いた。 刹那、少女の姿が陽炎のようにゆらめき消える。そして、榊の目の前に姿が移動した。

 

────ねぇ、死んで?

榊 真陽

は、

考え込みすぎていたのか、いつの間仲間の前にまで少女が来ていた

私の首元に、薄暗い中でもギラリと鈍く光るナイフか包丁が当てられている

 

なんで、だれ

 

ぼ……っ私の家に

 

なんでいるの

 

どうして?

 

もしかして、また?
あなたも私がいらないって言うの?

榊 真陽

…なにを、言ってらっしゃるのです?

 

……

榊 真陽

…まずは、このナイフを下ろしてもらえますか

 

やだ

榊 真陽

えぇぇ……

 

…………

─────

…そこまでですよ

─────

████様

なんの気配もなく、 私と少女の間に入ってきた青年?は やんわりと否定の言葉投げかけ、 少女の腕を持った

 

あ、ミデンだ

ミデン

…ええ、そうですよ。
今日はもう寝る時間です、…おやすみなさい

 

…はぁい……おやすみ、ミデン

ミデン

おやすみなさいませ

ミデンの言葉を素直に飲み込み、少女は部屋を出ていく 少女の消えた方向へひらりと手を振るとミデンは向きを変え榊に向き合った

ミデン

…さて

ミデン

貴女にこれを渡さなければいけないので渡しておきますね

榊 真陽

!…これ、

鮮やか花のような、美しい紫 はっきりと見覚えがあるこの色は

ミデン

えぇ───星宮愛華の、「色」です

私の手のひらに、眼球のようなものが二つころりと転がされる

感触からして模造品であることは確か だが、ゾワゾワと背筋を這う嫌悪感は、確実にこの球体を持つ右手から来ていた

ミデン

…さて、私はこれで仕事を納めましたので

ミデン

別れといたしましょうか

榊 真陽

なんなんだよ、お前…

榊 真陽

ほんとに…っ

ミデン

何って…

ミデン

私はただの、駒ですよ

ミデン

……意思を持たされている、ただの駒

ミデン

それ以下でもそれ以上でもありません

ミデン

……では

ミデン

またの夢見を待っていますよ、真陽様

その言葉と共に、グラグラぐにゃぐにゃと視界が歪み始める

榊 真陽

ぅ、あ…?

視界が極彩色に染まり、あまりのコントラスト差に目の奥が痛んだ

耐えきれず近くのソファへ手をついた瞬間

榊 真陽

ッ、くっそ…

意識は暗闇に溶けた

ミデン

これで皆様のことを今日分は夢世界から夢へ移行できましたね

ミデン

…しっかり、確実に、僕の仕事は達成しているのに

ミデン

……なぜ、こんなに

ミデン

僕の仕事は、皆様を見送るだけ…

ミデン

……本当に

ミデン

それで、良いんでしょうか

??

─────ミデンは自分で気がついたんやっけ

??

覚えてます?██様

??

私も残念ながらそこまでは読み込んでいませんよ

??

そもそも改変後のものでしたよね、私の手元に来ていないのですが

??

えっうっそ、まじ?

??

後でデータか夢世界か添付しときます……

??

別に気にしていませんので大丈夫ですよ

??

ありがとうございます…!

??

…██様は?どう思います?

??

僕ですか?

??

んー、僕は…

??

「能力で歪められた知覚」だと思いましたね

??

………

??

ありがとうございます、██様

??

じゃあ、お二方に意見をもらったところで解散しま〜す

??

██様、██様、良い夢を

────𝕿𝖔 𝕭𝖊 𝕮𝖔𝖓𝖙𝖎𝖓𝖚𝖊𝖉…

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