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お化け屋敷は、遊園地の外れにあった
看板は色褪せ、電球は半分以上が切れている
『たのしいおばけがまっているよ!』
無邪気な文字が、かえって不気味だった
カルロ
ナイル
同行しているのは、ナイル、アミナ、ルーフス、そしてカルロ
マカナは「今日はやめとく」とだけ言って、来なかった
扉を押すと、きい、と嫌な音を立てて開く
中は、ひんやりとしていた
甘い匂いはなく、代わりに湿った埃の匂いが漂っている
アミナ
アミナ
ナイル
廊下の壁には、剥がれかけたポスターが貼られている
『こわくないよ!』
『だいじょうぶ!』
その下には黒いシミ
インクなのかなんなのかわからない
カルロ
ルーフス
アミナ
アミナが息を呑む
薄暗がりの中に、小さな影が見えた
背が低く、ふらふらと揺れている
カルロ
影はこちらを向いた
ピンク色のツインテール
ボロボロの服
ハイライトのない黒い目
…確かに、子供だ
リーザ
リーザ
胸が締め付けられる
アミナが一歩前に出た
アミナ
ナイル
ナイルがアミナの腕を強く掴んだ
その瞬間、リーザの表情が歪んだ
リーザ
首が不自然な角度で傾く
空気が重くなる
ルーフス
次の瞬間、リーザの身体が、あり得ない速さでこちらに向かってきた
カルロ
反射的に、全員が後退する
床に這うような動き
まるで、人形が壊れたまま動いているようだった
リーザ
声は、泣いている子どものものなのに、動きは、追いかける「何か」
ナイル
廊下を駆ける
背後で、足音が響く
リーザ
名前を呼ばれた
背筋が凍る
カルロ
分かっている。分かっているのに…
一瞬、視界の端に、リーザの姿が映った
その目は、助けを求めているようにも、奪おうとしているようにも見えた
カルロ
出口が見える
全員が飛び出した瞬間、背後で、扉が激しく閉まった
ドン!!
静寂の中、荒い息だけが残る
カルロ
ナイル
ナイル
ルーフス
アミナ
ナイル
カルロ
俺は拳を握る
カルロ
ナイル
遠くで、また音楽が流れ始める
何事もなかったのかのように
俺ははっきりと理解した
ここは、選択を迫る場所だ
思い出すか、壊れるか
そしてその狭間に、リーザのような存在が生まれる
お化け屋敷の奥から、微かに子供の笑い声が聞こえた
その声は、もう二度と、無邪気には聞こえなかった