初兎
「なーにー」
初兎
傍から見たら異様な光景だろう いい歳した高校生が何気ないネックレスに話しかけている。それもキレながら
「どーするもなにも、これが初兎くんの望んだことじゃん。視線の正体はわかったし、能力も貰えたしいいでしょ?」
初兎
「どこがどう違うのさ。初兎くんが悩んでた視線の正体は幼なじみくんとか、先輩くんとか義弟くんで、視線を送ってた理由は初兎くんのことが大好きでたまらないからでしょ?」
「愛されてるじゃ〜ん、良かったね」
初兎
レティシアに能力を貰ってからはや数日
いつも何気なかった彼らの行動 その行動とは裏腹にものすごく恥ずかしいくらいの俺を思う気持ち それを感じるようになると自然を取りたくなる
しかし距離を取ったら取ったで心の中で落ち込む彼らの声を聞くと距離を取るにも取れない
その感情が今行ったり来たりしてるのだ
まー、精神的にキツいの他ない
「そんなにキツいの?」
初兎
「....なら手伝ってあげる」
初兎
「いやだって、今回の出来事って私も悪いでしょ?初兎くんの悩みも解決する所か増えてるし...」
「神様の行いとして悩みを勝手に増やしたのにそのままってのは嫌だし...」
「私も神の1人だから心読めるし、1人でキツいっていう気持ちは無くなるよ?」
初兎
ガチャ
-hotoke-
その言葉に振り返る
そこにはレティシアが立っていた
ただ神様ならではの大きな翼は無く、白っぽかった瞳は薄く紫になっている。 そして中等部の制服を着ていた
-hotoke-
初兎
「神様」なんて言えるはずもなく言いあぐねると、レティシアがちいさくため息をつき話し始めた
その顔はニコニコと人あたりのいい笑みだ、しかし俺からすると少し怖い
???
-hotoke-
レイ
-hotoke-
レイ
いきなりこのふたりはなんの会話をしているのだろう...俺に妹はいないし兄弟としているのは義弟のりうちゃんだけや
初兎
レイ
休み時間を終え授業が始まり30分
相変わらず視線を感じながら、俺はレティシアと心の中で連絡をしていた
初兎
(取り敢えず落ち着くんだ少年よ....ていうか今回私結構いいことしたでしょ?)
初兎
初兎
初兎
(....初兎くんってほんとバカだよね〜)
初兎
先生
初兎
周りからの視線が痛い...ってのはどうでもよくて!
初兎
確かに俺の成績は良いとは言えない でも決して悪いわけでもない つまりは中間くらいの頭だ 欠点だってギリギリはともかくとったこともない
(よく考えても見てよ、ほとけさんは君のことをこの上なく愛してるんだよ? あとね、幼なじみタイプは自分の知らないところが出てくると酷く傷つく)
(そんなほとけさん見たかった?)
初兎
(それにゲームとかでもそうだけど、幼なじみキャラってのは自分と意中の相手との歴が長ければ長いほど 「その子のことは僕がいちばん知っている」って思うのね?)
初兎
(んなもんよ)
(んで自分が1番の理解者だと思っている中、その人の自分でも知らない1面が出てきたら?...そん時の流れはバカでも分かるただひとつだけ)
(誘拐&監禁&堕ちるまで手段を問わない行為そのた諸々)
初兎
(手の平クルクルすぎやろ....まぁ、ええけども)
初兎
初兎
(あー、そこは神の力をフル活用してほとけさんの記憶をちょっと書き換えたからだお☆)
初兎
(君と関わりのある人とか家族とかの記憶では、私が生まれてきてからずっと有栖家の人間になってるから)
(そこんとこ安心してね☆)
初兎
(だが断る)
初兎
(聞こえてるぞ)
初兎
「ていうか、初兎くんがあの時いい感じに誤魔化してくれたら妹っていう設定付けなかったしー」
初兎
「おい」
初兎
顔を伏せ目を瞑る この時いむくんの心を読めばよかったと後に後悔するのはまだ少し先の話
レイ
レイ
中等部3年生1組 初兎くんが中高一貫校で助かったと思いながら斜め前の赤髪を見つめた
レイ
ポンパにまとめられた赤くサラサラとした髪、斜め後ろの席からも見える整った顔立ち
それを見る女どもの視線
うん、イケメンって大変だね
それとは裏腹に彼の心の中はと言うと
りうら
レイ
こんな感じで授業の内容より初兎くんなんだよなー、愛強くね?
りうら
レイ
りうら
りうら
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
りうら
りうら
レイ
りうら
超能力ほしくない?