ここ、窓際はあたしの特等席だ。 …爆睡してる誰かさんがよく見えるから。
先生
先生
(あぁ、あなたはどうして…)
先生
(ヒナタなの!?)
教室内をゆっくり歩きながら『ロミオと ジュリエット』を読み上げていた、ALT (英語指導助手)の先生は、机に突っ伏し している誰かさんの頭をバシリと叩いた。
日向
くすくすと笑い声が漏れる中、ヒナタ… 相原日向は起き上がって英語で文句を 飛ばした。
日向
(疲れたんだよっ!そんなに自分の授業で 寝てほしくないのか?)
先生
日向
柚
英語でやり合う二人を見て、 誰からともなくそうつぶやいていた。 こう見えても日向は…あたし、 金谷柚の幼なじみ。 すっごく勉強ができて、 スポーツができて、 かっこよくて女の子にモテる。 帰国子女てもないのにこれだけ英語が 達者なのも、日向くらいだ。 "日向"という名前は、 女の子っぽいという人もいるけれど、 あたしはそうは思わない。 これ以上ないくらいに彼にぴったりな、 名前だと思う。 だって彼は…太陽の光を浴びて、 グラウンドを誰よりも速く駆け抜ける、 この学園の陸上部の、 トップランナーなのだから。 まぁあたしから見れば、 口の悪さも光り輝いていますが…。
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