・都市伝説 ・ひきこさん ・1部改変
”ひきこさん”
2000年代の頭に生まれた インターネット発の都市伝説 だと言われており、
不特定多数のユーザーに よって物語は出回った。
内容は人気のない夜道を 歩いていると、人形のような 物をズルズルと引きずっている女と出会う、が、
女が引きずっていたのは 子供の人形ではなく、
子供そのものだった。
だがここからが少し 悲しい裏話である。
彼女が先程伝えた様な事を 行う理由は自分が受けた いじめに対する恨みからで、
子供に憎しみを抱き捕まえては肉塊と化すまで引きずり回していたのである。
この都市伝説はテレビ番組で紹介されて全国に広まった。
そんなひきこさんの見た目は 口裂け女と少し 似ており、
白いぼろぼろの服を着た 女の目は異様につり上がって 口は耳元まで裂けている。
また、背は高く髪の毛も長い。 顔に酷い傷があり、虐めの 悲惨さを物語っている。
だがここひきこさん、
誰でも彼でも 襲う訳では無い。
まずひきこさんは自分と同じ ”いじめられっ子”には 興味を示さない。
次に”ひきこさんを虐めていた 子供と同じ名前の子供”は 襲わない。
死後も虐めをする様な奴に 縛られているとはなんとも 可哀想なものだ。
そんなひきこさんに 出会ってしまった際は 「引っ張るぞ引っ張るぞ」と 強い口調で伝えると、
向こうから去っていく、 という噂がある。
昔のトラウマを呼び起こす ようで気乗りしないが、 誰もが自らの命を優先する。
仕方の無いことだ。
ひきこさん、 本来恐れられる存在だが、 私からすると唯一無二の 救世主だった。
はな
はな
はな
はな
目の前の女が腕を 振りかざした瞬間、 頬に強烈な痛みがはしった。
はな
この頃になると自分を 客観視するようになっていた。
そうじゃないと辛かったから。 耐えられなかったから。
しばらくして 地面が赤くなった頃、
ズル、ズルズル
”何か”を 引きずる音がした。
はな
はな
はな
腕を引っ張られて投げられた 拍子に私は女の足元に 跪いていた。
はな
目の前には背丈も 分からないくらいボロボロな 肉塊があった。
はな
なんとも言い表せない 死臭が鼻から身体に 流れ込む。
はな
助けを求めるため後ろを 向くと、既にそこに2人の 姿はなかった。
はな
はな
はな
ひきこさん
こちらを1度見た、確実に。 目が合った。
涙を浮かべる私の顔を見た 矢先、2人が逃げたであろう 方角へ走っていった。
はな
はな
episode2 ”ひきこさん” 次回完結
コメント
4件
投稿ありがとう✨️ ひきこさんって聞いたことあったけどこんな悲しい過去があったんだ…