この作品はいかがでしたか?
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歩き慣れた通学路
友達にふと思って、こう言った
「死にたいって言われたら」
「何て、返す?」
明らかに戸惑った友達を見て
まぁ、そうだよねと呆れる
「私なら─」
急に明るい口調になって友達は言った
「いつか、救われるから、大丈夫、的な?」
─ 一瞬、音が消えたような
そんな気がした
何故なら、これは私自身の質問だったから
思わず、言ってしまった
「いつか、って」
「いつなんだろうね」
友達から笑顔が消える
「え」と声が出た
「いつかって」
「いつなんだろうね?」
構わず、私の口は動く
「もし、いつかが来るとしようか」
「その人は、いつかまでに」
「生きているのかな」
段々、声が震える
友達は唖然とした様子で、私を見ている
「今、救いが欲しいの」
「今、寄り添えるものが欲しいの」
あぁ、ダメだ、と思う
泣いてしまう
泣いてしまうから
「いつか、じゃなくて」
「今、助けて欲しいの」
そこまで言ってから
私の足だけ、帰路につく
また、1人
友達が、減ったのだろう
「ごめんなさい」
別れ際に言ったその声は
嗚咽と混じり、聞き取れなくなっていた
コメント
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いつか、上手くいくから。 いつかって、いつですか。 そのいつかまで、この空から降る槍に耐えないといけないのですか。 今、傘をください。 いつかでは無く、今、欲しいのです☂️