子供
ママーあそこに妖怪がいるよ
ママ
こら
ママ
見ちゃダメよ
倉木
妖怪か
倉木
腹減ったなー
高田
こんにちは
倉木
あっ高田さん
高田
倉木さんもう私はダメです
倉木
なに言ってるんですか
高田
もうずっと食べていなくて
高田
死にそうです
高田
いやいっそ
倉木
わかりました
倉木
うちに来なさい
レジャーシートの家
倉木
少しだけでよ
高田
倉木さん
高田
どうしてこんなに食料が
倉木
少しずつ我慢して生きているんです
倉木
私たちはもう死んでるも同然ですが懸命に生きなきゃいけないんです
倉木
パチンコだり借金はやめましょう
倉木
神様はみていますよ
高田
倉木さん
高田
わかりました
高田
今日だけ泊めていただけませんか
倉木
約束してくださいよ
朝になると高田と荷物はすべて無くなっていた
倉木
そんな
倉木
そんな
三日後
倉木
(もうだめかもな)
倉木はなにも食べていなかった
時間の感覚がなく光に照らされる方へ歩いた
倉木
これなんだろう
倉木
綺麗だ
倉木
とっても綺麗だ
倉木は一口飲んだ
倉木
うまい
倉木
こんなもの食べたことがない
倉木は飲み干した
そこにひとりの人間が近づいてきた
❔
お客さんそれ痰壷ですよ
駅員だった
倉木
えっ
おええええぇぇぇぇーーー