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空想フォレスト

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空想フォレスト

1 - 空想フォレスト

♥

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2018年03月12日

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静かな森の奥に私はひっそり住んでいた。

マリー

...はぁ

マリー

...寂しいなぁ

何百年もそこに閉じ込められていた。

────────────────

────何百年前────

マリー

外、出てみたいなぁ

マリー

!!

マリー

ちょうちょ!!お花も咲いてる!

マリー

綺麗ー!

マリー

...ちょっとなら、いいよね?

私はそっとドアを開けて外に出た。

マリー

ふんふん♪

マリー

出来たっ!花冠!

────ガサガサ...

マリー

っ!?

マリー

だ、誰!?

人間

うわっ!なんだ!頭が真っ白だー!

マリー

ひっ!!

マリー

あなた達は...!?

人間

うわっ!真っ白お化け!

人間

ホントだ!

人間

捕まえてやる!

人間

化け物だ!!

マリー

や、やだ!!

マリー

助けてっ!!

マリー

お母さんっっ!!

シオン

マリー!!

シオン

っ...!!

シオンがキッと人間たちを睨みつけた瞬間────

人間

っ!?

人間

...っ!!

───人間たちは石に変わってしまった...。

マリー

お、お母さん...

シオン

マリー!大丈夫?

マリー

う、うん...

マリー

ねえ、この人達は?

シオン

...人間よ

マリー

人間?

シオン

そう...

シオン

ううっ...!

マリー

!?

マリー

お母さん!!

シオン

マリー...

シオン

大丈夫...

シオン

ちょっと...力を...

シオン

使ってしまったから...ううっ...

マリー

お母さん!

マリー

そんなっ...!

マリー

お母さん!

シオン

マリー......

────────────────

それからはよく覚えていない。

ただ、お母さんの帰りを待っている。

何十年も何百年も待っている。

────ずっとずっと...。

────────────────

セト

はぁっ...はぁっ...

1人、森を走り抜ける少年。

セト

はぁっ...もう、やだよっ!

その少年の目は赤い。

セト

はぁっ...はぁっ...

森を抜けた時だった。

セト

!!

セト

い、家...?

そこにはツタに囲まれた白い家が建っていた。

セト

...あれ?

セト

声が...聞こえる?

セトの頭の中に少女の声が響き渡った。

────寂しいよ

────怖い...

────誰か...助けて

それは、世界に怯えている声...。

セト

...似てる...僕に

世界を嫌った自分に。

この力を呪った自分に。

...その声は似ていた。

セト

......

セト

助けなきゃ

セトは、ゆっくりとドアに手をかける。

セト

......

そして、力を込めてドアを開けた。

────ガチャ...

マリー

ひっ!!

セト

!?

マリー

っこ...ないで!

セト

えっ...君、大丈夫?

マリー

やめて!

マリー

来たらダメ!!

マリー

わ、私と目を合わせるとっ...!!

マリー

......石になるのっ!!

マリー

あの時のお母さんみたいに...!石になっちゃう!!

少女は目を覆って泣き出した。

セト

......

セト

僕も...

マリー

...へ?

セト

僕も君と同じだよ...

セト

...聞こえるんだ、色んな声が

マリー

...声?

セト

うん

セト

心の中の声

セト

みんなみんな...酷い事ばかり言っていた

セト

...僕は何も聞きたくなくなってね、誰もいない場所を探してたんだ

そう言ってセトはマリーに歩み寄った。

マリー

っ...!!

セト

大丈夫だよ

マリー

......

セト

あのね、聞いて

マリー

...う、うん...

セト

世界はね、案外...

セト

怯えなくてもいいんだよ

マリー

...本当?

セト

うん!

少しずつ、セトの真っ赤な目が元の色に戻り始めた。

セト

大丈夫!

セト

ねえ、一緒に...外に出ようよ!

マリー

!!

マリー

......

マリーは少し悩んだあと、静かに頷いた。

セト

行こう!

マリー

...うん!

────あの時に見た君の顔。

それは...

閉じこもり続けた私の心のドアをノックしてくれた。

────────────────

セト

マリー、バイトに行ってくるっす!

マリー

え!待って、セト!

セト

なんすか?

マリー

き、

セト

マリー

気をつけてね…!

16歳になった愛しい貴方と私。

今度は幸せになれると...いいなぁ…。

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