デートをした。
彼女とは初めてのデート。
彼女は僕の手を握りしめる。
こんなことは今までなかったので嬉しい。
きっと照れているのだろう。
僕はその手をロングコートに入れると誰もいない駅前の繁華街へと向かった。
しかし,勇気が出ないので,結局寂れた駅前をうろうろした。
彼女は愚痴一つ言わなかった。
良い女を見つけたもんだだ。
解説
彼女は手だけの存在である。
解説
握りしめるのは硬直しているから。
解説
愚痴を言わないのは、口がないから。
解説
コートに入れたのは隠すため。
解説
僕(主人公)は,死体の一部とデートしていたのだ。