TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

現在休止中

一覧ページ

「現在休止中」のメインビジュアル

現在休止中

16 - 1.本気の悪夢ちゃん

♥

1,500

2018年06月04日

シェアするシェアする
報告する

愛海

あの…まだ信号変わらないですか?

愛海

さっきからずっと赤のままですよね…

タクシー運転手

ですねぇ。

タクシー運転手

なかなか変わらないですねぇ。

愛海

仕事の帰り道だった。

付き合いだった飲み会の後でもう深夜の2時を回った頃。

疲れた濛々とする中早く帰りたい気持ちを嘲笑うかのように

長い時が流れていた。

愛海

変わらないですねぇ。

タクシー運転手

そう…ですねぇ。

なにかおかしいとは感じてたんです。

愛海

このままじゃ料金上がっちゃうよう…

ふと体を乗り出し、料金メーターを見ようしたところ、

ふいにバックミラー目がいきました。

そこには青白く光る、小さな少女が後ろの道路にしゃがみ込んでいたのです。

少女

にやっ

愛海

!!!

バックミラー越しに目が合うなんて?

私は一気に恐怖に襲われました。

愛海

運転手さん!早く!早く出して!!

タクシー運転手

いやぁ…まだ赤ですからねぇ…

愛海

お願い!なんか危ないの!

少女

…ふふ

少女は立ち上がり、薄笑いを浮かべながらどんどん、どんどん近づいてきたんです。

愛海

お願い!早く!出して!!出して!!

愛海

追ってきてるの!こっちくるの!!!

タクシー運転手

いや、ですから。お客さん?

タクシー運転手

ふふっ

愛海

!!

運転手がニヤリと笑った瞬間、

この信号は一生変わらないものだと気付きました。

愛海

くる!!ごめんなさい!!

愛海

バタンっ

私はタクシーの扉を開け、無我夢中で走り続けました。

ここは私の生まれ育った田舎町である程度の建築物は把握できてたんです。

愛海

はぁはぁはぁはぁ

私は後ろに追われる気配を感じながら、ある古いマンションへと逃げ込みました。

少女

ふふふ…

愛海

はぁはぁはぁはぁ…

階段を駆け上がり息も絶え絶え、

なのに少女はあざ笑うかの如くスイスイと追いかけてきました。

何かがおかしい。こんな状況。

まるでドラマの中にいるような…

愛海

愛海

夢…?

そう。ここは私の

「夢の中」

だったんです。

少女

ふふっ

私の寝ている姿が思い浮かびました。

そして

愛海

目覚めろ!目覚めろ!

愛海

目覚めろ!目覚めろ!目覚めろ!!

何回も唱えますが

固くバリアのようなもので閉ざされてるかの如く、

瞼が閉じたまま。

この空間に閉じ込められているような気持ちでした。

少女

目覚められないよ?

少女

ね?

少女

逃げないでよ…

愛海

はぁはぁはぁはぁ

彼女はたんたんと楽しそうに話

まるで捕まえた虫を嘲笑うように…

愛海

あなた!誰なの!

少女

ふふふ、

少女

この前会ったじゃない?

愛海

会ったっていつ!

愛海

もう!もう!やめてよ!!

少女

ふふふふ…

訳のわからない少女の正体で思い浮かんだのがただ一つ。

「幽霊」

ではないかと思いました。

そうなるとこの状況は?

このまま捕まればどうなるの!

そしてはっと1つの事に気付くのです。

少女は

寝ている私の体を

現実の私の体を乗っ取ろうとしている

のではないかと…

愛海

はぁ、はぁ、はぁ…

捕まったら、私が私でいなくなる?

私消えちゃうの?

それとも、この少女にのっとられたまま、檻のようなこの世界で暮らすの?

なんとも言えぬ恐怖がありました。

それはまさに殺人鬼に追われているような気分。

愛海

ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…

愛海

おく、じょう…

ついに行き止まりに来てしまったんです。

少女

あははは

少女

行き止まりだねぇ

愛海

やだ!やだ!やだ!!

愛海

目覚めて!目覚めて!目覚めて!!!

愛海

助けて!助けて!助けて!!

少女

ふふふふっ

じりじりとゆっくり近づいて来る少女

私はめいいっぱいフェンスのギリギリまで逃げました。

少女

ふふっ

少女

あははははっ

下を見れば9階建くらいの高さ。

どうするも逃げ場がなかったんです。

愛海

目覚めて…目覚めて…目覚めて!!

愛海

目覚めろ!目覚めろ!目覚めろ!!

愛海

お願い助けて!

愛海

お母さん!お父さん!!

愛海

やめて!

愛海

やだやだやだやだやだやだ!!

愛海

やだ!!

愛海

こわい!!

愛海

目覚めて!目覚めて!!!

愛海

目覚めて!!!!!!!!!!!

愛海

!!!!!!

迫り来る恐怖の中、

ある事に気付きました。

「ここは"私の"夢の中である事。」

きっと、明晰夢のように

私だって何かしら力を使えるはず!!

(明晰夢⇉夢を自在に操る事のできる夢)

ばっ!!!

私は勢いよくフェンスを飛び越えました。

きっと翼とか生えるだろう…

きっと何かしらの力を使ってあいつに勝つ事ができるだろう…

だって!これは「私の夢」なんだから!!

落下した経験なんてないのにね。

地面までの速度は早かった。

ぐしゃっと自分の肉が潰れる音を聞き

淡く朦朧と薄れゆく意識の中で

少女が

少女

ふふっ

と笑うのが見えた…

パーン!っとバリアが破裂したかのように目が覚める。

汗だくの体とか呼吸状態の息切れ

なんとも言えない恐怖と震えが止まらず、起きたのは午前5時半でした。

これが最初の悪夢で

これがはじまりでした。

これは作り話のようで

実際に私が経験した本当の悪夢

週に2.3度。

多い時には続けて何回も…

焼死、溺死、感電死、転落死…

もろもろ色んな死に方で死んだ

悪夢のお話です…。

この作品はいかがでしたか?

1,500

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚