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ガチャ
あれ?私鍵閉めて行かなかったっけ?
まぁ。いっか…
!!!
朔
朔
冷たく大きな手が私の口を覆った
朔
朔
薄暗い玄関にひんやりと光る刃物が
私の喉をかすめた
朔
朔
朔
静かな口調でたんたんと話す彼に
私は意味も分からず
恐怖でうなずくばかりだった…
朔
朔
朔
朔
首元には刃物があたっているのに
たんたんと話す彼には殺気のようなものはなく、
背の高く包み込むような彼の身体に誘導されるように部屋の中へと連れて行かれた。
パチっ
見慣れたはずの部屋。
不自然な位置に置かれた椅子
開けたはずのカーテンがきちっと閉まっており、居心地のいいはずの空間が異様に狭く感じた。
朔
私は彼の言うままに
冷たい椅子に腰を下ろす
朔
朔
朔
さらっと流すように言い放つと
彼は私から手を離し
包丁を持ったままテーブルの上のタオルとロープを取りに行った。
きっとこの隙に逃げ出すことも出来たんだろう。
なのに、彼の重く冷たく
慣れたその行動と言葉に
なんとも言えぬ恐怖から身体が震え、動かなかった。
朔
彼はそう言うと私の口にタオルを巻きつけた。
ちゃくちゃくと
腕、足、身体とロープを巻きつけた。ゆる過ぎず、固過ぎず。
その慣れた手つきがまた恐怖を呼び起こした。
彼は一仕事を終えたように
テーブルの上に置いてあったコーヒー缶に手を伸ばした。
朔
一口飲み終えると、彼は仕切り直すかのように一言、一言呟きだす。
朔
朔
朔
朔
朔
朔
何人か…
1人だけじゃなく
何人も殺してるっていうの…
朔
朔
朔
朔
朔
朔
そういうと彼は奥の部屋からゴソゴソと何かをとりだしにいった。
そう。なにかがおかしかった。
いつも帰ってくると尻尾を振りながらワンワンっ!と嬉しそうにすり寄ってくるあの子。
疲れて帰ってきても、いつも玄関で元気に出迎えてくれる優しいあの子。
ほがらかな時間も、悩んで辛い時もいつも、いつもいつも隣にいてくれたあの子…
朔
ごとっ
床に落としたその重たい音は
まぎれもなくあの子の首だった…
…つづく