健一くん
恵子ちゃん!
健一くん
無視しないでよ
恵子
どうせまた私のことバカにするんでしょ?そんな奴と喋りたくない!
健一くん
僕はバカになんて…
直樹
恵子、まだ俺のこと好きなんでしょ?いいよ、何度でも告れよ。そしたら何度でもフってやるからよ!
辰也くん
ああ、俺も見とどけるぜ
直樹
なぁ、健一?チョーおもしろくね?こいつ
健一くん
恵子ちゃんのことバカにするのはもうやめろよ!
健一くん
ふざけるなよ。どれだけ人の心を傷つけるんだよ!
直樹
あれ?もしかして健一、こいつのこと、好きなの?
健一くん
…そうだよ!僕は恵子ちゃんのことが好きだ!
直樹
おまえさ、そんなこと言って、自分でダサいって思わないの?
辰也くん
そーだよ。だいたい、こいつ、直樹に夢中なんだぜ
健一くん
人を好きになることの、どこがダサいんだよ!人の真剣な気持ちを踏みにじることの方がよっぽどダサいよ!
直樹
おまえ、この女のどこがいいんだよ。バカじゃねぇの?
直樹
チッ
辰也くん
おい、まてよ
恵子
健一くん…
健一くん
恵子ちゃん…
恵子
何?
健一くん
何があっても僕が恵子ちゃんを守る!だから…だから直樹じゃなくて、僕のことを好きになってよ
恵子
ありがとう…
健一くん
泣かないでよ。なんか僕がいじめてるみたいじゃんか
恵子
あ、ごめん
健一くん
ちゃんと洗濯してるから大丈夫だよ
恵子
ありがと
恵子
洗って返すね
健一くん
いいよ、気にしないで
健一くん
…なんか食べて帰りますか?
恵子
うん!
健一くん
アイスとかき氷どっちにします?
恵子
うーん。最近家でアイスばっか食べてるから、かき氷かな
健一くん
じゃあ、そうしますか
恵子
先生に見つかったら怒られちゃうよ
健一くん
…僕が無理やり誘ったことにするから心配しないでください!
恵子
健一くん、さっきからなんで敬語なの?
健一くん
あれ、ホントだ
恵子
変なの
明後日からは夏休み思い切って映画でも誘ってみようかな?そう考えながら私は健一くんの隣を歩いた。