一覧ページ

サポートセンター

第1話 - サポートセンター

394

2017年12月02日

#ホラー

新星一

当サポートのご利用ありがとうございます

間も無く担当者にてご対応させていただきます

このまましばらくお待ちください

サポートシステムにアクセス中

サポート担当 : 小林

大変お待たせいたしました

サポート担当 : 小林

今回担当させていただきます、わたくし小林と申します

サポート担当 : 小林

どうぞよろしくお願いいたします

NR350472

あ、どうも

サポート担当 : 小林

それでは早速ですが、ご対応を始めさせていただきます

NR350472

はい

サポート担当 : 小林

途中、ご不明点などございましたら、お気軽にご質問ください

NR350472

はい

サポート担当 : 小林

まずは、このたびはまことにおめでとうございます

NR350472

はあ‥

サポート担当 : 小林

出発先の確定までに、いくつかお選び頂く選択肢がごさいます。

サポート担当 : 小林

お客様にとって、重要な選択とはなりますが、極力深く考えずにお選びいただければと思います

NR350472

‥あの、

NR350472

すいません、早速質問なんですが、

サポート担当 : 小林

はい、承ります

NR350472

ちょっと、状況が掴めていない、といいますか、

出発ってのも、正直何のことやらでして、

サポート担当 : 小林

かしこまりました

サポート担当 : 小林

ご安心ください、
ほとんどの方が疑問をお持ちになられますので

NR350472

はあ‥

サポート担当 : 小林

「出発」とは、転生先へ進んでいただく事を指しております

NR350472

テンセイ先‥？

サポート担当 : 小林

はい、
つまりは生まれ変わりでございます

NR350472

はあ‥

NR350472

‥生まれ変わり、ですか

サポート担当 : 小林

さようでございます。

そして、我々はお客様の転生先確定までのサポートをさせていただく窓口でございます

NR350472

そうですか‥

なんというか、

NR350472

その、
あまり信心深い方では無いといいますか、
そういったお話でしたら、特に興味は無いところでして‥

サポート担当 : 小林

あ、いえいえ、
そういった勧誘の類いなどのお話ではございませんので

NR350472

あ、はぁ

サポート担当 : 小林

これから詳しくご説明させていただきます

NR350472

あ、それと、

NR350472

この名前のとこのNR350‥‥ってのは、

サポート担当 : 小林

はい、そちらはお客様固有のコードでございます

NR350472

固有のコード、ですか。

サポート担当 : 小林

はい、
お客様を便宜的に表す文字および番号となります

サポート担当 : 小林

初回のサポート時のみシステムの都合上、お客様のコードを表示させていただいております

NR350472

はあ、
ま、それはなんとなく分かりました

サポート担当 : 小林

ご不便をおかけいたします

サポート担当 : 小林

よろしければ、任意のユーザー名をご指示頂ければ、こちらで表示を変更させていただく事も可能でございます

NR350472

ユーザー名、ですか

NR350472

ん〜と、

NR350472

じゃあ、普通に名前とかでもいいですか？

NR350472

あれ、

サポート担当 : 小林

名前、
でございますか、

NR350472

はい、
あれ、ちょっと待ってください‥

NR350472

自分の名前ですが、
あれ、えーと‥

サポート担当 : 小林

お客様、申し訳ありません

NR350472

いや、何かすぐ出てこなくて笑
自分の名前が、、

サポート担当 : 小林

はい、存じております
それが正常でございますので、どうかご安心ください

NR350472

え

NR350472

いや、流石にそれは、、

サポート担当 : 小林

いえいえ、
至極普通の事なのでごさいます

サポート担当 : 小林

そして今のお客様と同じように戸惑われる方も多くございます

NR350472

はあ、

サポート担当 : 小林

現在のお客様は、転生前‥‥つまり生まれ変わり直前の状況におられますため、

サポート担当 : 小林

特にお客様を呼称する固有の名称などは存在いたしません

NR350472

生まれ変わり直前とはまた、

NR350472

あまり、ピンときませんが

サポート担当 : 小林

はい、ごもっともでございます。
そのため、皆様が迷われぬよう、我々のサポート窓口がございますので、どうかご安心ください

NR350472

はあ、
そうですか、

NR350472

まあ、とりあえずユーザー名といっても思いつかないので、適当に付けていただけますか。

サポート担当 : 小林

かしこまりました
過去によく使われる一人称に変更をさせていただきます

サポート担当 : 小林

そのまましばらくお待ちください

サポート担当 : 小林

そのまましばらくお待ちください

ユーザー名を変更中‥

ユーザー名変更済み

サポート担当 : 小林

お待たせいたしました

自分

あ、はい

自分

あ、変わりましたね

サポート担当 : 小林

はい、こちらの表示でよろしいでしょうか

自分

あ、はい、
何やらしっくりきます

サポート担当 : 小林

ありがとうございます

サポート担当 : 小林

その他よろしければお話を進めさせていただきます

自分

そうですね、
勧誘などでは無いのでしたら、

まあ、不明な事だらけですが、ひとまずお話を伺います

サポート担当 : 小林

ありがとうございます

サポート担当 : 小林

それでは「転生」について概要説明をまとめたものがごさいますので、まずはそちらをご覧ください

サポート担当 : 小林

数分で終わりますので、終わりましたらこちらからお声掛けさせていただきます

自分

あ、はい

概要説明準備中‥

「転生」について

「転生」は、正式には輪廻転生、または転生輪廻とも呼ばれます

寿命を終えた生命が魂となり、再び現世へと出発されるための通過点となります

そう、あなたたちはこれからまさに転生をされる魂そのものなのです

そして、これから出発される転生先については、

自らが選ぶ事はできません

しかし、転生前に選択を求められるいくつかの選択肢により、

転生先が確定いたします

選択肢については、あまり深く考えず、直感でお選びください

自ずと相応しい転生先が示されることとなりますから

それでは、

素敵な転生先への出発となりますように‥‥

サポート担当 : 小林

お客様、

サポート担当 : 小林

概要の説明内容はいかがでしたでしょう

自分

あ、はあ

自分

何とか意味は理解できたと思いますが‥

サポート担当 : 小林

かしこまりました

サポート担当 : 小林

それでは次のステップへ進めさせていただきます

サポート担当 : 小林

これより、概要説明にもございましたいくつかの選択肢が表示されます

サポート担当 : 小林

この選択により、転生先が確定される事となります

自分

はい

サポート担当 : 小林

なるべく直感でお選びいただければ、ご自身に一番ふさわしい転生先が見つかりますので、

サポート担当 : 小林

どうか、リラックスしてお選びいただければと思います

自分

はい、了解しました。
まあ多少緊張してますが、

自分

ん？

自分

ニュース速報‥？

サポート担当 : 小林

あ、はい
他のお客様の出発先が確定されたようですね

サポート担当 : 小林

今の時間帯はいささか混み合っておりまして、何名かのお客様が当サポートをご利用いただいております

自分

なるほど、そうでしたか

自分

しかしまた、第2王子とは、景気のいい話ですね

サポート担当 : 小林

え、ええ、
確かにおっしゃる通りですね

サポート担当 : 小林

ちなみにお客様、
「第2王子」とはどのような存在か、ご存知なのでしょうか

自分

え

自分

あ、はあ、まあその、
なんとなくですけども、

自分

えっと、
あれ、
うまく説明ができませんが、

自分

何となく、うらやましいような感じがしたというか、

サポート担当 : 小林

さようでございましたか

サポート担当 : 小林

いや、確かに、
「王子」、「王様」、「女王」などといった存在は一部の者から見るとうらやましい存在である事は間違い無いのですが、

サポート担当 : 小林

それよりも、
お客様自身が、「うらやましい」と感じられた事に少々驚きまして

自分

はあ、

自分

といいますと？

サポート担当 : 小林

はい、
そもそもこちらに来られるお客様は、「前世」の記憶や感情を持ち込まれない方が大半でごさいまして

自分

はあ、

自分

持ち込まれない、ですか

サポート担当 : 小林

ええ、

サポート担当 : 小林

そういった類の情報はこちらに来られる時点で消えてしまう事が一般的でございます

自分

はあ、

サポート担当 : 小林

もちろん、当サポートの既知事例として、そういった方もおられなくはないのですが、

サポート担当 : 小林

非常に珍しい事でございまして、
こちらではそういった方々を「ニシュウメ」、「サンシュウメ」とお呼びする事もございます

自分

あ、あの、

サポート担当 : 小林

はい

自分

何というか、それは、
あまり良くない事なのでしょうか‥

サポート担当 : 小林

いえいえ。とんでもございません

サポート担当 : 小林

むしろ、転生先では大いにご活躍され、成功される方が多いのでございますよ

自分

おお、
それはまた、
そうですか

サポート担当 : 小林

ええ、
まあもちろんそれはあくまで他から見た評価のようなものですので、

サポート担当 : 小林

当事者となると、どのように感じられるかは私どもにも計りしれないものではございますが

自分

まあ、

自分

そんなものですかね

サポート担当 : 小林

お客様、大変失礼いたしました。
少々サポートから逸れたお話をしてしまいまして

自分

あ、いえいえ、
多少気分もほぐれましたし

サポート担当 : 小林

それはそれは、何よりでございます

サポート担当 : 小林

それでは改めまして、
選択肢表示へと進めさせていただきます

自分

はい、

自分

よろしくお願いしま、

自分

あ、また速報

サポート担当 : 小林

ええ、
また別のお客様が確定されたようですね

自分

マッコウクジラ‥

自分

クジラ、とはまたどこかで聞いた事のあるような響きだ‥

自分

ああ、
何かイチイチ先に進まないですね、ごめんなさい

サポート担当 : 小林

いえいえ、
とんでもございません

サポート担当 : 小林

こういった機会もまた珍しい事でございますので、よろしいのではと

サポート担当 : 小林

ちなみに「クジラ」でございますが、
それはそれは大半のモノから見ると大きな存在でございまして、

サポート担当 : 小林

はたまた彼ら自身ときたら、常に仲間と群れをなし、大海原を自由に泳ぎ周り、時には海流に身を任せ、気ままに時を過ごすなど、

サポート担当 : 小林

‥まあ、当事者がどう感じているのか、例によって計り知るものではございませんが、
私のような身からすると、それもまた羨ましいものでございます

自分

はあ、
そんなものですか

サポート担当 : 小林

ええ、
そんなものでございます

自分

しかし、
何となくですが、
仲間と群れをなして、ってのも良いですね

サポート担当 : 小林

ええ、
さようでございますね

自分

ああ、いや、すいません
進めてください

サポート担当 : 小林

かしこまりました。
こちらこそ本日は混み合っており、ご不便をおかけしております

サポート担当 : 小林

この後も他者様の確定情報が表示されることも考えられますが、
どうかお気にされませぬよう、よろしくお願いいたします

自分

ああ、はい

自分

なるべくそうします

サポート担当 : 小林

それではこれより選択肢の表示に移らせていただきます

そのままお待ちください

転生先選定選択肢の準備中‥

選択肢その1

これから表示される質問について、選択肢「a、b、c」の中からお選びください

質問 : あなたが生活をする場として相応しい所はどんな世界でしょうか

選択肢その1

自分

お

自分

う〜ん、

自分

あそうか、
感覚的に選ぶんだったな

自分

まあ何となく、慣れてるのはこれかなあ、

自分

転生先選定選択肢の準備中‥

選択肢その2

質問 : あなたが生活をするためには、群れで行動する事は必要？

選択肢その2

自分

う〜ん、

自分

まあ、確かに常に群れで過ごすってのも、息のつまるもんだろうけど、

自分

まあ、たまには必要、だよな、

自分

また確定か、

南アメリカ‥
またまた聞いた事のあるような、懐かしような、
アメリカ、アメリカ、

自分

う〜ん、
あめりか？アメリカ？
america？

自分

a、

自分

あ

転生先選定選択肢の準備中‥

自分

いや、みすった！

自分

ミスった、すいません間違いです！
bです！bです！

選択肢その3

自分

うわー、
いやちょっと、待って待って

自分

いやいやいや、
うわ、マジか

質問 : あなたは群の中の生活をどのようにして過ごしますか？

自分

あの、すいませーん、
一個前の設問に戻りたいのですがー

自分

もしもしー？

選択肢その3

自分

ああ、
いやとりあえずここは、慎重に

自分

そうだな、

自分

ん？

自分

うわ、何だそれ

自分

こえー、
よく分からんが恐ろしい‥

自分

ああ、いや、選択肢だったなとりあえず

自分

いやいや、面倒は御免だぞ俺は、

自分

ごくごく普通が一番に決まってるわ

サポートシムテムへアクセス中‥

自分

しかし、

自分

質問ってのはいくつあるんだ？

自分

いい加減、腹も減って‥‥

自分

こない。。

ん？

自分

何だっけか「腹が減る」とは‥

全ての選択が完了いたしました

このまましばらくお待ちください

自分

え

自分

ええ？！
いや、もう終わり！？

自分

こんなサクッと決まるもの！？

この後、転生先確定まで今しばらくお待ちください

自分

あ、すいません！
ひとつやり直したいのですがー！

一旦サポート担当にお繋ぎいたします

自分

あ、はいはい！
すんません！

サポート担当 : 小林

お客様、大変お疲れ様でした。

自分

あ、いやいや、すいません

サポート担当 : 小林

いかがでしたでしょうか？
選択肢には迷われたりしませんでしたでしょうか？

自分

あ、そうなんです、

自分

いやね、途中、
2問目かな、選択を間違えまして、申し訳ない

自分

修正をお願いしたいんですが、

サポート担当 : 小林

お客様、さようでございましたか

サポート担当 : 小林

かしこまりました。

自分

いや、申し訳ない

サポート担当 : 小林

いえいえ、
私もまだ慣れない所がございまして、
選択肢の修正方法について、しばし上席に確認して参ります

サポート担当 : 小林

このまましばらくお待ちください

自分

はい

サポート担当 : 小林

自分

いやあ、危なかった。
あれで何か面倒な役割になるようなら、一大事だ

サポート担当 : 小林

自分

えーと、
bに変更だよな。
群の生活も「時には必要」
ってやつだな

サポート担当 : 小林

お客様、

自分

あ、はいはい

サポート担当 : 小林

大変申し訳ございません

サポート担当 : 小林

私の認識不足でございまして、
残念ながら、選択肢の修正は一切受け付けていない規則でございました‥‥

自分

え

サポート担当 : 小林

申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます

自分

いや、ちょっと、

サポート担当 : 小林

それではもう間も無く転生先が確定されますので、ご準備のほど、よろしくお願いいまします

自分

え
ダメな‥の？
ミスった‥だけなんだけど‥

サポート担当 : 小林

はい、
お役に立てず申し訳ございません

自分

あと、準備‥？
な‥何を準備‥

サポート担当 : 小林

はい、先ほども記憶や感情のお話をいたしましたが、

サポート担当 : 小林

改めて今回のサポートにつきましても記憶の削除をさせていただきます

自分

い‥や、
ちょ

サポートデータ消去中‥

自分

‥ちょ‥ちが、
あ‥

サポート担当 : 小林

それではそろそろ今回のサポート対応を終了させていただきます

自分

い‥‥や‥
ま‥

サポート担当 : 小林

また何かございましたら、当サポートのご利用をお待ち申しあげます

サポートデータ消去中‥

サポートデータ消去完了

自分

‥‥‥‥

サポート担当 : 小林

それでは失礼いたします。
気をつけて行ってらっしゃいませ

自分

‥‥

自分

しばらくお待ちください

サポートシムテムを切断中‥

切断を完了しました

サポートログを記載して、サポート内容を保存してください

サポートMg : 神野

小林さん、お疲れ様でした

サポート担当 : 小林

あ、神野マネージャお疲れ様です

サポートMg : 神野

どう？
だいぶ慣れてきた？

サポート担当 : 小林

いや、まだまだです

サポートMg : 神野

まあ、数こなせばすぐに慣れるから、そこは。

期待してるよ！

サポート担当 : 小林

はぁ、
そんなもんですか。

サポートMg : 神野

で、
今回のはニシュウメだったってな

サポート担当 : 小林

ええ、そうみたいなんですよね

サポートMg : 神野

クラスは？

サポート担当 : 小林

NRですね

サポートMg : 神野

NR‥
ノーマルレアかぁ

サポートMg : 神野

まあ、残念ではあるかな。
二周目も人間で、

って可能性もあったからなあ。

サポート担当 : 小林

はい。
サポート力が及ばず、という所です。。

サポートMg : 神野

いやいや、
そこは気にしないように！

サポートMg : 神野

あくまで選択してるのはお客様なんだからな。
それに、わきまえも必要だよ。

サポート担当 : 小林

はあ、
了解です。

サポートMg : 神野

ログは残し終わった？

サポート担当 : 小林

はい、今まさに保存した所です。

サポートMg : 神野

うし、
んじゃそろそろ確定でんな。
いやまあ、お疲れ。

サポートMg : 神野

そろそろ定時だ。
金曜だし、さっさと飲み行くぞ

サポート担当 : 小林

了解です。
日報出したら支度しますんで

サポートMg : 神野

ういー、よろしこ

サポートMg : 神野

サポート担当 : 小林

サポートシステムをシャットダウンします‥

本日の業務もお疲れ様でした

サポートシステムをシャットダウン中‥

この作品はいかがでしたか？

394

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

新星一

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

サポートセンター

第1話 - サポートセンター

作者の他の作品すべて見る

#ホラーの新着小説
一覧

関連するタグ

サポートセンター

第1話 - サポートセンター

作者の他の作品すべて見る

#ホラーの新着小説一覧

関連するタグ

#ホラーの新着小説
一覧