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私とお兄さん

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私とお兄さん

1 - 私とお兄さん

♥

143

2019年11月11日

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私はある日

不思議なお兄さんに出会った

一樺(イチカ)

えーっと…

一樺(イチカ)

卵、牛乳、鶏肉、ケチャップ…

一樺(イチカ)

今日はオムライスかなぁ…

私はお母さんにおつかいを頼まれていた帰りだった

一樺(イチカ)

フフッ、楽しみ♪

「おーい、そこのお嬢さん♪」

一樺(イチカ)

…?

お兄さん

そんな大荷物を持ってどうしたの?

一樺(イチカ)

…誰ですか

お兄さん

え?僕は通りすがりのお兄さんさ(。・`ω・´)キラン☆

一樺(イチカ)

(明らかに怪しい…)

一樺(イチカ)

お兄さん

あ、あれ?

一樺(イチカ)

だーれーかーッ!たすけてーッ!

お兄さん

えぇっ?!ちょ(((

一樺(イチカ)

たーすーけーてーッ!

お兄さん

ちょ、やめてやめて!僕怪しくないからッ!

一樺(イチカ)

だーれーかーッ!

お兄さん

アワアワ…

お兄さん

ぼ、僕は、君とお友達になりたいんだッ!

一樺(イチカ)

…え?

お兄さん

僕、ここら辺に住んでるんだけど…

お兄さん

君、いつも1人だよね?

一樺(イチカ)

なんで、それを…?

お兄さん

僕が登校する時間と、君が登校する時間が
被るからよく見かけるんだ

お兄さん

友達…いないの?

一樺(イチカ)

…いらない、友達なんて

お兄さん

…え?

一樺(イチカ)

私には、友達なんていらない

お兄さん

どうして?

一樺(イチカ)

…裏切られたこと、あるから

お兄さん

裏切られた…?

そう、私はあの日裏切られた

真友に

(元)真友

一樺ー!こっちこっち!

一樺(イチカ)

待ってよー!

私が、最も誰よりも信頼していた真友

毎日が楽しかった、かけがえのない日々だった

でも…

そんな夢物語は、すぐに砕け散った

とある日の放課後

一樺(イチカ)

(今日もあの子と一緒にかーえろ!)

「~~」

一樺(イチカ)

(…誰か、いる?)

私はそっと教室のドアを開け、覗いて見た

クラスメイト

ホンットにあの子うざいよねぇ

クラスメイト

それなぁ、マジで消えて欲しいわ

一樺(イチカ)

(陰、口…一体誰n((()

(元)真友

ホント、一樺ってば鬱陶しいわ

一樺(イチカ)

(…え?)

クラスメイト

そーいや一樺の真友(笑)だったんだっけ?

(元)真友

そーそー‪w

(元)真友

あの子結構顔良いじゃん?だから
近寄ったら私もモテるのかなーって‪w

クラスメイト

うわー‪w、悪い女‪w

一樺(イチカ)

(う、そ…)

クラスメイト

でも実際モテてるよね‪w

(元)真友

そーなの!一樺に出会う前は告られたこと1度も
無かったんだけどさぁ

(元)真友

一樺と仲良くしてたら告られるようになったの!‪w

クラスメイト

そのおかげで学校一のイケメンにも
告られて彼氏ゲットしたんだよね‪w

(元)真友

こういう時だけ一樺万々歳だわ‪w

一樺(イチカ)

(なん、で…嘘でしょ…?)

一樺(イチカ)

(私…)

裏切られてたの…?

ガタンッ

(元)真友

誰ッ?!

一樺(イチカ)

(ヤバ…ッ)

(元)真友

いち…か…?

一樺(イチカ)

クラスメイト

もしかして、今の聞いてて…

一樺(イチカ)

(元)真友

い、今のはちょっとした冗談だよッ!💦

あーあ、焦っちゃって

そうやって“ご機嫌取り”をしてたんだね

一樺(イチカ)

…偽善者((ボソッ

(元)真友

…は?

一樺(イチカ)

偽善者ぶってたんだね

一樺(イチカ)

…嘘つき

クラスメイト

ちょ、やばいよ…

(元)真友

(元)真友

アッハハハハ!

(元)真友

そうよ!私は今までアンタを利用して偽ってた!

(元)真友

それの何が悪いのよッ?

一樺(イチカ)

…ッ

(元)真友

そもそもねぇ、私はアンタのそういういい子
ぶってるのが大っ嫌いだったのよッ!

(元)真友

いつもいつも男子たちにチヤホヤされて…ッ
憎たらしいったらありゃしないッ!

(元)真友

アンタに復讐できた気分で清々しいわッ!

(元)真友

(元)真友

バレたんなら仕方ないわ

(元)真友

これからたーっぷり…

(元)真友

(元)真友

遊んでアゲル♪

一樺(イチカ)

まさかこんなゲスを信用してたなんてね…

人を見る目腐ったかな、私

まぁ、もうそんなことはどうでもいい

元から私に「友」なんて必要無かった

アイツも本性出したんなら

私もいいよね?

一樺(イチカ)

一樺(イチカ)

…勝手にしろ

クラスメイト

ヒッ…

私はギロリと元真友とクラスメイトを睨みつける

一樺(イチカ)

…さようなら

一樺(イチカ)

ゲス共((ボソッ

ひっそりと私はそう言い残し

悪夢と言う名の教室を後にした

一樺(イチカ)

一樺(イチカ)

と、まぁそういうわけです

お兄さん

そうだったんだ…

私はいつの間にか近くの公園のベンチに腰をかけ、 洗いざらい怪しいお兄さんに話していた

お兄さん

…なんか、その気持ちわかるかも

一樺(イチカ)

…え?

お兄さん

僕ね、妹がいるんだ…ちょうど君くらいの歳の

一樺(イチカ)

そう…なの?

お兄さん

その妹も…

お兄さん

友達に裏切られて、虐められてたんだって

お兄さん

お兄さん

僕は、それに気付けなかった

一樺(イチカ)

その、妹さんは…?

お兄さん

今は心を閉ざして、人を信用しなくなったよ

一樺(イチカ)

私と、同じ…

お兄さん

笑顔も、感情も、いつしか絶えてしまった

お兄さん

兄失格だな…ッ

そう言ってお兄さんは手で顔を覆う

一樺(イチカ)

(…泣いて、る?)

お兄さんの手には、涙が伝っていた

お兄さん

だからなのかなぁ…

お兄さん

どうしても、君を放っておけなかった

一樺(イチカ)

一樺(イチカ)

お兄さんは、悪くないと思う

お兄さん

え?

一樺(イチカ)

多分、その妹さんは…

一樺(イチカ)

一樺(イチカ)

お兄さんに、家族に、心配かけたくなかったんだと思う

お兄さん

そうかな…?

一樺(イチカ)

私が、そうなんですから当然です

一樺(イチカ)

妹さん、助けてあげてください

一樺(イチカ)

お兄さんなら、出来ると思います

お兄さん

…アハハッ

一樺(イチカ)

な、何笑ってるんですか…

お兄さん

いや…ククッ、なんかね…クククッ

お兄さん

僕が君を励まそうとしたのに

お兄さん

逆に励まされちゃったなぁって

そう言ってお兄さんはふにゃっと笑う

その日、私達は笑い合った

今までの辛い事、苦しい事、全て忘れてしまうくらいに

お兄さん

わ、いつの間にか暗くなってきちゃったね

一樺(イチカ)

うん…

お兄さん

ごめんね?おつかいの帰りだったのに

一樺(イチカ)

ううん、大丈夫

一樺(イチカ)

ありがとう、お兄さん

そう言って私は笑う

こんなに笑ったのはいつぶりだろうか

久しぶり過ぎて顔が筋肉痛になりそうだ

お兄さん

…よかった

お兄さん

さて、そろそろ帰ろうか

一樺(イチカ)

うん!

お兄さん

…バイバイ

一樺(イチカ)

バイバイ

別れを告げ、私は歩き出す…

一樺(イチカ)

一樺(イチカ)

一樺(イチカ)

お兄さんッ!

お兄さん

…ん?

一樺(イチカ)

お名前ッ…お名前教えてッ!

お兄さん

お兄さん

お兄さん

零(レイ)

僕の名前は、零(レイ)だよ

一樺(イチカ)

零お兄さん…

一樺(イチカ)

私ねッ!一樺(イチカ)って言うの!

一樺(イチカ)

また、会えるかな?

零(レイ)

…うん

零(レイ)

一樺ちゃんが、願ってくれれば会えるよ

零(レイ)

きっと

一樺(イチカ)

うん!

それが

私と零お兄さんが

初めて出会った日

それから、私達は週に4回ほど

あの公園で話すようになった

一樺(イチカ)

それでね?数学の先生が___

零(レイ)

アハハッ、それは無いって〜‪w‪w

零お兄さんと過ごす時間は

私にとってかけがえのないものになり

唯一の居場所になっていた

それから数年が経ち

私も高校2年生になった

⚠出会ったのは小6の時です

零(レイ)

あれ、一樺ちゃんまた背伸びた?

一樺(イチカ)

え、そうかな?

零(レイ)

もう僕の肩くらいだよ

零お兄さんはそう言って背比べをする

一樺(イチカ)

ホントだ…!

一樺(イチカ)

でも…

一樺(イチカ)

一樺(イチカ)

零お兄さんは、出会った日から全く変わってないよね?

零(レイ)

えッ…そ、そうかな…

零(レイ)

僕もう成長期過ぎたからかなぁ…

零(レイ)

これ以上背伸びないかも‪w

一樺(イチカ)

アハハッ、どんまーい‪w

零(レイ)

あ、他人事みたいに言って〜

零(レイ)

僕はそんな子に育てた覚えはありませんッ!

一樺(イチカ)

零お兄さん私の親じゃないでしょ‪w

零(レイ)

アハハ‪w

一樺(イチカ)

フフフッ‪w

「おーい!一樺ー!」

一樺(イチカ)

あれ?真紀ちゃん!

零(レイ)

…お友達?

一樺(イチカ)

うんッ!

一樺(イチカ)

高校に入学してからね、友達が出来たんだ!

零(レイ)

そうなんだ…ッ!

一樺(イチカ)

…?

私は何故か違和感を感じた

今まで相談に乗ってもらってきた零お兄さんだけど

その笑顔は…どこか変だった

まるで…そう

妹の成長に喜びを 感じているかの様に

友達

一樺ー!これからス〇バに行かなーい?

一樺(イチカ)

えッ…

私はちらっと零お兄さんの方を向く

零(レイ)

僕のことはいいよ、行っておいで

一樺(イチカ)

うん!

一樺(イチカ)

それじゃあね!

一樺(イチカ)

零お兄さんッ!

零(レイ)

…うん

私は零お兄さんに別れを告げ、友達の元へ走った

零(レイ)

(…これでもう、思い残すことは無い)

零(レイ)

(随分長居しちゃったな…)

零(レイ)

僕はいつまでも、君の幸せを願っているよ

零(レイ)

…さようなら

零(レイ)

零(レイ)

一樺

フワッ…

一樺(イチカ)

…?

私はふと、後ろを振り返る

一樺(イチカ)

零、お兄さん…?

手を振ってくれていた零お兄さんの姿は

消えていた

きっと帰ったんだろうと一瞬思った

でも…

何かが違う気がした

もう、会えなくなってしまう様な気がした

一樺(イチカ)

…?

私は違和感を感じながら

友達の元に向かった

一樺(イチカ)

ねぇ、お母さん

私はふと、お母さんに聞いてみた

お母さん

なに?一樺

一樺(イチカ)

ここら辺に、零って言う男の人住んでない?

お母さん

…れ、い?

一樺(イチカ)

うん、実は最近お世話になってるお兄さんなんだけど…

お母さん

…ポロポロ

一樺(イチカ)

え、ちょお母さん?!

お母さんが突然泣き出した

お母さん

ホントに、その人の名前は零だったの…?

一樺(イチカ)

うん…

お母さん

お母さん

お母さん

そろそろ、話すべきなのかもしれないわね

一樺(イチカ)

なにを…?

お母さん

いい?よーく聞いてちょうだい

__________

_____

___

一樺(イチカ)

え…?

一樺(イチカ)

嘘、でしょ…?

お母さんの話によると…

「零と言う人間はこの街にはいない」

「零は…」

「亡くなった一樺の兄だ」

これはもう10年以上前のこと

私は2、3歳くらいの歳で 零お兄さんは6、7歳くらいの頃だった

家族4人、仲良く外出をしていたとき

私が信号が赤に変わるギリギリに 横断をしようとした

そのときにトラックが走ってきて

零お兄さんはきっと私の危険を 親よりも先に感じ取ったのだろう

私の背中を押し

私の身代わりとなり 亡くなった

零お兄さんは、妹である私を家族で1番可愛がっており また、私も零お兄さんに特に懐いていた

そんな私を守るため、身代わりになったんだと言う

一樺(イチカ)

(じゃあ…)

一樺(イチカ)

(零お兄さんの妹って…私?)

一樺(イチカ)

(確かに私と全く同じことを言っていた)

一樺(イチカ)

零、お兄さん…ッ

ポロポロと私も涙を流す

出会った日、零お兄さんが涙を流した様に

私も手で顔を覆い、泣いた

一樺(イチカ)

(零お兄さん…ありがとう…)

零お兄さんが私に教えてくれたこと…全部全部

忘れないから…ッ

零(レイ)

僕はずっと、一樺の味方だよ!

そう言う零お兄さんが

どこかにいる気がした

❦ℯꫛᎴ❧

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143

コメント

95

ユーザー

泣ける( i꒳​i ) まさかお兄さんだったなんて…(´;ω;`)

ユーザー

しずたん・・・天才だよね?

ユーザー

いいお話◎短編でまとめれるの尊敬

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