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主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
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第107話『気づいてしまった形』
違和感は、音もなく忍び寄っていた。
それは痛みじゃない。
記憶が抜け落ちた時の空白とも、少し違う。
――“遅すぎる”という感覚。
いるまの影は、夜明け前から落ち着かなかった。
理由は分からない。
だが、胸の奥――いや、存在の核に近い部分が、ざらついている。
いるまの影
独り言のように呟く。
“兆候”ではない。
“結果”に近い感覚だった。
もう、猶予がない。
こさめの影も、同じだった。
こさめの影
誰にともなく言う。
守られているはずの主が、“守られすぎて壊れていく”未来。
それを、影である自分たちが直感している。
こさめの影
こさめの影は、言葉を飲み込んだ。
“二度と戻らない”。
その確信だけが、重く残る。
いるまの影
影は、主に尋ねる。
先程から、いるまは何か考えているように見える。
こさめの影
こさめの影も、そう呟く。
こさめは大丈夫だよ、と言うように影の頭を撫でてやる。
いるま
こさめ
こさめは、撫でていた手を止める。
こさめも、影たちも首を傾げ、次の一言を待つ。
いるま
視線は真っ直ぐだった。
躊躇はある。
だが、迷いはない。
いるま
こさめは、少し黙る。
その間に、頭の中で最悪の展開をいくつも想像した。
らんが傷つく可能性。
壊れる可能性。
そして――それでも、何もしないよりはマシだという結論。
こさめ
小さく笑って、言う。
こさめ
こさめ
任せたよ。
それは、信頼だった。
いるまは、何も言わずに頷いた。
ノックの音は、控えめだった。
らん
中から、いつも通りの声。
らん
ドアを開けると、らんはベッドの上に座っていた。
本を閉じ、首を傾げる。
らん
いるま
いるまは、遠慮なく部屋に入り、ベッドの端に腰を下ろした。
距離が近い。
それは、意図的だった。
スマホを取り出し、操作する。
いるま
いるま
淡々とした声。
いるま
らんは、きょとんとする。
らん
いるま
画面をこちらに向ける。
いるま
らんは、少し考えてから頷いた。
らん
動画が再生される。
画面の中には――楽しそうに笑う自分。
ドッキリを仕掛けられて、呆れた声を出す自分。
深夜テンションで、意味不明なことを口走っている自分。
らん
らんは、思わず笑った。
らん
懐かしさが、胸をかすめる。
確かに――思い出せそうな“感じ”はある。
触れれば、戻る気がする。
でも。
らん
何も、変わらなかった。
胸の奥が、動かない。
映像は楽しい。
感情もある。
なのに――“繋がらない”。
その瞬間。
影は、すでに動いていた。
主が“扉に触れた”ことを察知し、 先回りする。
余計なことをするな。
低く、鋭い意思。
――閉じる。
記憶の、その先を。
らん
らんは、反射的にこめかみを押さえた。
来る。
いつもの、あの痛み。
――でも。
来なかった。
正確には、“来たとしても、すぐ消えた”。
らん
拍子抜けした声。
いるまは、その様子を見逃さない。
いるま
低く呟く。
いるま
視線が、鋭くなる。
いるま
らん
らんは、素直に頷いた。
らん
らん
その言葉に。
いるまの表情が、はっきりと変わった。
いるま
睨むような視線。
いるま
一拍、間を置く。
いるま
らんは、息を呑んだ。
らん
思わず、復唱する。
らん
いるま
低い声。
いるま
言葉は、容赦がなかった。
いるま
一歩、踏み込む。
いるま
らんは、言葉を失う。
いるま
いるまは、真っ直ぐに見る。
いるま
逃げ場は、与えない。
いるま
沈黙。
その中で――らんは、ようやく“違和感の正体”に気づいた。
影を、見た。
はっきりと。
そこに“ある”はずのものが、ない。
自分には、腕がある。
でも――影には、ない。
欠けている。
存在が。
らん
声が、震える。
初めてだった。
影が、“影の形をしていない”と認識したのは。
空白が、確かにそこにあった。
らんの視線が、ゆっくりと影に落ちる。
逃げ場は、もうない。
影は、何も言わなかった。
言えなかった。
それでも――その欠損が、すべてを語っていた。
守るために。
奪って。
壊れて。
そして、まだ立っている。
らんの胸が、痛む。
――これは。
自分が知らない間に、起きていたこと。
気づいてしまった以上、もう――戻れない。
夜は、静かだった。
だがその静けさは、嵐の前触れのように、張り詰めていた。
第107話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡350
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コメント
1件
いるまくんナイスすぎ、、😭 らんらん頑張れ!!