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祝福という名の呪い

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祝福という名の呪い

1 - 祝福という名の呪い 第1話

♥

2,030

2020年11月19日

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ガヤ…ガヤガヤ…

ニイナ

ねー、お母さん、焼きそば食べたい!

お母さん

え?ニイナたこ焼き食べるんじゃなかったの?

ニイナ

でも、焼きそばおいしそうなにおいする~!

お母さん

じゃあ、たこ焼きは我慢だよ

ニイナ

やったー!

ニイナ

おじさん、焼きそばふたつください!

屋台のおじさん

あいよ!

屋台のおじさん

浴衣がよく似合ってるね

ニイナ

ありがとう!

ニイナ

おばあちゃんが着せてくれたの!

アツアツの焼きそばを、ふたつ受け取る…

お母さん

ほら、ちゃんと座って食べなさい

ミノル

あー、おねえちゃんの焼きそばのほうがおいしそう!

ニイナ

えー?一緒だよ

ミノル

おにく多いよ!

ミノル

ぼくのほうが少ない!

ニイナ

…分かったよ、交換ね!

ミノル

やったー!

ニイナ

(もう…ミノルってば)

ニイナ

(でも、お姉ちゃんだし、仕方ないよね)

ニイナ

いただきます

ミノル

いただきまーーす!

ミノル

おねえちゃん、おいしいね!

ニイナ

うん、おいしいね!

──その晩──

ニイナ

…ぅうっ

ニイナ

気持ち悪…

込み上げる吐き気に、思わず布団に嘔吐する

ニイナ

ゴホッ、ゲホッ…

ガバッ

お母さん

ニイナ!?

ニイナ

お母さん…ううっ

お母さん

…ミノルっ!!

ニイナ

嘘…っ!

ミノル

…………

ニイナ

(白目むいてる…)

ニイナ

(それにこんなに痙攣して…!)

ニイナ

う…っ、ゲホ……

何度も何度も吐いて…

私は意識を失った…

ニイナ

…ここ、どこ…?

おばさん

ニイナちゃん、分かる?

ニイナ

板倉のおばさん…?お母さんのお姉ちゃん…

おばさん

そう、よかった…目が覚めた

おばさん

待ってね、すぐに先生呼ぶから

おばさんはナースコールを押した

しばらくして…

お母さん

ニイナ!

お父さん

よかった、目が覚めたんだな!

ぎゅっ

お父さん

もう大丈夫だからな

お母さん

そう、大丈夫

ニイナ

うん…っ

ニイナ

(ふたりの腕、あったかい)

ニイナ

(いつもだったら恥ずかしいけど、今は嬉しい)

看護師

すみません、関川さん

お父さん

はい

看護師

すぐに来てください…!

お母さん

ごめんね、ニイナ、またくるから…!

ニイナ

…うん、分かった

ふたりは早足で病室を出ていく…

おばさん

ニイナちゃん、何かあったらおばさんに言ってね

ニイナ

おばさん、お母さんたち、ミノルのところにいったの?

おばさん

…ごめんね

おばさん

さみしいわよね

ニイナ

ううん

ニイナ

ミノルはまだ小さくて甘えん坊だから

ニイナ

一緒にいてあげてほしい

おばさんの目が一気に潤んだ…

おばさん

もう少し寝てなさい、何かあったら、起こすから

ニイナ

うん

ニイナ

おやすみなさい、おばさん…

…………

ニイナ

…んん?

ニイナ

お父さん、お母さん…?

お父さん

…ニイナ、気分は?

ニイナ

だいぶいいよ

ニイナ

ミノルについてなくていいの?

ニイナ

目が覚めていなかったら、きっと大泣きするよ

お母さん

お母さん

ニイナ、よく聞いてね

お母さん

ミノルはね、死んだの

その言葉の意味が、私にはわからなかった…

…入院している間にミノルのお葬式が終わっていたし

家に戻ったら、ほんのちいさな骨つぼになってしまった

ミノルの幼稚園の友達は、たまに「あーそぼ」とやってきた

ニイナ

(幼稚園くらいだと、死ぬって分かんないんだ…)

その度に家族で泣いた……

ニイナ

お母さん、何してるの?

ニイナ

それ、お刺身でしょ?

お母さん

そう。生ものだからね、火を通してるのよ

ニイナ

(みんな、変わっちゃった)

ニイナ

(私とミノルが食中毒になってから)

ニイナ

明日、学校にいってもいい?

ニイナ

そろそろ宿泊学習だし

お母さん

何言ってるの、まだゆっくりしなさい

ニイナ

(まだって…もう9月だよ…)

ニイナ

(2か月も経ってる…)

お母さん

お茶も冷めたから飲んで。ご飯待ってなさい

ニイナ

分かった…

大きなポットに入った麦茶を持ってリビングに行く

ニイナ

(学校にも行けない)

ニイナ

(飲むのも、お母さんかおばあちゃんが沸かした麦茶だけ)

ニイナ

(ご飯も、外食とか絶対しなくなった…)

おばあちゃん

ああ、ニイナいいところに

ニイナ

おかえり、どこに行ってたの?

おばあちゃん

いいところ

おばあちゃんは子どもみたいににっこりと笑った

おばあちゃん

この水、飲んでみて?

ニイナ

(なんだろう…星のマークが書いてある)

ごくっ、ごくっ、ごくっ

お母さん

あ、お義母さん、それこの間のお水ですか?

おばあちゃん

そうそう

お母さん

ニイナ、どう?

ニイナ

え…?おいしいお水だけど…

おばあちゃん

やっぱり、ニイナにはあってるんだわ…

おばあちゃん

このお水、買わないとね

おばあちゃんはすぐ誰かに電話をした

おばあちゃん

──はい、はい!ありがとうございます!

ニイナ

(何話してるんだろう…)

おばあちゃんが笑顔のまま電話を切る

おばあちゃん

──すぐにお水とお像様届けてくれるって!

お母さん

じゃあ、準備しないとですね

ふたりはおもむろに仏壇に手をかけ──

バキッ!

ニイナ

お母さん!?おばあちゃん!?何してるの!?

ニイナ

なんで仏壇を壊すの!?

おばあちゃん

これはもういらないんだよ

ニイナ

ミノルもいるのに!

お母さん

そんなのはね、意味がないの

お父さん

ニイナ、これはニイナのためだよ

ニイナ

あっ、おとうさ──

ニイナ

…!?

帰ってきたお父さんは、真っ白い着物の女の人をつれてきた

ニイナ

だ、だれ…?

先生

…仏壇はお捨てなさい

先生

悪い気が溜まっているのが見えます

ニイナ

(あの人の首から下げてるペンダント、お水に書いてあったマークだ…)

先生

これで、きっとあなたたちの一族の魂は救われます

ニイナ

(なにあれ…ただの木の像を、仏壇のあったところに置いてる…)

おばあちゃん

先生、これが孫のニイナです

先生

ああ、光の水を早速飲んだんですね

お母さん

お分かりになりますか!

先生

まだ、腹部に不浄が見えますが、胸のあたりに光が…

先生

準備するように言っていたものは、用意できていますか?

おばあちゃん

はい!

先生が着物の袖から御札を取り出す

ニイナ

(あの御札、おじいちゃんとかミノルの名前が…)

ニイナ

血で描いてある…!?

先生

よく書けています

先生はおばあちゃんから御札を受け取ると

木の像に空いている穴に、ひとつひとつしまっていく

ニイナ

(…あんな、顔のない、訳の変わらない像を拝むの…?)

ニイナ

ミノル…

最後の1枚、ミノルの名前がしまわれる…

コトッ…

ニイナ

(私も死んだら、その中にしまわれるの…?)

その予感は、酷く恐ろしく私を包み込んだ…

祝福という名の呪い

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コメント

4

ユーザー

すごく続きが楽しみです。変な宗教に家族がはまってる!?

ユーザー
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