無能でごめんなさい。

ｶﾞﾁｬｯ、とゆっくり扉が空く。

残した食事をゴミ箱へと捨てる。

書類の提出期限が迫っていた事に気付き、引き出しに入れていた書類を取り出す。

書類の期限は明後日まで。

まぁ、全部終わらせておくか…。

ケースからペンを取り出し、ペンを持つ。

そして、書類を開いてから、書類に書き記す。

朝食が終わり、チーノが声をかけてきた。

話がある、と言われてから、自室に向かっている。

どんな話だろうか、と考えてみる。

ﾀﾞｯ

チーノが明らかに悲しそうな、暗い顔をしていた。

その為、チーノを少しでも元気づけたかった。

だから、…

もう、無理しないで欲しい

ｶﾞﾁｬｯ

確かに最近の大先生はぎこちない笑顔が多かったし、無理して笑えるように見える。

それに吐きそうなのもストレス、病気から…だとすると、完全に無理をしている。

何だ…？

この国の城は一般兵、幹部以外は居ない。

その為、大先生を傷付けられる者は限られる。

国内には様々なカフェはあるが、大先生は書類やらなんやらであまり城の外には出ない。

行きつけの店はあるものの、傷付けられたらすぐに行かなくなるはずだ。

ﾊﾞｧﾝｯ!!!!

…ゾムが期待の目をしとって断れへんかった…

力落ちとるやろな…

もう何もかもが疲れた、

なんで、幹部だからって強くなくちゃいけへんの？

なんで有能じゃなくちゃいけへんの？

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