荼毘
はぁ疲れた
サキ
ダビくん…
荼毘
あれ引き取って大丈夫な状態だったよな?
サキ
めちゃくちゃ大事なところだった……
荼毘
マジかよ
サキ
……、
荼毘
なにへこんでんだよ
サキ
…なんでだろう、
荼毘
…?
サキ
私…こうなることはわかってたのに
視界がゆらりと揺らぐ
サキ
なんで私ヴィランなんかになっちゃったんだろうっ…!
ふとした出会いで出会った爆豪勝己くん
彼はかっこよくて実は優しくて面白い人。でも彼はヒーロー。
悪いことをするヴィランを許さない立場にいる人
そして私は数々の罪のない人を殺してきたヴィラン
絶対に隣にいてはいけない立場だったのだ
ギュッ
サキ
ダビっくんっ…!
荼毘
今は……ここで泣けよ
サキ
うんっ…!
私は気が済むまでずっと泣いていた
荼毘
ちょっとは気が済んだか?
サキ
…うん
荼毘
また会いに行くのかよ
サキ
もう行けないよ笑
サキ
今私が外に出たらダビくんの命も危ないしね
荼毘
…
サキ
諦めるしかない恋だったんだよ。叶うと思っていた私馬鹿みたい笑
荼毘
なんで俺にしなかったんだよ
サキ
え?
荼毘
俺だったらずっとお前を大事に愛してやっていた。お前が傷つくくらいなら俺は…!!
サキ
ええ?だってダビくんはお兄ちゃんだもん!
サキ
恋人とかじゃなくて大切な家族だと思ってるんだ
サキ
私の1番いなくなってほしくない人だよ
荼毘
…
サキ
それでも恋人じゃなきゃだめかな?
荼毘
…違う
サキ
ん!よかった!
それから1ヶ月の間は私の話題がニュースに出ていた。
情報から考えるに、爆豪勝己くんが直接警察やヒーローに話したのではないと思う
たぶん爆豪勝己くんのお仲間。お仲間さんは絶対に私を捕まえたいはずだ
私は早くも爆豪勝己くんに会いに行きたかったけど路地裏はもう危険場になってしまう
そんな怖さで踏み出せずにいた