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君の心の獣達/参加型

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君の心の獣達/参加型

15 - 記憶の中の彼女は笑う。/次回最終話です。

♥

555

2023年09月14日

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大きな音のした方へ駆けつける。 そこでは大きな鏡?が割れていた。

犬鳴 太郎

これは…

ワラビ

…大変なことになりましたね…でもどうしてこれが…

桑ヶ谷 北莉

なぁ、これってなんだ?大変なことって…

ワラビ

このままでは、皆様を帰すことができません…もう一度あちら側へ繋げなくては…

独り言のように呟き始める 割れた鏡には 自分らの姿が映し出されている

眞上 燈李

つまり、この鏡で私たちの住む世界とこちらの世界を繋げている…そういう事なんですね〜

ワラビ

理解が早くて助かります…

犬鳴 太郎

それは本当に…大変なことになったね…

海内 夏菜

つ、つまり私たち…これが直らないと帰れないということですか、?

篠野 羽華

まぁ、それもたのしそーだけどね〜

ワラビ

…一度、1人にさせて下さい。

そう言って扉を開け、彼は去っていった

犬鳴 太郎

大丈夫、ワラビさんがどうにかしてくれる…はず。

しかしこれから何をすれば良いのだらうか 目的も特に無い。 一言で言えば"暇"になってしまったのだ。

犬鳴 太郎

…僕、ワラビさんの様子見てみる

海内 夏菜

私も行きます!

桑ヶ谷 北莉

大丈夫なのか?ソレ…

犬鳴 太郎

大丈夫、何かあれば呼ぶからさ、少し待ってて。

廊下の奥から 微かに息切れの音がする。

犬鳴 太郎

…ワラビさん?

ワラビ

っ、はぁっ、ケホッ…はぁッ、す、すこし…っ、ごほっ…まっててくださ…ケホッ、

海内 夏菜

大丈夫ですか?何があったのですか、?

犬鳴 太郎

と、とりあえず深呼吸を…

ワラビ

いえ…心配ありません…ケホッ、術を使いすぎたのか…反動が…

犬鳴 太郎

無理しないで下さい…それに、貴方が居なければ僕らは帰れませんし…

ワラビ

それもそう…ケホッ、コホッ、ですね…っ、

犬鳴 太郎

…でも、僕は帰らなくてもいいと思ってますよ。

海内 夏菜

え…?

犬鳴 太郎

いつもの学校生活に…戻りたくないんですよ

犬鳴 太郎

なんなら、全員殺して欲しかった…無かったことにしてほしかった。

ワラビ

…そうですか

闇で覆われていく。 微かに震える声が嘆いていた

犬鳴 太郎

帰さなくても、良いんですよ。

その一言はまるで 彼を救うかのような 自虐のような。

海内 夏菜

…太郎さん、落ち着いて下さい

海内 夏菜

ワラビさん、私達が帰れる方法はあるんですか…?

ワラビ

無いことはありませんが…難しい条件ですよ。

犬鳴 太郎

例えば?

ワラビ

術は、とある物を犠牲にして行うものです。皆さんの見ている幻覚は、私の記憶や体力と対価に術を使っています。

ワラビ

おかげでチラホラと、記憶には残っていませんが、私の記憶の遺物があります。

ワラビ

彼処の壁に掛けられている絵画は、恐らく私が見てきた景色でしょう。

ワラビ

そこで…あの鏡を直すには相当の対価が必要になります。

"あの鏡は特別ですから"と呟き 奥の部屋へ向かう

犬鳴 太郎

…対価になる物は、記憶や体力に限るんですか?

ワラビ

物や人物では、残念ながら…

海内 夏菜

私たちの記憶じゃ…ダメなんですか?

海内 夏菜

参加者の人達なら…

ワラビ

参加者の方々の記憶を全て奪ってしまうと、帰る意味が無いでしょう?

海内 夏菜

そう…ですね…

犬鳴 太郎

僕の記憶を全部使って、他の皆を帰すのは?

犬鳴 太郎

僕は構いません。

ワラビ

ワラビ

正直、記憶が足りません。

ワラビ

犬鳴さん。現実がお辛いのはよく分かります。しかし…

犬鳴 太郎

分かってるならここに居させてよ!!

犬鳴 太郎

戻った方が、地獄なんだよ

帰りたくないと駄々をこねる子供のように 唯、訴えた

現実とはまるで等活地獄のようであった

ワラビ

そうですか。

ワラビ

しかし…今は鏡を直すことを優先させるべきです。

海内 夏菜

でもそれは…

ワラビ

大丈夫ですよ。もう解決しましたから。

犬鳴 太郎

解決…?

何も振り返らずに 彼は廊下の先へと進んだ

声をかけると やっと此方を向いてこう答えた

ワラビ

私が1番愛した方の記憶を、消します

犬鳴 太郎

良いんですか…?

ワラビ

ええ。私が全ての元凶ですし。

ワラビ

彼女もきっと、同じ判断をしてくれます。

目を合わせられなかった 合わせた途端全てを悟ってしまいそうで。

海内 夏菜

…皆さんに伝えてきましょうか

犬鳴 太郎

そう…だね

皆、それぞれ単独行動をしている様で この場に居るのはほんの数名であった

犬鳴 太郎

潤さん!

井上 潤

!太郎くん

井上 潤

どうだった…?

犬鳴 太郎

えっと…全部説明するには時間がかかるから、皆が来てから話そうかな…

井上 潤

わかった!俺呼んでくる!

彼は本当に優しい。 人を呼ぶために すぐさま部屋を出て行った。

犬鳴 太郎

さて…僕はここに居ておこうかな…

篠野 羽華

やぁ、太郎くん

犬鳴 太郎

え、いつからここに居たの?

篠野 羽華

内緒〜♪

篠野 羽華

それにしても太郎くん…現実は辛いね!

篠野 羽華

話は殆ど聞かせてもらったよ。君帰りたくないんでしょ?ういと同じだね。

犬鳴 太郎

そうなの?

篠野 羽華

ういは、配信できるならなんでもいーからさ!あのクソみたいな親から逃げられるならね!

犬鳴 太郎

ふーん…

篠野 羽華

でもういは思うんだ。

篠野 羽華

前向きに生きなきゃ、どう生きる?後ろ向き?

篠野 羽華

うい達は、3次元の中で生きてるんだよ。だったら横向きにも、上向きにも生きていけちゃうね!

犬鳴 太郎

…ふふ、

少し笑った顔で 感謝を述べた。

僕は誰かに支えられて ここまで耐えてこれた。

犬鳴 太郎

気づくのが遅かったかも…ありがとう。

篠野 羽華

まぁ、主催者の人が何かしてくれるらしいし?どうにかなりそーだね。

海内 夏菜

あっ、あの…

此方を覗き込むようにして ひっそりと姿を現した

犬鳴 太郎

どうしたの?

海内 夏菜

一応皆さん来てくれましたけど…

海内 夏菜

太郎さんが取り込み中だったみたいなので、私から話しておきました…!

眞上 燈李

本当、この子有能ですね〜

桑ヶ谷 北莉

すごく助かった!

犬鳴 太郎

あ、ごめん!ありがと!

霞流 茜

あの人が言っていた"1番愛した人"っていうのは、きっとネペタさんのことよねぇ

霞流 茜

良いのかしらねぇ?

海内 夏菜

さぁ…

眞上 燈李

兎も角、出れるようで安心しましたよ〜

眞上 燈李

それにしても…ワラビさんは何をしているんですかね〜

霞流 茜

気持ちの整理かしらぁ?

井上 潤

…今の間、何するの?

井上 潤

暇…だよね

桑ヶ谷 北莉

そうだな

桑ヶ谷 北莉

白戸がいれば、たくさん遊んでやったのにな…

"白戸"というワードを聞いて 全員黙り込む。

井上 潤

…白戸くんって、結局…何だったんだろう…

犬鳴 太郎

柏木さんの…幼少期?

眞上 燈李

彼の理想だったりするのでしょうか…

桑ヶ谷 北莉

白戸は白戸だよ。

桑ヶ谷 北莉

大丈夫、もう後悔してないぞ。

桑ヶ谷 北莉

帰れるんだしな!

犬鳴 太郎

沈黙が続く。 それを破ったのはドアの開く音であった

ワラビ

…皆さん、お待たせしました。

霞流 茜

ええ、待ってたわよぉ

ワラビ

すみません…皆様をこんな目に遭わせてしまったのは私の責任のはずなのですが…躊躇ってしまって。

海内 夏菜

もう記憶は消したんですか…?

ワラビ

いえ、これからです。

鏡の方に向かい 手をかざす。

彼は集中している様で 何にも反応しない。

気づけば割れた鏡がみるみる直っていく。 "嗚呼、これで帰れるんだ"と 皆が思っていた

ワラビ

…終わりましたよ

彼の瞳にハイライトはもう無い 人では無い証の猫のような瞳孔が 映るだけであった。

犬鳴 太郎

じゃあ…誰から帰る?

誰も名乗り出ない。 それはそうだ。いくら帰れると分かっても 信用ならないからだ。

桑ヶ谷 北莉

…アタシ行く

声を上げたのは桑ヶ谷北莉。

桑ヶ谷 北莉

アタシ、新しいことはどんどんやりたい人だからさ。

桑ヶ谷 北莉

短い間だったけど…ありがとな!

ワラビ

…鏡に体を入れれば、元の世界に戻れますよ。貴方達はずっとあちらの世界に居たという設定ですから、安心して下さい。

そう言われると北莉は 手から肩、足…と どんどん鏡の中へ入っていく

桑ヶ谷 北莉

楽しかった。またな!

そう言い残して去っていった。

桑ヶ谷 北莉 【脱落】

海内 夏菜

じゃあ…次は私で…

周りより幼い彼女は 会って日が浅いにも関わらず 皆の事を考えてくれていた。

篠野 羽華

ういも行く!

篠野 羽華

1人じゃ寂しいでしょ?ういと一緒に進もう。

海内 夏菜

はい!

彼女らは まだ純粋だ。

そして勇敢であった。

海内 夏菜

それでは、お元気で!

篠野 羽華

じゃあね〜

海内 夏菜 篠野 羽華 【脱落】

井上 潤

じゃあ…俺も行こうかな

井上 潤

片目は見えなくなったけど…やりたいこと増えたからさ!

きっと彼なら 出来ないことは無いだろう。

井上 潤

それじゃあ…さようなら!

井上 潤 【脱落】

霞流 茜

じゃあ、私も行くわねぇ

霞流 茜

貴方達には、本当に苦労したわぁ。

霞流 茜

初めはつまらない遊びだと思った。でも貴方達がどんな性格なのかわかってく内に楽しくなっちゃって。

霞流 茜

まぁ、会うことはないと思うわぁ

霞流 茜

バイバイ、可愛い子羊さん達。

霞流 茜 【脱落】

眞上 燈李

残るは私達…では、私から出ますね。

犬鳴 太郎

…はい

眞上 燈李

ここで長々とお別れを言うのも嫌なので、手短に話しますね。

眞上 燈李

頑張って下さい。以上です。

眞上 燈李

それでは、また逢う日まで。

眞上 燈李 【脱落】

遂に1人になってしまった。

こんな僕を 一体誰が見てくれているのだろうか。

ワラビ

…太郎さん。

犬鳴 太郎

わかってるよ

犬鳴 太郎

…大丈夫

1番現実を嫌がっていたのは 僕の方かも知れない。

犬鳴 太郎

…唐突ですが、人を愛したことはありますか?

ワラビ

ワラビ

人を愛す…私には程遠い言葉ですね。

ワラビ

ありませんよ。1度も。

犬鳴 太郎

…そうですか

犬鳴 太郎

じゃあワラビさん。お元気で

ワラビ

はい。お元気で。

鏡はまるで水面のようだった 指を入れてしまえば 全身が吸い込まれていくような。

とぷんっ。 という音を最後に 視界は黒くなった。

犬鳴 太郎 【脱落】

ワラビ

…これで全員、帰せました

しかし何故だろう。 何かが思い出せない

ワラビ

…わからない。

寂しげな空間と 1人の化け物だけがそこにはあった。

君の心の獣達/参加型

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コメント

3

ユーザー

次回で最終回ですか…何だかちょっぴり寂しいですね😌 完走まであと一歩、頑張ってください‼︎💪✨ …じわじわと余韻が…(?)、なんかこっちまで嬉しくなっちゃいます✨🤭💦(滲み出る歓喜のオーラ)(( 番外編、楽しみに待っておりますね!☺️(イワシ様の小説なら何でも楽しみ定期😌) ご無理はせず!まだ暑かったりしますから、お身体にもお気をつけて‼︎☺️🙇‍♂️(遅れた残暑見舞いかよ(?))

ユーザー

次回で最終話となります…😌 恐らく参加して下さった方々のキャラクターは直接出ることはありませんが、最後まで見届けてくれたら嬉しい限りです☺️ もしかしたら、参加者の方々のキャラクターをお借りして番外編が出るかも知れません…🫣✨

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