病室
遊
茜...?
茜
おー...遊か、久しぶりだな
私が病室に行くと そこには横たわり たくさんの管に繋がれた 茜がいた。
遊
体調はどんな感じ...?
茜
まぁ...喋りづらいな
茜
この管と臓器膨張のせいで、もう起き上がることはできないとさ
茜
つまりずっと寝たきりだ
遊
....
茜
何暗い顔してんだ、いずれこうなる未来だったんだよ
遊
あのさ、プレゼントのことなんだけど...
茜
お?何くれるんだ?
遊
....
遊
茜は知ってるかもしれないけど、私...
遊
遊
監視されてたんだ
茜
なっ...
遊
何で知ってんだって顔でしょ?実はこの前会長に呼び止められて教えてくれたんだ
遊
その時に会長と少し話をしてさ
監視開始前日 廊下
遊
監視...?何故?
朔
君が自殺を考えているから、それを阻止するためだ
遊
そのことを監視対象に伝えるのはどうかと思いますけど?
朔
確かに普通、監視というものは対象に気付かれると非常に厄介なものだ
朔
しかし私は君に伝えた、どうしてだと思う?
遊
知りませんよ
朔
答えは簡単だ、君にもう一度死について考えてほしいからだ
朔
本当に死ぬことが助かる道なのか?
朔
それを改めて考え直してほしい
遊
時間の無駄ですね、てっきり会長は私の考えを理解してくれる人だと思ってました
遊
失礼します
そして私がその場を 後にしようとした時だった。
朔
では今すぐ‼︎...ここで死んでくれ
そう言い会長は私の足元に カッターナイフを投げた。
遊
嫌です、私は“約束”があるので今は死ねません
朔
“約束”ね...蛇ヶ崎さんが死んだ後に君も死ぬんだっけ?
朔
おかしな話だね
遊
は?どういうことですか?
朔
だって君は死にたいのに、蛇ヶ崎さんが生きてるせいで死ねないじゃないか
朔
友達になるという名目で君の死が延期になったんだ
朔
おかしな話だと思わないかい?
遊
...何が言いたいんですか?
朔
風祭さん、君は“約束”という聞こえがいいもので寂しさを紛らわせているんだ
朔
誰からも愛されなかった、しかし死に際に自分だけを見てくれた彼女に特別な感情を抱いた
朔
そんな彼女を逃すまいと友達になるようにせがんだ
朔
蛇ヶ崎さんは迷惑極まりなかったと思うよ
朔
だってただ学校に行こうとしたら自殺未遂の女子生徒に、友達にならなきゃ死ぬって言われるんだし
朔
君にとって友達は寂しさを紛らわす道具かもしれないが、その道具になっている人間の気持ちを考えたことはないのかい?
遊
それは...
朔
ねえ風祭さん、人間が物事を判断するのに必要なことは何だと思う?
遊
....
朔
朔
答えは“審判の許可”だ
朔
言い換えるとするならば“基準”だ
朔
どこまでいけば良いのか悪いのか、そういった基準を決めるのは自分が決めた“審判”によるものだと私は考える
朔
今回でいう審判は蛇ヶ崎さんだ
朔
彼女が君の死をコントロールしているから君は死なないんだ
朔
つまりそれが制御不能...審判が機能しなることでそれは崩れる
朔
私の正直な気持ちを言おう
朔
私は君に死より辛い目に遭ってほしいと願っている
朔
そんな苦しみの果てに君は何を思うのか...私はそれを見てみたい
遊
最低な考えですね、とても会長だとは思えません
朔
ふふ、あくまでもこれは会長としてではなく一個人としての意見だ
朔
誰が最後に笑うか、実に見物だね
遊
...それで?わたしを呼び止めて散々貶して満足ですか?
朔
ああ、ある程度は満足だ
朔
だからね、風祭さん...
朔
生きている内に、伝えたいことは伝えた方がいいよ
遊
....
朔
それじゃあ、また会おう
遊
そうやって会長に色々言われて、気が付いたんだ
遊
私はまだ茜に伝えたいことを伝えてないって...
遊
だから今日は...それをプレゼントとして受け取ってほしい
茜
...分かった
遊
じゃあ、私が渡すものは...
遊
遊
“さよなら”






