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ボクと同居人と隣人と

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11

砂糖漬けのピンポンマム

♥

150

2020年12月16日

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慎哉

…………

紅紫

もう、それくらいにしたら……?

慎哉

……また、飲める…………

紅紫

無理するな

慎哉

……無理なんか、していない…………

紅紫

ウソつけ。顔が真っ赤だよ

紅紫

水、持ってくるから

しばらくして、戻ってきた

紅紫

ほら、飲んで──

水の入ったコップを差し出す

慎哉

…………

それを受け取り、水を飲み干した

紅紫

ベッドに横になる?

慎哉

……大丈夫だ

紅紫

全然、大丈夫そうには見えない

慎哉

…………

紅紫

最後まで、付き合わなくてもよかったのに──

紅紫

ボクが酒豪だって、知ってるでしょ

慎哉

紅紫

立てる?

ベッドに横たわった

紅紫

左向きにすると、いいらしいよ

慎哉

(……顔がよく見える)

紅紫

どうしたの? じっと見て

慎哉

……なんでもない

紅紫の視線を独り占めできて、内心愉悦を覚える

カチャ

紅紫〜、一緒に酒飲もうぜ♪

ぴくっ

慎哉

(……また、こいつか……!)

紅紫

相変わらずだな、お前は──

ベッドから離れていく

慎哉

……!

思わず紅紫の袖を掴もうとしたが、伸ばした手はむなしく、くうを切った

どうして……?

俺よりも、そいつの方がいいのか?

シンちゃん、寝込んでんの?

紅紫

ただの飲みすぎだよ

紅紫

──一緒に飲んでたからさ

さっきまで、そこにいたのは俺なのに────

紅紫

酒瓶と空き缶、片付けるから

紅紫

ちょっと、待ってて

オレも手伝う

数分後

紅紫

ひと通り片付いたな

じゃあ、飲むか♪

コップに日本酒をそそぐ

紅紫

──桃の香りがする

結構うまいぞ

一口飲む

紅紫

あ、おいしい☆

だろ?

……なんで?

……そんな楽しそうな顔をする?

2時間後──

紅紫

紅紫

……ん…………

ぱちり

紅紫

(あ……れ……?)

紅紫

(いつの間にか、寝てた……)

身体を起こす

……ぐー……

一升瓶を抱えて眠っていた

紅紫

……しばらく、起きないな

紅紫

気配を感じ、振り返る

慎哉

…………

紅紫

……慎哉?

真顔で紅紫を見つめている

紅紫

……どうした?

相手のただならない雰囲気に戸惑う

紅紫

(……なんか、様子がおかしい)

慎哉

……紅紫

紅紫

……!

からめ捕るように抱きしめられた

紅紫

え? ちょっ……!

そのまま、床へと押し倒される……

紅紫

慎哉

──誰よりも、あんたのことが…………

紅紫

……っ

ゆっくりと顔が近づいてきた

紅紫

え、あ……

思わず目を閉じる

ぽたっ

紅紫

(……ん?)

頬になにかの液体がかかった

そっと目を開けると────

慎哉

目に涙を浮かべ、泣いていた

慎哉

……なんで?

慎哉

……そんなに、俺が嫌なのか?

紅紫

…………

慎哉

……どうしたら

慎哉

俺の思いを、受け入れてくれる?

慎哉

慎哉

どうすれば、あんたは……

慎哉

振り向いてくれるんだ…………?

紅紫

…………

ぽんぽん

頭を優しく撫で、慎哉を抱きよせた

慎哉

……っ…………

紅紫

──落ち着くまで、そばにいるから

ボクと同居人と隣人と

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コメント

4

ユーザー

最高すぎるー!!!!

ユーザー
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