TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

“アオ”が似合う君

一覧ページ

「“アオ”が似合う君」のメインビジュアル

“アオ”が似合う君

11 - 第11話 守れない

♥

1,408

2022年04月09日

シェアするシェアする
報告する

莉羽

こんにちは!

莉羽

莉羽です!

莉羽

“アオ”が似合う君

莉羽

第11話 守れない

莉羽

早速本編へどうぞ!

これはnmmnです ご本人様とは関係ありません

苦手な方は見ないでください

あれから、1週間が過ぎようとしていた

俺は毎日、ころんを家まで送っている

さとみ

今回の実力テストむずくなかった?

さとみ

俺下から数えた方が早いんだけど?!

俺は決して頭が悪いわけではない

ただ、俺たちが通っているのは、そこそこ有名な進学校

周りのレベルの高さに追いつけない

でも......

さとみ

それに比べてころんはほんと凄いよなぁ.....

さとみ

また1位だったんだっけ?

ころん

えっと....まぁ....うん...../

君は少し照れながら遠慮気味に頷く

さとみ

流石だなぁ.....

さとみ

なぁ、再来週の定期試験の時もまた勉強教えてくんねぇ?

ころん

ふふっ....

ころん

もちろん....!

ころん

僕で良ければ!

さとみ

ありがと!

毎日こんなたわいもない会話をしながら一緒に歩くのは

すっかり俺の日常になっていた

昼食も毎日一緒に食べるようになったし

昨日も放課後残って勉強を教えてもらっていた

ちなみに君をいじめていた奴らは、 あの次の日に一度だけ絡んできたことがあったが

どうやら俺の顔を覚えていたらしく、睨んで指を鳴らしたら あっさり怯えて逃げていった

あれ以降一度も俺たちの前に現れていない

今度こそ、ちゃんと君を守れてる

ころん

今日も送ってくれてありがとね!

さとみ

おう!ニコッ

ころん

じゃあ、また明日!ニコッ

さとみ

ん!じゃーな!

さとみ

..........ふぅ

笑顔で手を振り、マンションの中に消えていく君の背中を見送って

思わず小さく息をついた

今日もちゃんと、君を守れた

この1週間、君は親にも殴られていないようで 心なしかアザが薄くなっていたようにも見えた

高校生たちに付けられた怪我も、少しずつ治っている

そして何より、君は今までよりも笑顔が増えた

そのことが嬉しくて、俺はすっかり安心していた

いや

安心してしまっていたのだ

君の抱える1番大きな傷を

俺は忘れてしまっていた

次の日

ころん

あ、さとみくんっ......

ころん

おはよう....!

さとみ

お、ころん!

さとみ

おはよ!

さとみ

............ん?

いつも通り、少し遠くから歩いてきて、挨拶をしてくれる君

でも、今日は少し違った

歩いてくる君は

少しだけ、右足を引きずっているように見えた

さとみ

え、なぁ、ころん.....

さとみ

右足.....どうしたの...?

ころん

あ.......

君の表情が少しだけ曇った

久しぶりに見るこの表情に、嫌な予感がする

さとみ

な、なぁ、何があったんだよ.....

さとみ

......話せる...?

ころん

.......実は...

さとみ

捻挫.......?

ころん

うん.....

さとみ

なんで.....

ころん

昨日テストの結果帰ってきたでしょ....?

ころん

あれをお父さんに見せたの

さとみ

......!

さとみ

まさか......

ころん

.......うん

ころん

1位キープできましたって言ったんだけど

ころん

なんで満点じゃないんだって、怒られちゃった......

ころん

それで、また殴られて

ころん

その勢いでよろけて、捻っちゃったみたいで........

さとみ

っ....そんな.....

さとみ

手当ては?!病院とか、行った?!

ころん

ううん、行ってない.....

さとみ

なんで行かないんだよ...!放っておいて悪化したら.....

ころん

僕も行こうとはしたの

ころん

でも.....

ころん

親は連れて行ってくれないし、一人で行こうとしても、夜に外出させてもらえなくて.......

ころん

湿布は貼ったんだけど.....

さとみ

っ......なんだよ.....それ......

さとみ

自分の子供が怪我してんのに.......

さとみ

っ....とにかくっ!

さとみ

っしょ.....肩貸すから

さとみ

早く保健室行こう

ころん

....うん、ありがとう.....

先生

腫れてきちゃってるね....

先生

ここ痛い?

ころん

いっ......

さとみ

ころんは、大丈夫なんですか?治るのってどれくらいかかるんですか?!

さとみ

骨折れてたりとか.....

先生

ま、まぁ落ち着いて.....

先生

ここまで歩いてこれたんだから折れてなんてないわよ....w

先生

ただの捻挫だから安心して?

先生

それにこれくらいなら、1週間、長くても2週間あれば完治するわ

さとみ

そう.....ですか....

ころん

心配してくれてありがとね....ニコッ

さとみ

うん......良かった....

ほっと息をついたとき、構内に予鈴が鳴り響いた

先生

もうこんな時間?

先生

ほら、深山くん、あなたは先に教室に戻ってなさい

先生

HR始まるよ?

さとみ

........はい

俺は静かに保健室を出た

さとみ

はぁ......

廊下に出て一人になり、そっとため息をついた

生徒たちが慌ただしく教室に戻っていく音が廊下にこだまする

さとみ

っ.....ダンッ

さとみ

くっそ......

壁に怒りをぶつけ、小さく呟く

その声は騒がしい声と共に消えていく

さとみ

結局、何も変わってねぇじゃん....

さとみ

俺は.....ころんを守れない....

さとみ

いじめてた奴らを片付けただけで、なんでそれで終わった気になってんだよ.....

さとみ

あいつを苦しめてる元凶は何も変わってないのに......

さとみ

っ.....どうしたら良いんだよ......

さとみ

さとみ

............そうだ....

さとみ

無茶かもしれないけど、これなら.....

君を守れる

さとみ

コンコン.....失礼しまーす

ころん

さとみくんっ.....!

さとみ

ころん....

今は1時間目の終わりの休憩時間

俺が保健室に入ると、ベッドの上に座っている君が俺に笑顔を向ける

さとみ

あれ?先生は?

ころん

ちょっと用事あるみたいで、職員室行ってるよ

さとみ

そっか.....

さとみ

足....どう?

ころん

今ちょっと冷やしてるところ

ころん

先生が戻ってきたら、僕も教室行くよ

さとみ

歩けるの?

ころん

ちょっと歩きづらいけど、出来るだけ負担かけないようにしてれば問題ないって

さとみ

そっか、良かった....

さとみ

でも無理はするなよ?いつでも頼って良いんだからな?

ころん

うん、ありがとうニコッ

さとみ

あ、そうだ....

さとみ

ころん、ちょっと話したいことあるんだけど、良いかな

ころん

....?

ころん

いいけど.....

さとみ

あのさ.....

これから、一緒に住まない?

“アオ”が似合う君

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,408

コメント

3

ユーザー

連載ブクマ失礼します!

ユーザー

待って?!最高なんだけ?!主様天才?!続き待ってますよ?!いいね1000以上押しますね?!(?)

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚