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泉亭茜

ハァ…母さんにも迷惑かけちゃうよね…。もっと私ががんばんなきゃいけないのに。

私は泉亭茜。 神主の家系で、実家は代々神社を継いでいる。 今は父と健康優良児の高校生たる私が、病弱な母と姉の代わりに家のために稼いでいる。 しかも姉には発達障がいがあり、精神年齢は5歳ほど。 疲れるけど、大好きな家族のためならなんだってできる。 家族のためなら何があろうと良いと思っていたのに…。

お父さん

不在着信

不在着信

気づかなかったが、アルバイト中に父から電話があった。

気づくやいなや、 すぐさま私は父にかけ直した。

泉亭茜

通話終了

通話
33:06

泉亭茜

姉の様態が急速に悪化。 そのまま、帰らぬ人となったと。

お父さん

すまない、俺が不甲斐ないばかりに…

泉亭茜

いや、いいよ、お父さん。気にしないで

一番辛いのは 両親のはずなのに。 私は、 自分の頬を伝う雫を拭う気力なく、ただひたすら打ち拉がれていた。

母のため、バイトをしているときだって。 姉のことをいつだって思い出す。

泉亭紬

ごめんね、あかね

泉亭紬

つむはお姉ちゃんなのにごめんね…すぐ治すから安心していいよ

見舞いに行くと、いつも明るい笑顔で迎えてくれた。 会うところは、いつだって病院だったけど。 私を気遣ってくれて 大好きな、お姉ちゃんだった。

泉亭茜

お姉ちゃん…

ブルルルルルンッ

通りすがりの人

そこの貴方逃げなさいッッッッ!

泉亭茜

え…

キキーーッッッッッッッ

私は 車に轢かれて死んだ。

気がつくと 銀世界の真ん中に私はいた。 近くには、不思議な造形の赤い花があった。 きっとあれは…

泉亭茜

彼岸花か…じゃあ私死んだんだ…

すると急に、この空間に似てもつかないような騒がしい音が聞こえる。

天帝様

この度は、申し訳ございませんでした

天人の使い

申し訳ございませんでした

天人の使い

申し訳ございませんでした

見るからに偉いような人が、私に土下座をしてきた。 理由がわからず、私は彼女たちに説明を求めた。

泉亭茜

取り敢えず…説明を求めます

天帝様

はい、実は貴方のお姉様…泉亭紬樣は死神様の不当な物言いが原因で亡くなってしまいました

天帝様

同じ神として心からお詫び申し上げます

泉亭茜

不当な…!?そんな言い訳…まかり通るわけないじゃない…ッ!

私は、思いっきり怒りをぶつけた。許せなかったんだ。 お姉ちゃんの命を軽んじているようで。

天帝様

それに、私が反対する余地はありません…。ですが、貴方のお姉様を助ける方法があるのです。そのために、あなたを此処に呼びました。

泉亭茜

なん、ですって…?

理由がないわけではないと思っていたが、さすがに驚いた。

天帝様

はい、貴方が元住む人間界より深く…冥界に、我々とは違い、冥界に住む鬼神…死神様がいらっしゃいます。死神様なら、不当に奪った紬樣の御霊を持っているのではないかと…。

泉亭茜

成程…

天帝様

でも死神様の居場所を知るものはいません…

泉亭茜

どうして、ですか?

天帝様

神も生きているからです。生きとし生ける物が、冥界の場所を知るはずがないのです。

泉亭茜

じゃあ、どうすればいいんですか?!それじゃムリゲーだし…お姉ちゃん…助けられないじゃん…

天帝様

…ッ

天帝様

一つだけ方法があります

泉亭茜

その方法を待ってました!教えてください!!

天帝様

12の方角を司る存在…十二天将の全員を探し出し居場所を聞き当てるのです

泉亭茜

やっぱ居場所わからないんですか?

天帝様

いえ、十二天将の持ち場はしっかり決められております故

泉亭茜

で、では行ってみようと思います

天帝様

お持ちください…此処は亥の方角にございます

泉亭茜

ってことはもしかして…

天帝様

十二天将がいらっしゃいます

泉亭茜

じゃあその十二天将って言うのは名前等は?

天帝様

此処にいるのは、我が伴侶…天后でございます

泉亭茜

え、既婚者?

天帝様

当然ですよ?逆に天帝が結婚しなかったら後継ぎ以前の問題ですから。

泉亭茜

あ、では天后さんのもとへ行ってまいりますね〜(深くは掘らんとこ、闇ありそう)

天帝様

いえ、我が伴侶なので天后の居場所はしっかり知っておりますよ

泉亭茜

御願いします!!

これは、不幸だらけの少女の 姉の魂を取り返す 神界での 壮大な冒険譚である。

理不尽な世界には、残忍なる神を添えて。

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