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愛斗先輩と付き合って半年。 愛斗先輩との毎日は幸せだ。
でも、一つだけ愛斗先輩に不満がある。
それは、愛斗先輩が俺に手を出してくれない事だ。
キス以上の事をした事がない。 もう付き合って半年も経つのに。
俺は愛斗先輩と、そういう事がしたいのに。
俺から誘えばいいって?
心配しなくても、 そんなのとっくにやってるよ。 とっくにやってるけど、いつも逃げられる。
この前だって...。
ーー数日前ーー
週末、大学に出てから一人暮らしを始めた 愛斗先輩の家で映画を観ていた。 恋愛映画で、そういうシーンも少しあった。
そして映画が終わった後。
愛斗
翔
翔
翔
愛斗
愛斗先輩がニコッと笑う。
翔
一緒になる。
一つになる。
俺なりに勇気を出して言った言葉だった。
愛斗先輩は少し黙り込んだ後、口を開ける。
愛斗
愛斗
愛斗
違う。そうじゃない。
翔
翔
確かに結婚も出来ることならしたいけど、 今じゃない。
愛斗
翔
翔
俺の返事を聞いて、愛斗先輩は立ち上がる。
待って。違う。 ご飯じゃなくて...。
俺は、 歩き出そうとする愛斗先輩の手を掴んだ。
翔
愛斗
振り向いた愛斗先輩に、言葉を絞り出す。
翔
翔
翔
ダメだ。 もう喉まででかかってるのに、声にならない。
頑張れ俺。 俺ならできる。だって俺、可愛いもん。
翔
愛斗
愛斗
俺の言葉を遮るように愛斗先輩はそう言って、俺の口にキスをする。
翔
愛斗
愛斗
なにそれ。 話逸らすの下手すぎ。すごい変化球じゃん。
もしかして、 気づいててわざと逸らしてるのかな。 愛斗先輩、そういう事に興味無いのかな。
そしてその後、俺は諦めて二人で晩ご飯を食べに行った。
ーー現在ーー
って感じで、そういう話をすると逃げられちゃうんだよね。
俺の誘い方が下手?
確かに俺は言葉足らずというか、遠回しに言ってる自覚はある。
でも安心して欲しい。 実は今日、愛斗先輩とお家デートなんだ。
だから、今日こそ頑張って誘う。 俺の武器を使って絶対に愛斗先輩に抱いてもらうんだ。
そして愛斗先輩の家に着き、しばらくした後。
二人でテレビを見ている時、俺は呟く。
翔
翔
翔
先輩の方をチラッと見るけど、先輩は気にせずテレビを見続けている。
嘘。なんで何も言わないの。
俺は思い切って上の服を脱ぐ。
翔
なんて分かりやすくアピールしてるのに、愛斗先輩は俺をチラッとだけ見て、またテレビに視線を戻す。
もう。全然見てくれないじゃん。
俺は立ち上がってズボンを脱ぐ。
翔
また無反応。 今度は見てすらくれない。
翔
翔
愛斗
テレビを見たまま、愛斗先輩はそう呟く。
俺だって別にそんなに暑くないよ。 エアコン着いてるし、むしろちょっと寒いくらいだよ。
俺は再び座って愛斗先輩に体を寄せる。
翔
そう言いながら、俺は愛斗先輩の腕を掴んで体を密着させる。
恋人にここまでされたら 流石にその気になるはず。
そう思ってたのにーー
愛斗先輩は冷静な表情でこっちを見る。
愛斗
愛斗
愛斗
えっとこれは...やってしまったか。
そうだよね。 裸でくっつかれるって普通に嫌だよね。
俺は慌てて体を離す。
翔
愛斗
愛斗
なんか素っ気ない。 もしかして怒っちゃったかな。
翔
翔
翔
愛斗
愛斗
愛斗
俺の体の心配してくれてたんだ。嬉しいな。
...じゃなくて
こうなったら俺の武器を使ってやる。
俺は再び愛斗先輩にくっついて、 目をきらきらさせて言う。
翔
翔
翔
どうだ。 これ、ほぼ抱いてくださいって言ってるようなもんだろ。
これで来ないなら俺はもう...。
愛斗
愛斗
その言葉で俺は限界を迎える。
翔
翔
立ち上がって歩き出すと、愛斗先輩はこっちへ来て、俺の腕を掴む。
愛斗
愛斗
愛斗
その手を振り払う。
翔
翔
愛斗
愛斗
愛斗
愛斗
愛斗
真剣な顔でそう言うから、俺は勇気を出した。
翔
翔
愛斗
翔
翔
翔
翔
愛斗
翔
翔
翔
翔
愛斗
翔
翔
翔
翔
翔
翔
翔
そこで言葉を止めた。
愛斗先輩の目が、鋭く変わっていたから。
愛斗
愛斗先輩はそう言って、俺の腕を掴む。
そしてそのまま、歩き出した。