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父親という存在を忘れていました笑
あすみさんが処置室に運ばれてから約一時間が経過した頃
所長と芹沢さんが病院に到着
芹沢大和
沢田マリカ
高城寛貴(所長)
沢田マリカ
沢田マリカ
私と優真さんがいなくなった後のことを教えて貰った
母親の井川かすみは警察署にて取り調べが始まり
兄の井川静(じん)は別の病院にパトカーで向かい
傷の処置を受けた後に警察署へ
取り調べの後、少年鑑別所に入ることになるようだ
所長と芹沢さんも警察署へ行き事情を聞かれ
私と優真さんもここで事情を聞かれたことを話した
芹沢大和
沢田マリカ
高城寛貴(所長)
沢田マリカ
芹沢大和
その人は現場で芹沢さんの姿を見かけて通報し
近所の人達と共に私達のことを証言してくれた
それまで彼女の母親を恐れて通報できずにいた様だが
井川家に突入する私達を見て気が変わったのだろうか
何にしても私達にとっては救いとなった
そこから更に一時間
ようやく処置室の扉が開いた
三村優真
優真さんが駆け寄り呼び掛けるも反応はなく
鎮静剤で眠っている彼女の全身には包帯が巻かれていた
一命を取り止め意識はあるものの
化膿していた両腕と両足は感染症を起こしていて
それが熱中症による高熱も重なり重症化し
依然として危険な状態であることが告げられた
身体の痣や傷は両腕と両足、胸部、腹部
背中や腰、臀部にも刻まれていて
その全てが故意に殴られ切りつけられたものと判断された
身体には複数回にわたり性的暴行を受けた痕もあり
その傷の状態から
最後の暴行から時間がそれ程経っていない可能性と
保護されてから今日までの間に
頻繁に性的暴行を受けていた可能性が高いと言う話だった
担当医
担当医
担当医
彼女はもう数日前から既に弱っていたはずだ
そんな彼女の身体を兄は執拗に蹂躙しつづけた
まだ瘡蓋にもならない傷の上から殴られ切りつけられ
強引で一方的な行為によって苦痛を与えられ
それら全てが母親の命令で行われていたとしたら
本当に信じられない
沢田マリカ
芹沢大和
三村優真
三村優真
彼女の手を握りながら優真さんは涙を流した
約二週間前
優真さんは彼女を拉致した容疑で勾留された犯人だった
でも今は
彼女のことを一途に想い心から愛する一人の青年
二人が過ごした三ヶ月の間に
彼は彼女を愛し精一杯の愛を注ごうとした
家族に愛されずに育った青年が
その不器用な愛をぶつけて
同じく愛されずに育った少女がそれを受け止めた
二人の出会いは普通とは言えない形だったが
二人の想いは誰よりも強く結び付いているように思う
救急病棟に移され経過を見ることになり
鎮静剤で眠っている彼女に優真さんが付き添う
優真さんが握るその手にも包帯が巻かれ
頬や額にも痣や微かに切り傷が残っている
この悲惨な状態に看護師も青ざめているようだった
発見が遅れれば命の危険もあった
芹沢さんの話では
彼女の兄にも軽い脱水の症状があったらしい
あの冷房機もない蒸し風呂のような部屋で
兄妹二人の置かれた状況を想像すると
母親に対する怒りが沸々と沸き上がる
父親は何をしていたのか
あの家で何が起きていたのか
そこが気になって仕方がなかった