イツキ
(やっと手に入れられたぁー)
イツキ
(ほんっとに何日節約したことか...)
イツキ
(あ、そうだ。早速遊んでみるか)
イツキ
(手に取ったのは、段ボール箱。中には仮想現実世界を体験できる機器が入っている。)
イツキ
へー、この世界で結婚することも友人を作ることもできるのか..
イツキ
(元より、友人の少ない俺。恋人など夢のまた夢だった。)
ゲーム
キャラクター名を設定してください
イツキ
イツキ、っと。
ゲーム
では、仮想現実世界をお楽しみください
10分後
イツキ
(ログインし、キャラクター設定を済ました俺はゲーマーの如くゲームに熱中していた)
イツキ
え、このゲームって、こんな黒い職業あるんだ
イツキ
(仮想現実世界を楽しんでいたとき、何気なくその世界のノートパソコンに触れた)
イツキ
(適当にパスワードロックを解除し、ネットゲームやらを楽しんでいるうち、目にとまったのは...)
殺し屋
こんにちは。イツキさん。どなたの殺害をご希望でしょうか?
イツキ
(そう、殺し屋だった)
イツキ
(冗談半分だった。悪意などなかった。)
イツキ
五十嵐秀人
殺し屋
了解しました。殺害方法はランダムです。
イツキ
(五十嵐秀人。友人の名前。)
数日後
イツキ
うわ、本当に消えてる。
イツキ
(この世界では、「友だちリスト」というものが存在する。顔写真を読み込ませて、プロフィールを適当に設定する。その中からなくなった人の名前は消えていく。)
イツキ
(そのなかに、五十嵐のプロフィールがなかった。市役所へ行けば、「他殺」とだけ記録されていた。)
イツキ
(なんだか、鳥肌がたった。人の存在が「他殺」とだけで済まされるだなんて。)
殺し屋
殺害依頼できる人数が上限を越えました。ご利用ありがとうございました。
イツキ
(友だちリストには仮想世界の恋人の名前、親友の名前だけが残されていた)
イツキ
ははっ...あはははっ
イツキ
次は誰を殺ろうかなぁ...
イツキ
よし、こいつにしよう
町民A
ねえ、知ってる?仮想現実世界の話。
町民B
怖いよねー、いつのまにか「ゲームと現実の境がわからなくなる」なんて。
町民A
それでね、その原因がゲームの誤作動で「殺し屋」っていう職業ができたかららしいの。
町民B
えー、偶然でそんなこと起きるの?誤作動にもほどがあるでしょ?
町民A
いや、でもね。最近の無差別殺人。その誤作動を起こしたゲームの持ち主が犯人だって噂があるんだよ?
町民B
ゲームで感覚が狂っちゃったのか...






