- 紹介 -
・名前:い・じゅよん ・生年月日:2004年 1月15日(設定) ・年齢:17〜18歳(韓国:18〜19歳)/ 高校2〜3年生 ・役割:主人公 ・性格:怒りやストレスは心に溜めるタイプ
・名前:ちぇ・○○ ・生年月日:2005年 1月28日 ・年齢:16〜17歳(韓国:17〜18歳)/ 高校1〜2年生 ・役割:じゅよんの彼女 ・性格:照れ屋/感情表現が上手くできない
“ 最初で最後のチョコレート____ “
2021年 3月14日
○○.
🏀じゅよん.
○○.
🏀じゅよん.
「へへっ」と幼い 笑みを浮かべる彼女は、
先月告白してきて くれた、俺の彼女。
優しそうな雰囲気と 女の子らしい笑顔に、
俺は、惚れてしまった。
でも 彼女の笑みの中には、
いつも、不安気な 瞳が写っている。
それは、 他の何でもなく、
俺が放った言葉の 所為だろう ——
屋上でチョコレートを 渡され、告白された日。
俺は、彼女と交際するに 渡って、条件を出した。
それは ——
“ 来年のバレンタインに、 別れる “。
そう言った時の彼女の 表情は、予想通りだった。
困惑した様な、
何と言えば良いか わからない様な。
でも俺には、ちゃんと した理由があった。
- 3年前のバレンタインデー -
俺が 中学2年生の頃。
唯一の「初恋」と呼べる、 親しい人がいた。
朝、普通に彼女は 登校してきたかと思うと、
俺の 机の横を通る時、
目の前に急に チョコレートが現れた。
🏀じゅよん.
驚き、 彼女の方を見る。
彼女は、そんな俺を見な がら ” へへっ “ と笑い、
黙って席に着いた。
このチョコレートが 本命かなんて、
正直この時は どうでも良かった。
ただ、「初恋の人に 貰えた」という気持ちが、
俺を 支配し続けていた。
でもその翌日。
本当の事は聞けず、
彼女はこの世を 去ってしまった。
辛かった。
悔しかった。
心残りで いっぱいだった。
だから俺は、 それから恋愛ができず、
孤独な 生活を送っていた。
○○.
🏀じゅよん.
それから、思った。
今、俺の 隣にいる彼女は、
笑い方も、仕草も、 雰囲気も、口癖だって。
何もかもが、 似ている気がした。
・・・いや、彼女だった。
だからこそ、俺は、
自分も彼女も辛く させない方法を選んだ。
1年間だと最初から 分かっていれば、
自分も中学生の時の彼女を 忘れなくて良いし、
横にいる彼女も、
そんな理由で別れるなんて 気が知れるだろうから。
○○.
🏀じゅよん.
今日もまた、 時間が過ぎていく。
2022年 2月14日までの タイムリミットは、
徐々に近づき 始めていた ——
2022年 2月14日
・・・なのに、 遂にきてしまった。
俺と君の、最後の日が。
彼女も分かって いたのだろう。
「放課後、屋上 来れる?」と聞くと、
すんなりと彼女は頷いた。
🏀じゅよん.
○○.
相変わらず 笑顔は絶えないが、
いつもより不安なのが 目を見ただけで伝わる。
正直、このまま彼女と、
一生人生を歩んで良い 様な考えもあった。
だってどうせ、
中学の時の初恋は、 戻ってこないから。
それでも俺は、
勇気を振り絞って、 口にした。
🏀じゅよん.
メンタル的にも やられるし、
1年間本当に 楽しかったからこそ、
彼女も 俺も、辛いはず。
心の底から溢れる涙を、 食いしばっていた。
だけど彼女は、 こう告げた。
○○.
🏀じゅよん.
笑顔と共に渡された 1つのチョコレートと、
その上に貼ってある 小さな紙。
そこには、 こう書かれていた。
“ 大好きでした、ずっと “。
止まらなく なってしまった涙。
もう、我慢する なんて限界だった。
○○.
○○.
夕陽に 照らされながら伝う、
彼女のいろんな意味が 籠った一粒の涙。
涙の先には、
真っ赤な、 地面があった。
甘くて、でも苦い バレンタインは、
2月14日になる度に 俺の記憶を蘇らせる。
でも、何があっても 俺は呟くんだ。
“ バレンタインなんて、 なくて良いのに “。
- 甘くて苦いバレンタイン 長編 -
- END -
コメント
19件
そうだよ!!!なんでバレンタインデーなんかあるんだよボケ!!!
とても面白かったです。👍️
赤い地面て何かと思ったwwwwwww 夕焼けやんな?