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駅からの帰り道、私たちは会話をすることもなく歩いていた。
こうして二人で歩いていることが信じられなくて、現実なのかわからなくて、
なんだか、頭がフワフワしたような状態で住宅街の道を歩く。
何も考えられない私の手に、彼の手が触れた。
その瞬間、様々な思い出がよみがえってきた。
職場で出会って、たまたま手が触れてしまったときのドキドキした気持ち。
りん
す ず か
りん
そう思った瞬間、私の目には涙がこぼれ始めた…
だって、私たちの間には、いつもあの子がいたから。
↓解説はこのまま下にスクロールしてね
〈解説〉 この2人は夫婦。そして、元々は子供を含めた3人だったよ。 いつもは、その子供を挟む形で歩いていたから、夫と妻が直接手をつなぐ事はなかったんだね。 でも、その子供が何らかの理由で亡くなってしまい、2人は直接手を繋げるようになってしまったよ。 その手の温もりに暖かさと懐かしさを感じつつ、妻は涙を流したんだね。 この涙の意味は何なのか、子供の死因は何なのか、それは想像にお任せするよ