学校帰宅後、私はテレビをつけた。
そして腰を抜かした。
感染病の広がりが大きくなり
来週月曜日から、小・中・高の学校が休校になります。
月美
え、…
月美
嘘でしょ…?
月美
卒業式…どうなっちゃうんだろ…
月美
卒業式が終わった後、周磨くんに第2ボタン貰おうと思ってたのに…
月美
コレじゃあ、貰えないよ…
私は好きな人がいる。
同じクラスの 三本 周磨くん
とても優しくて人気者。
そんな人を私は密かに想っている。
でも高校が違うという話を聞いて、卒業式に第2ボタンを貰おうと考えた。
月美
もうっ、…
月美
周磨くんには…会えないかもしれないのにっ……!
次の日
学校では、休校についてのプリントが配られた。
月美
本当に…休校になっちゃうんだ……
月美
卒業式…あるのかな…。
担任
できれば、卒業式は実施したいと思っている。
担任
でもまだ、やると決まった訳じゃない。
担任
だから休校の間に、卒業式を行う事については連絡をする。
帰宅後
グルラでもの会話
クラスメイト
ねえ、休校ってヤバくない?
クラスメイト
それな
月美
卒業式、あるのかな?
周磨
なくなったら嫌だな。
クラスメイト
マジ卒業式中止とかは辞めて欲しいよね。
周磨
それな
月美
本当に卒業式何て中学最後の思い出なんだから、
月美
絶対にやりたい!
クラスメイト
署名、皆でやるか?
クラスメイト
それ良いね!
と、話が進み。
中学の同級生。
それだけでは止まらず、下の後輩たちまでが署名に参加した。
月美
コレで、卒業式が無くなりませんように。
そう、願いながら私は署名に名前を書いた。
署名 荒木 月美
休校に入って6日後、学校から連絡が来た。
卒業式は実施したいと思います。
月美
や、やったぁ…!
涙を瞳に浮かべて、嬉しさに身を任せて跳び跳ねた。
卒業式 当日
お母さん
よし、できた。
お母さん
じゃあ気を付けて車に乗ってね。
月美
うん。
卒業式の参加者で群がった校門。
誰もいない学校。
何もかもが卒業を物語っていた。
車を降りて、皆のところへ向かう。
皆の視線が集まった。
月美
どう、かな?
色とりどりの袴を来て、お化粧をして、美しく飾られた姿。
皆が視線を引いた。
周磨
月美さん、綺麗だね。
月美
っ!
月美
あ、ありがとう!
月美
あのね、周磨くんに卒業式が終わった後、話があるの。
周磨
わかった。
卒業式が終わった。
月美
っ、周磨くん!
周磨
月美さん、話って何?
月美
月美
す、好きです。
月美
高校が違うって聞いたから、最後に伝えておきたくて…
周磨
周磨
嬉しい。
月美
あの、第2ボタン……
月美
貰っても良いですか?
周磨
嫌だ。
月美
えっ、そ、それなら良いの…
周磨
月美が、俺の彼女になってからじゃないと、渡せない。
月美
え?!
周磨
俺と、付き合って下さい。
月美
はいっ!
最高の卒業式は幕を閉じて、 一生の思い出になる。