石井夏帆
で…できたー!
それを大きなキャンパスに生き生きと描いた作品は自分で見ても素晴らしいと思えた
石井夏帆
よし…それじゃあ…次は…告白…か…
寺島葵
石井さん!
石井夏帆
葵くん!どうしたの?
寺島葵
その…なんだか石井さん、最近少し変わりましたね。
石井夏帆
え?
寺島葵
この絵を描き始めてから生き生きしだしたというか…なんだかすごく楽しそうでしたよ
石井夏帆
そうだったかな?
寺島葵
ええ…もしかしてその絵にはなにか特別なものでもあるんですか?
石井夏帆
特別なもの…かぁ…うん…実は、この絵が完成したらやろうと思ってることがあるの。
寺島葵
やっぱり…岡くんに告白するんですね…
石井夏帆
え?な、なんで…‼
寺島葵
分かりますよ。石井さんが岡くんのことを思っていることくらい
寺島葵
きっとこの絵を完成させてケジメをつけようとしているんでしょう…
石井夏帆
なんでそんなに…
寺島葵
僕は察しはいいほうなんで…
石井夏帆
そ、そっか…じゃあ私はもう…
寺島葵
ちょっと待ってください!
石井夏帆
え?
寺島葵
石井さん…僕が初めて石井さんと話した日のこと覚えてますか?
石井夏帆
うん…確か理科の班が一緒で…
寺島葵
そうです。人見知りで誰にも相手にされなかった僕に普通に話しかけてくれた…
寺島葵
それがどれほど嬉しかったか…
寺島葵
それだけじゃない…理科の班が変わってからも僕の好きな漫画の情報を教えてくれたりして…
寺島葵
生まれて初めて学校が楽しいと思えた。
寺島葵
そして変わりたいと思えた。長くてボサボサな髪を切って、ずっとかけていたメガネもコンタクトにした
寺島葵
おかげで僕は急にモテるようになって…正直すごく驚きました…
寺島葵
でも、僕は決してモテたかったわけじゃないんです!
寺島葵
ただ石井さんにかっこいいと思って欲しかった…
石井夏帆
私に?もしかして…葵くん…ほんとに私の事?
寺島葵
す…好きです!初めて話しかけてくれた時から…
寺島葵
石井さんが岡くんのこと好きなのも知ってます!それでも好きなんです…!
石井夏帆
葵くん…ごめんね…やっぱり葵くんの気持ちには答えられないよ…
石井夏帆
ごめん…
寺島葵
いいんです…こうなることはわかってましたから…
寺島葵
でもこれからも漫画の話とか聞かせてくれますか?
石井夏帆
もちろん…もちろんだよ。葵くん…これからもよろしくね!
寺島葵
はい!
葵くんを降ったことに抵抗はあったけどこうするしか無かった
とりあえず今、夏帆にできることは日向に想いを伝えることだ