海斗
私
の名前は水鏡月子。今日から高校二年生になる十五歳だ。今私は、家族と一緒に朝食を食べている最中である。
「おはようございます、お父さんお母さん」
「おう、おはよーさん!」
「はい、おはよう」
食卓にいる二人は私の両親で、父は元冒険家、母はそのサポート役をやっていたらしい。今は引退して普通の仕事に就いているけどね。
ちなみに、両親はともに日本人だけど、なぜか私は銀髪碧眼の美少女なのだ。……自分で言うなって? まぁいいじゃない別に! そんなわけで、自分の容姿についてはもう諦めたわ。でもこの顔のおかげでいろいろ得したこともあるんだよね。例えば――。
「そういえば月ちゃん、昨日変な夢を見たんだけどさ~」
こんな風に夢の話を振られるとか。
「あら奇遇ですね。実は私も見たんですよ。それも最近よく見るんです」
「ほほう。どんな内容なんだ?」
「それが不思議なことに、いつも覚えてないんですよね」
本当は鮮明に覚えてるけど忘れたふりをしている記憶があったりする? 【あとがき】
『リーンバウム~僕達の冒険はこれからだ!~』を読んで下さった皆様ありがとうございます。作者のRyuです。
本作はいわゆる「異世界ファンタジー」ものですが、舞台は現代日本なので魔法などは一切出てきません。その分、バトルシーンに力を入れてみました。個人的に一番書きたかった場面でもありました。
ちなみに本作の舞台である日本は「異世界ファンタジー」小説としては珍しい国かもしれませんね。
本作では主人公の二人が別々の身体で一つ屋根の下に暮らしています。これが今後どのように物語に影響してくるのか……。そこも含めて楽しんでいただけたら幸いです。
では最後に、本作を手に取ってくださったあなたに感謝を込めて――。
二〇一八年六月某日 Ryu
※イラスト
