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月華

(不葉様は大丈夫でしょうか…)

月華

(……外が怖いなんて初めて知りました)

月華

(そもそもあの強すぎる思い込みはどこから?)

月華

一体誰が…?

月華

……まぁいいか

月華

それにしてもあれは…

月華

才能の類なのだろうか……?

 

あら…?あれは……

月華

だ……大丈夫ですか……?

月華

無理はなさらない方が……

 

(メイド長が畏まってる…!?)

 

一体どんなお方…

不葉

大丈夫

不葉

……がんばる

 

(!?!?!?)

 

(えっ……この城にまだあれほど麗しき人が!?)

 

(……だれ?)

 

(まさかあれが噂の神祖様!?)

 

(麗しき方だとは聞いていたけど…)

 

(絶世の美女だと聞いていたのだけど…)

 

(可愛らしい男の子じゃない!!!)

月華

ほ…本当に大丈夫ですか…

月華

無理をして体調を崩されては今夜に響きますよ…?

不葉

もしそうなったら上手く誤魔化しておいて

不葉

迷惑はかけたくないから…

 

(……え、想い人でもいらっしゃるのですか?)

 

(その声色ですが?)

不葉

……あ

 

あ……

 

…こんばんわ〜

不葉

こんばんわ

不葉

いつも、ここの掃除をしているメイドさんですよね?

 

え!?はい……

不葉

いつもありがとうございます

不葉

これからも無理なくお願いします

不葉

本当に、いつもありがとうございます

 

え…?

 

え……

不葉

…ごめんなさい

不葉

話しすぎましたか…?

月華

不葉様!?

月華

……そのメイドは?

 

あ、メイド長様…

不葉

……いや

不葉

いつもこの人頑張って貰っている気がして

不葉

…ごめんなさい

月華

あっいえ…

月華

そういう訳では…

 

…メイド長様こちらは…?

月華

先代女王様の遺した宝であるお方です

 

えっ!?

 

この方が!?

 

申し訳ありませんでした!!!

 

失礼な態度を…

不葉

いや…別に…

不葉

…月華さん

月華

はい、なんでしょうか?

不葉

僕…そんなに子供?

月華

いえ、可愛らしいですよ

不葉

答えじゃないよね?

月華

いえ、そんなことないです

不葉

…ごめんなさい

不葉

急に話しかけちゃって

不葉

お仕事、頑張ってくださいね

 

…はい!

 

ありがとうございます!

不葉

…行こ

不葉

月華さん

月華

承知しました

 

……

 

うっわイケメンだしんどい好き…

 

(いや〜にしても)

 

(神祖様ではなく忌み子…じゃなかった)

 

(不葉様の方だったとは…)

 

(ん〜)

 

(恩を仇で返したくないからな〜)

 

(いつも以上に頑張ってみるか)

月華

(あれは明らかにいつもの不葉様だった)

月華

(なのにあのメイドは不葉様に惚れていた)

月華

(あの瞬間だけで)

月華

(人を誘惑する事がお上手な方だ……)

月華

(……でもなぁ)

月華

(不葉様に嫌われたくない…)

月華

(……少し、人を試すことになりますが)

月華

(まぁ、大丈夫でしょう)

月華

さて、掃除掃除…

不葉

あれ?月華さん

不葉

この時間まで働いてくれたの?

不葉

いつもありがとうね

月華

あ、いえ……

月華

不葉様こそ、神祖様に会えましたか?

不葉

うん、もちろん

不葉

見て、綺麗な花束貰っちゃった

不葉

花瓶とかって借りれたりする?

月華

用意しておきますね

不葉

ありがとう

不葉

じゃあ、月華さんももう休んで大丈夫だよ

不葉

また明日ね

月華

……はい!!

私の目の前を通り部屋に戻る不葉様

……ふわっと香るその匂いに

誰の「所有物」なのか

明確な差を感じて

……とても、不愉快だった

銀木犀

昨日遅くまで居たからな…

銀木犀

さすがに寝てるかな…

 

……

 

今日こそ話しかける今日こそ話しかける……

 

私なら大丈夫……

 

そう……きっと大丈夫だから……

銀木犀

……???

銀木犀

そこのお姉様、だれ?

 

!?

 

し、神祖様!?

 

申し訳ありませんこれには訳が……!!

銀木犀

……ふふっ

銀木犀

大丈夫

銀木犀

君からは悪意を何も感じないから敵対してないよ

銀木犀

不葉に用事?

 

…そういう、感じです

 

実は先日、不葉様に慰めのお言葉を頂き…

 

一日中お礼の品を考えたのですが何も思い浮かばず…

 

不敬は承知の上で

 

誠心誠意感謝を込めお礼を述べに来ました

銀木犀

…君、いい子だね〜

 

えっ!?

 

そ……そうですか?

 

て…照れてしまいますね

銀木犀

誠実で真っ直ぐな子

銀木犀

君みたいな子は他で働いても重宝するんだろうねぇ…

 

めっ…滅相もありません……

銀木犀

あ、不葉に用事なんだっけ?

 

え、はい…

銀木犀

お話してごめんね

銀木犀

不葉呼んでくるからそこで待っていて貰える?

 

はい!

 

ありがとうございます……!

銀木犀

不葉〜?

 

……なんて、綺麗な…

 

(なんて綺麗なお姉様なんだ!!!)

 

(え、好きなのですが!?)

 

(この世界って美男美女で作られてんのか……?)

不葉

あ、いた

月華

不葉様!

月華

先日は私のようなメイドに声をかけて頂き誠にありがとうございます

不葉

あ…うん

 

お礼の品が思い浮かばないことをお許しください

不葉

え……いや……

 

私は、貴方様の為に身を粉にして働く所存です

不葉

いや…うん……

不葉

あ…ありがとう…

 

では、これで

 

本日はありがとうございます

不葉

あ、うん……

不葉

またね

銀木犀

(不葉、自分で何も言わずに部屋から出られるようになってる)

銀木犀

(良かった…)

銀木犀

(……)

銀木犀

(人を惹きつけているのに気がついてないな)

銀木犀

(これが……)

銀木犀

(無意識の才能ってやつか…?)

第9話・深い愛情

枯れる前の夏、最期は優しい香りで

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コメント

3

ユーザー

無意識の才能怖え……😖😖 あのメイドさんも不葉さんのことを「忌み子」と呼んでいたってことは不葉さんにあまりいい印象を持っていなかったんだろうな……でも、不葉の人を惹きつける力のおかげであのメイドさんも心を入れ替えたみたいだし……!!不葉さんの行動力には驚かされるよ……😳✨ げ、月華さんから少し不穏な言葉が……。このまま何も起こらなければいいんだけど……😵‍💫😵‍💫

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