作者
作者
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リヒテンシュタイン
時刻は夜8時。 お風呂に入って来いと促した家族、 リヒテンが戻って来た。
スイス
リヒテンシュタイン
スイスはちっとも動じず立ち上がり、 妹の全貌をまじまじと見た。
大事にしていたベージュのリボン。
確かにそれは、 リヒテンのワンピースから 姿を消していた。
スイス
リヒテンシュタイン
スイス
リヒテンシュタイン
スイス
スイス
スイス
スイス
リヒテンシュタイン
スイス
収穫はあった。
それは…、 リヒテンが来たばかりの頃に 撮った写真だった。
スイス
今はひとりで、 リボンさがしだ。
スイス
スイス
独立して、 …独り立ちしたんだな。
写真立てに被った埃を払う。
人見知りなのに、 初めて会うスイスの手を握る 写真の中の君は
今と変わらない 笑顔なのになぁ………
リヒテンシュタイン公国は たくさんの国のもとを 転々としてきた。
言語も、文化も、通貨だって ほかの国のものを使って。
いそがしいヨーロッパ諸国の家を たらい回しにされて。
要するに、 ちゃんとリヒテンのことを 面倒見られる国が 居なかったのだ。
そうして最終的に、 永世中立国スイスのもとへ 回って来た。
オーストリア
スイス
オーストリアは 悲し気だった。
普墺戦争で味方してくれた義妹を 手放さなければならないからか、
もしくはお調子者な性格故に 心を開けなかったのが惜しいのか。
リヒテンシュタイン
ギュっと握られた幼い手に、 親愛は、なくて。
今日から握るスイスの手にも 信頼は、伝わらない。
不安だから 繋ぐのだ。
―――ガタン!!!!
スイス
スイス
この音には流石に動じ、 鳴った方へと駆け出した。
スイス
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
スイス
震えながら差し出された 右手を見ると、
強く打った痕があった。
リヒテンシュタイン
スイス
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
スイス
リヒテンシュタイン
泣きじゃくっていても、 スイスが手当てをしている間は じっとしてくれていた。
スイス
リヒテンシュタイン
スイス
スイス
スイス
スイス
リヒテンシュタイン
泣くのをやめて、 身体を強張らせるリヒテン。 そうか、突然真顔で 質問してしまったからか。
スイス
リヒテンシュタイン
スイス
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
スイス
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
誰だ。
誰がこの子にこんな、 こんな恐怖を 植え付けたんだ。
スイス
たらい回しにされる中で、 リヒテンは学んだ。
大人にとって都合が良いのは、
”手のかからない子” であることだと。
だからいつも大人しくして、 言うことを聞いて、 手当てしてるときは黙って…
リボン探しに責任を感じて 張り切って、 怪我までしてしまうのだ。
スイス
スイス
スイス
だからリボンをなくしたことも、 怪我をしたことも、 「大人にきらわれる」行為なのだ。
「はぁ…お母さんを困らせないで」 「お父さん忙しいんだ。分かるよな?」 「私達怒りたくて怒ってるわけじゃないの」 「何度も同じこと言わせないで」 「また?」「はぁ…」「チッ」
余裕が無いと 言ってしまう言葉。
気を付けていても、 すぐ口をつく。 大人は子供に学ばせようとする。 子供は大人の言葉から学んでいる。
スイス
スイス
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
スイス
…ぽふっ。
スイスはリボンを受け取って、 リヒテンをソファに座らせる。
その隣に座り、 リボンを後ろで結んであげた。
スイス
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン
スイス
リヒテンシュタイン
きゅっ!
後ろで可愛らしく リボンが締まると、 リヒテンシュタインは言葉を変えた。
リヒテンシュタイン
スイス
リヒテンシュタイン
結ばれたリボンは
不安そうに繋いだ 手なんかよりずっと
ずっと強く、 ふたりを結った。
コメント
13件
おお いいわぁ
この作者様はいろんなキャラが登場してめっちゃ癖に刺さります。質問なのですがキャラ設定はどうやって決めていますか?
推しをこんな風に神作にしてもらえるなんて… リヒテンはあんまないからほんとにありがとうございます!