出久
…やっぱり「死神」はお姉さんだったんだね
朱音
気づいてたんだね
出久
最近になってだよ
朱音
…そっか
出久
僕がヒーローになったから離れたんでしょ
出久
僕を、守るために
朱音
さあね
朱音
出久くんは私のこと、「死神」だって知ってどう思った?
出久
…理解したくなかった。だから、話したかった
出久
なんでこうなったのか
朱音
別に出久くんのせいじゃないよ
朱音
悪いのは私の個性だから
朱音
…普通に生きられなかった私だから
出久
お姉さんは悪くない!
朱音
そうだなぁ…昔話でもしよっか
昔昔、あるところに1人の女の子がいました
その女の子は普通の家に生まれ、普通に暮らしていました
しかし、個性が発現した途端、人々は変わってしまいます
愛されていたはずが、見捨てられ
親しかったはずが、迫害され
暖かな目は恐怖の目に変わり
天にも見放された
家から追い出された女の子はある路地裏で1人の男性に拾われた
その人は女の子の個性を怖がることなく、何不自由なく育ててくれた
女の子は恩を返したいと思い、男性の元で働き始めた
数年の月日が流れ、女の子はある少年と出会う
朱音
私は先代首領に拾われた
朱音
恩を返すためにこの世界に入った
出久
後悔してる?
朱音
する訳ない
朱音
色々あったけど、捨てられる前の人生と比べたら全然
朱音
それに、いずれNo.1ヒーローになる子供を救えた
朱音
それだけで私の人生には意味がある